[SNS]7万人の町「GREE」を一人で作ってる会社員 を読んで

7万人の町「GREE」を一人で作ってる会社員を読んで

 CNETの山岸さんのブログ経由でITmediaの記事を知るというのも変な感じだが、なんとなくmixiとGREEの違いが見えてきた気がする。


 実は友人とSNSの話になると、mixi派、GREE派に分かれることが多い。
 私はGREE派だが、先日の飲み会で会った人は多くの人がmixi派だった。

 この違いはどこから来るのだろうとずっと考えていたのだが、今回の田中さんのインタビュー記事も含めて下記の3つの記事を見ながら何となく全体像が見えてきた気がする。

・「それでいい、楽しいから」――7万人の町「GREE」を一人で作ってる会社員
・ソーシャルネット「mixi」、儲からなくても続ける理由
・Greeとmixiの違いを考えてみた(ネタフル)

 ネタフルのコグレさんが、「GREEはリアルライフの写し鏡であるという表現が適していると思います。逆にmixiは、クローズドな空間で完結するバーチャルライフであると言えるでしょう。」と表現している。
 この違いはどこから来るのだろうか。

 ITmediaの二つの記事は、一見非常に似ている。
 GREEの田中さんは「儲からないけど、楽しいからそれでいい」と言っていて
 mixiの笠原さんも「儲からない、でもユーザーは増やしたい」と言っている。

 でも、この二つの発言は本質的には違う。

 GREEの田中さんは某IT企業の社員であり、GREEは趣味や力試しの場所として発言しているように感じる。
 mixiの場合、笠原さんは社長であり、mixiはあくまで一つの事業の柱になるべき存在だ。

 だから、田中さんは自分が楽しければ良いと言い切れてしまうし、GREEの志向も忙しい合間を縫って友達とのつながりを維持する方向になるのだろう。田中角栄の名刺の例を出しているが要するにそういうことだ。リアルな世界の友達維持管理サービスと表現すればいいのだろうか。
 新しく始まった「GREEマガジン」に見られるように、出会いの場自体はリアルでいいじゃないかという方向性は、mixiにない明らかなリアルライフ志向だ。

 逆に笠原さんは、新しいオンラインコミュニティビジネスを模索する必要があるし、それを実践中だ。オンラインで収益をあげるという視点で考えると、いかに利用者をそのコミュニティの中に長時間滞在させるかと言うことがまず重要になるのだろう。
 GREEのようにオフラインに利用者が出会いの場を求めてしまうと、一番重要なトラフィックがオフラインに流れてしまう。そう考えればmixiが日記を中心にオンライン上だけでコミュニケーションが完結するような手段を多数提供しているのも納得だ。

 
 もちろん、これ自体どちらが正しいと言う話ではない。
 現在の利用者数は7万人、5万人と多いとはいえ、まだまだインターネット利用者の1%以下に過ぎない。
 現段階ではどちらかが生き残ると言うレベルではなく、どちらも共存しながらSNS自体の存在意義を増していくのだろう。(もちろんキヌガサやOrkutなど他のサービスが今後どうなるかも注目だ)
 今後が非常に楽しみだ。

 ちなみに、GREEの中核メンバーでもある山岸さんのCNETではなく、ITmediaが先にこのようなインタビューを実施したのは、なんとも変な感じだ。
(山岸さんがITmediaにリンクしているのに、田中さんのブログではリンク先がYahoo!ニュースの提携記事になっていたりする。) 

 山岸さん、是非CNETでSNSの濃いインタビュー特集を組んでくださいね・・・