スカイプは電話市場を消滅させる?

 スカイプとライブドアの提携報道以降、スカイプの今後の展開がどうも気になって仕方ありません。


 スカイプのすごさは今更取り上げるまでも無いとは思いますが、CEOのセンストロム氏の「これからの電話はソフトウェアになる」という発言が実に印象的でした。

 今までの電話事業の常識は、あくまでケーブルとセットというインフラ事業でした。
 それがブロードバンド回線が各家庭に引き込まれたことによって、電話はソフトウェアだけで無料で利用できるものになってしまったわけです。

 まぁ、冷静に考えるとメールもメッセンジャーも無料だったわけで。
 良くここまで持ったと考えるのが正しいのかもしれません。

 そんな中ではっとさせられたのがスカイプの経営方針です。

 これまで一般的な通信事業者は全てARPU(Average Revenue Per User)とよばれる顧客一人あたりの収入を指標にしていました。
 例えば携帯電話なら一般の人が支払うお金の平均が月6000円なのか1万円なのか。
 
 つまり、できるだけ全ての人から少しずつでも多くお金を取るというのが指標だったわけです。

 これに対し、スカイプはARPE(Average Revenue Per Employee)を指標とする、とはっきり宣言していました。
 利用者が何人いるかは全く関係なく、社員一人がいくら稼ぐかを指標としているわけです。

 この考え方は、Yahoo!やGoogleにも通じるところがあるんだそうですが、これは既存通信事業者からすると、とんでもないパラダイムシフトになります。
 スカイプからすると既存の電話市場がどれぐらいのサイズだとか、一般的な利用者の月電話料とかは全く興味が無いわけで、自分たちが利益のでるレベルであれば、産業全体のサイズが小さくなってもお構いなしというわけです。

 ちなみに、スカイプには正社員が全世界で70名程度しかいません。 
 日本にはたったの二人です。

 日本の電話市場が数兆円から仮に百分の1、千分の1になろうとも、スカイプからすると全く痛くも痒くもないわけです。
 これを破壊的イノベーションといわずして何を言うのでしょう?

 スカイプによって、電話がメールと同じ無料のコミュニケーション手段になってしまうのも、時間の問題のような気がしてしまいました。

 にもかかわらず、佐々木さんの「Skypeは戦争を巻き起こすか」という記事では、NTTの幹部の「Skype? そんなものには興味はないね。いま最大の危機はソフトバンク。対孫正義攻略が、第一だ」という発言が紹介されていますが、そんなこと言ってると、結構洒落にならないことになるんじゃないかなぁ・・・という気がしてしまいます。

 さぁどうなるんでしょう?
 

 なお、メタミX!の増田さんがスカイプのファンサイトを開設されたそうですので、興味のある人は参加されてみてはいかがでしょう。

“スカイプは電話市場を消滅させる?” への3件のフィードバック

  1. スカイプは電話市場を消滅させる?

    スカイプとライブドアの提携報道以降、スカイプの今後の展開がどうも気になって仕方ありません。  スカイプのすごさは今更取り上げるまでも無いとは思いますが、CEOのセンストロム氏の「これからの電話はソフトウェアになる」という発言が実に印象的でした。 ..

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