IM分野で「雪解け」–マイクロソフト、AOL、ヤフーが相互乗り入れへを読んで。
てっきりもう相互乗り入れは諦めたのかと思っていたが、そうではなかったようだ。
ようやっと、マイクロソフトの企業向けIMがAOL Instant Messenger、Yahoo Messenger及びMSN Messengerとの連携を実現するらしい。
CNETの記事にも何と11件ものトラックバックがうたれているから、その注目度の高さが伺える。(私のトラックバックの遅さも・・・)
ここのところ立て続けにヤフーとAOLが企業向けのIMシステムから撤退していたが、こういうシナリオだったのだろうかと穿ってみてしまう。
(ちなみに、IMシステムのこれまでの経緯は、FPNで川島さんがわかりやすくまとめている)
正直コンシューマー向けのIMでどうやってAOLとYahoo!は利益をあげるつもりなのか良く分からなかった。あきらかに現段階のIMサービスの分野で収入を上げようと思ったら企業向けのシステムに力を入れるほか無いはずだ。
インターネット上のサービスの常識として、コンシューマー向けの有料サービスはなかなかビジネスにならない。マイクロソフトのような大企業が率先して無料でなんでもかんでも提供してしまうから、他の会社が有料でやったところで無料サービスとの差別化が非常に難しいからだ。
にもかかわらず、AOLとYahooは企業向けIMシステムを放棄していた。
それに関連しそうなコメントがCNETの記事に出ている。
Microsoftは、AOLとYahooにロイヤリティを支払って、両社のクライアントからLCSへ接続できるようにする。この支払い金額の算定方法について、3社は詳しい説明を避けており、AOLやYahooに接続するLCSユーザーの数をベースに算定されるかどうかはわかっていない。
要は、AOLとYahooは、自前の企業向けIMシステムでMicrosoftやIBMに挑むという無茶をせず、無料で配布したクライアントを元にMicrosoftからお金をもらうという現実的なビジネスモデルに転換したということなのだろう。
このモデルなら、AOLとYahooは労せずしてそれなりの収益をMicrosoftから得ることができる。
わざわざ金を払わないコンシューマー向けに相互接続するシステムを構築する必要も無い。
戦わずしてコバンザメになるとは見栄えが悪いが、まぁ孫子の兵法と思えば悪くないかもしれない。