「総務省の情報通信政策の最近の動向」総務省・今川拓郎氏 – CNET Japanを読んで。
はじめてCNETの「e-Japan戦略の本音を探る」という特集を見たときはちょっと驚いた。
オンラインメディアがここまで真面目に霞ヶ関の人たちを取り上げるのはあまり見たことが無かったからだ。
個人的には政府関連のサイトや情報は読みづらいものが多いため、実はほとんど読んでいない。
そういう意味ではCNETのこの特集は意外に面白く勉強になるし、国の方針と言うのが産業に与える影響の大きさを感じてしまう。
今回のインタビューであらためて浮き彫りになったのは、都市部と地方のブロードバンド普及の格差だ。
現在東京や大阪などの都市部では、ブロードバンド回線の選択肢は無数にある。ADSLはもちろんのことFTTHにしても複数の事業者から選択できるケースも増えてきている。
ただ、それに対して地方都市というのは意外にブロードバンドの普及が進んでいないようだ。CNETの記事では具体的な数字が掲載されている。
DSLでも市部で75%、町村分で49%、FTTHでは市部で75%、町村部で14.9%というのが実態のようだ。
もちろんサービスと言う視点で見れば、東京の方がデパートや小売店のバリエーションが多いのと同様で、民間企業からすれば投資が都市部に集中するのはごく当たり前の現象と言える。
ただ、ブロードバンドサービスは、利用できる人に場所を問わずにインターネットに参加できる権利を与えるという性質があるから難しいところだ。田舎だからルイ・ヴィトンの店が無くて当たり前という話とは質が違う。
こういう民間の競争原理だけでは問題が発生するところにこそ、国がリーダーシップを取って仕組みを作る必要があるはずだ。
総務省としてはまさに腕の見せ所と言うことだろう。
もちろん記事の中で触れられているような「ユニバーサル基金」構想が日本においては各通信事業者の思惑もありなかなか上手く行っていないのもまた事実。
昨日触れた孫社長の会見のように総務省の手法に対して斜めに見ている人が多いのもまた事実だ。
米国や韓国に負けないように、是非頑張って欲しいところだが・・・