ヤフーのモノマネ戦略こそが、ヤフーの強さとなるのか

ヤフー、シンプルながら機能強化した新検索「Yahoo! SEARCH」ベータ版を公開 – CNET Japanを読んで。

 遅ればせながらYahoo! SEARCHを使ってみましたが、本当にGoogleをほうふつとさせるデザインですね。
 モノマネと批判される向きもあるようですが、さすがにここまで同じだとちょっと笑ってしまいます。

 ちなみに、今週頭にCNET Japan Innovation Conferenceに参加してきましたが、その場で印象に残っているのがヤフーの人が講演で「Googleの検索エンジンとの違いは何か?」と質問されたときの対応。

 細かくは覚えていませんが、とにかく「大きな違いはない」との趣旨の発言をしていたのが印象に残っています。
 

 要は、現在開発しているYahoo!の検索エンジンは、Googleの検索システムに追いつこうとはしているけれども、追い抜こうとはしていないと暗に表現していると言ってもいいぐらいです。

 ある意味ビジョンが無いと批判しやすい部分ではあるのですが、このあたりに同じサービスを提供していれば負けないというヤフーの自負を感じないでもありません。

 以前にR30::マーケティング社会時評の「ネット時代の「マネ下デンキ」戦略の成否」という記事がありましたが、まさにヤフーのスタンスはネット業界の松下電器。
 R30さんが書かれているように、「「後からかならず、無難な、合格点の」商品を出してくる」という印象があります。

 新製品への挑戦はネット業界のソニーたるGoogle等のほかの企業に任せておき、これが来そうだと思ったらしっかりと類似のサービスを自社のポータルで立ち上げる。
 特に、日本においてはヤフーのポジションは圧倒的ですから、その特徴が上手く機能している感じはします。
 過去に紹介したようにサービスラインアップをとにかく揃えてくる印象がありますし、最後発に近いブログサービスもしっかりキャッチアップしましたし、海外ではGoogleがリードする検索ポータルとしての地位も、日本では依然ヤフーのほうが圧倒的に強いと聞きます。

 
 ただ、CNETのConferenceのプレゼンテーションでは、あまりYahoo!のプレゼンが目立たなかったのに対し、GoogleのGoogle Earthのデモが歓声を呼ぶほど注目を集めたのもこれまた事実。
 ASCII24の記事にあるように、「会社がどれだけ大きくなっても「“ユーザーエキスペリエンスを向上させる”というGoogleの目標は変わらない」と説明」するなど、Googleには一貫したビジョンや、先頭を走っていくという自負が感じられます。

 果たして、モノマネという批判を受けつつも、なんだかんだ全てを吸収していこうとするヤフーが強いのか、ビジョンを持って先頭を走るグーグルが強いのか、個人的にはどうも良く分からなくなってきました。(まぁ、そもそも両方強いし、もちろん国による違いとかいろいろあるんでしょうけど) 

 結局はネット上のサービスは、IDや利用時間の奪い合いになっている感じもするので、各事業者とも同じようなサービスラインアップをそろえる様になってくるのかもしれませんが・・・