荒川静香のイナバウアーへのこだわりの価値
asahi.com:荒川、極めた美 「見せたいから」イナバウアー - スポーツを読んで。
凄かったですね、荒川静香選手。
正直、あまりの演技の迫力に感動して、ちょっとウルウルきてしまいました。
さらに驚いた金が決まった当の本人の満面の笑顔。
てっきり、涙ぐむのかと思いきや、金メダル確定の瞬間も表彰台でも当然といわんばかりの満面の笑み。
いや、本当にすごいです。
伊藤みどりが銀メダルをとったころは、「日本人は体格で劣るから芸術点では勝てない、だからジャンプで点を取るしかない」みたいな話が常識でしたが、荒川選手の演技は芸術的にも完璧な演技。
おまけにオリンピックに至る前の逸話としても、オリンピック2ヶ月前にコーチも変え、曲も急遽「トゥーランドット」に変更。しかもその曲が、トリノ五輪の開会式でルチアーノ・パバロッティによって歌われ、「運命を感じた。」と発言するなど、今振り返ってみると実に話題満点の金メダルロードですね。
個人的に特に感動したのは、荒川選手のトレードマークであるイナバウアーをめぐる葛藤。
なんでもイナバウアーは、メダルを取るためのポイントにはほとんどメリットのない技で、荒川自身が過去に「(ポイントを考えるなら)イナバウアーは無駄」と発言して一度封印した経緯があるそうです。
が、それをあえて今回のトリノ五輪では復活。
競技の評価基準だとか、ポイントとかにこだわりすぎてしまっていたら、おそらくこの技を使うことは無かったはずです。
でも、そんなイナバウアーを「自分らしさを表現できる手段」としてあえて使ってきたところに、自然体にこだわった荒川選手の勝因の一つがあるように思います。
ポイントを気にするあまり、自分の愛着があり、自分らしさの象徴である技を使わなければ、結果自分らしさを忘れてしまって、これほどの成果には結びつかなかったかもしれない、そんな感じさえしてきてしまいます。
実際、もう私たちは荒川選手=イナバウアーとして記憶することになりそうですし、イナバウアー(ドイツの選手の名前だそうですが)は、今年の流行語大賞になりそうな勢いです(そんなわけないか)
自分も、ついつい普段、周りの視線や評価基準を気にして自分らしさを忘れてしまいがちですが、他人と自分を比較して違いを意識しすぎるよりも、自分らしさをしっかり考えて、自分のできることというのをしっかり見つめる。
そんなことが大事だということを、改めて考えさせられた感動の演技でした。
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