NTT西日本のパケットゼロで、固定と携帯の境界が消える?

ブロードバンド回線と赤外線通信で携帯電話のパケット通信料が無料に – CNET Japanを読んで。

 NTT西日本がやってくれましたね。

 このニュースはちょっと通信に詳しくない人からすると分かりづらいニュースかもしれません。
 簡単に説明すると、今回のこの「パケットゼロ」というサービスは、移動通信事業者の専用端末であった携帯電話を、PCやPDAと同じように通信回線を選択できる端末にしてしまうものです。
 
 現在、家やホットスポットで無線LAN経由で定額ブロードバンドが利用できるように、携帯電話も赤外線経由でブロードバンド回線を利用できるようにするサービスですから、定義としてはあくまで携帯電話という端末が固定通信を利用しているだけ。
 だからNTT西日本という地域通信会社がサービスをできるわけですが、利用者の視点から見ると単純にパケット代が安くなる可能性があるサービスになるわけで、固定通信と移動通信の境界を更にあいまいにする大きな一歩と言えると思います。

 個人的に注目したのは、サービス提供事業者の中に「ビー・ユー・ジー」の名前があったこと。
 ビー・ユー・ジーには、過去にNTTがISDNの普及に苦心する中、NTTと組んで低価格ISDNルータのMN128を開発し、ISDNの急速な普及に貢献した歴史があります。

 今回のパケットゼロステーション開発にあたっても、その頃のヒューマンネットワークが貢献しているのは創造に難くありませんね。

 ちなみに、このパケットゼロは当然NTTドコモの収益を下げてしまう可能性のあるサービスの開始ですから、NTTグループ全体で見るとビジネスの価値は微妙。
 今回のNTT西日本のサービス開始までには相当な激しい議論があったことが容易に想像できます。 
 
 ただ、固定通信事業者からすると、自宅に電話回線を引かずに携帯電話で済ませてしまう人が増加していることが増加していることや、自宅のインターネット回線を定額PHSで代用している人がいることを考えれば、固定通信と移動通信の戦いは既に始まっている戦い。
 規制にしばられて攻められっぱなしの中、ようやく見つけた突破口という感じもあります。

 もちろん、赤外線と言う指向性の強い形態で、このサービスがブレイクするのかどうかは実際の利用シーンとの組み合わせ如何でしょう。注目したいところです。
 

 それにしてもNTT西日本は、先日も定額制のビデオ・オンデマンドサービスを開始するなど、最近かなり前向きなチャレンジをしている印象が強いですね。
 NTT西日本は、東日本に比べると経営的に難しい位置にあると言われ続けていますが、その難局こそがこのチャレンジのエネルギーになっているということなのでしょうか。

“NTT西日本のパケットゼロで、固定と携帯の境界が消える?” への2件のフィードバック

  1. NTT西日本のパケットゼロで、固定と携帯の境界が消える?

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