有料モデルは無料モデルにいかに勝つか

 先日、GLOCOMの情報社会学(若手)研究会に参加させていただきました。


 もともとは「ネットは新聞を殺すのか」の湯川さんと切込隊長の対談の予定だったんですが、残念ながら切込隊長は参加できず他のメンバーによる濃いディスカッションとなりました。

 今回非常に印象に残ったのは、やはりメディア業界においても通信業界や音楽業界などの他の業界と同様に、ネットによるパワーシフト、パラダイムシフトが起きているんだろうということです。

 たとえば既存の新聞業界は、利用者から毎月購読料をもらうというサブスクリプションモデルを取っています。
 これは先日Skypeの記事で紹介した既存通信会社のARPUを中心としたモデルと同じような感じで、一人一人の顧客からどれだけ平均的に多くのお金をもらうか、というモデルですね。

 このモデルは、やはりどうしても、質の高い無料モデルが出てくると苦境に立たされるようです。これをイノベーションのジレンマと言って良いのかどうかは良く分かりませんが。
 利用者からお金をもらうのか、無料で利用者の数を集めて企業からお金をもらうのかというモデルの違いですね。

 例えば電話会社の基本料金に対する無料電話、有料雑誌に対するフリーペーパーと、既存メディアに対するネットメディアの議論、も同じような位置づけで捉えられることできるのかなぁと思いました。

 ただ、どうも個人的には、だからといって全てのサービスが利用者に対して無料で提供されるとは思えません。
 おそらく既存の事業者は無料のサービスに対して優位が維持できるように質を高めていくか、自分たちも新しいパラダイムで戦えるようにビジネスモデルのシフトを行わないといけないのでしょう。

 参考になるのは同じメディア産業であるテレビだと思います。
 実は私は日本のテレビの民放が、最大の無料サブスクリプションモデルの体現者だったと思っています。
 (利用者はNHKに基本料を払っていますが、民放に対してお金を払っている感覚は無いはずです)

 もちろん、いまだにメディア産業における民放の地位なり占める割合というのは、非常に大きいものがあるのですが、ケーブルテレビやスカパーなどの有料サービスも健闘しています。
 攻められている既存事業者が、そういったサービスのシフトで現在の規模を維持できるかというと、そうではないと思いますが、必ず有料モデルも生き残る道があるはずです。

 なんて書いては見ましたが、どうも自信はありません・・・
 その道のプロの方々がブログで感想をまとめていますので、詳細はそちらを参考にどうぞ。

 ・R30::マーケティング社会時評
 ・おおやにきから
 ・本家みかままの覚書
 ・diary.yuco.net

“有料モデルは無料モデルにいかに勝つか” への1件のフィードバック

  1. Googleがネット電話(IP電話)参入か?    [みんなが欲しいサービスは何?》見募集中]

    googleツールバーを介して該当サイトの人とお話できるように なるかもしれないんだって。 こういう拡張がされるとかなりうれしいね。 ただ、googleツールバー限定ではなくて、他のツールバーとも規格をあわせて 使えるようになったらいいね。 そしたらサイト管理者も

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