パーソナルブランディング (ピーター・モントヤ)

パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す 昨年、ブログをパーソナルブランディングのツールと使っているという発言をよく耳にしたので、ちょっと気になって買ってみました。
 
 書籍自体は完全に独立して事業を行っている個人事業主向けの本ですが、その姿勢自体はこれからの企業人にも参考になる部分が多々あると思います。
 ちなみに気になったのは書籍の中盤に出てくる「認知度が能力より重要」という発言。
 著者自身「これはプロの人たちの怒りを買うだろうが、真実なのである」と念押しをしていますが、確かに、実は実力があるのに以外に知られていない人と、知られているために実力以上に大きく扱われている人というのはよくある話です。
 当然、実力以上の下駄をはいていると、いつか足元をすくわれることになるなるんだと思いますが、実力があっても認知されなければ意味がないわけで。
 ただ、自分をどれぐらいの実力の人間と位置づけて認知してもらうかというのは、なかなか難しい問題だと思います。


【読書メモ】
■今すぐ実行できる8つの重要項目
1.同業者、顧客、会社のスタッフのあなたに対する見方を彼らと話し合う。
2.あなたの専門分野における強みとなっている特色やスキルをリストアップする。
3.あなたのリストを他人が言うことと比較する。どれほどの相違があるだろうか。
4.主な競争相手のリストを作成し、彼らのパーソナルイメージをリストアップする。
5.あなたが競争相手に対して差別化しているものをリストアップする。
6.あなたが顧客と共有している価値、利益あるいはその特色を書き出す。
7.紹介を受けた顧客に彼らを紹介した人間があなたについてどう言っていたかを尋ねる。
8.あなたの分野に属する専門家で素晴らしいパーソナルブランドを持っている人々のブランディングにおける素材を収集する。
■認知度が能力より重要
 人々があなたの名前や顔を繰り返し見れば、あなたが成功を収めており、したがって、まだ見たこともないサービスプロバイダよりはマシに違いないと思う。こういった企業では電話が鳴り響き、仕事の依頼がくる。認知度が自己達成の力となるのである。
 他方、認知度が低下すると信用も低下する。今日のようにマーケティング情報があふれている時代において、知る価値のある人間はすでに彼らのレーダースクリーンを横切っているものだと人々は思い込んでいる。もし彼らがあなたのことを聞いたこともなければ、うまくいくわけがない。これも不公平であるが、真実である。
■自分を差別化するうえで最善の方法
1.自分の職業分野で新しいカテゴリーを創造する。
 例えば、ウェブデザイナーが自分を双方向テレビ広告のデザイナーとして新しく位置づけるのも一例である。そのためには、あなたの商品あるいはサービスが真に他のものと違わなければならない。単なるオモテヅラをいじっても通用しない。
2.あなたのブランドに競争相手が気づいていないとするような第一属性を選択する。
 例えば、もしあなたのマーケットで時間の節約、納期厳守といったことに関するブランドを持っている会社が一つもなければ、そのあたりの特性をあなたのブランドに取り入れる。
3.誰も提供していない商品やサービスを提供する。
■パーソナルブランドにおける四つの要素
1.パーソナリティ
 そのパーソナリティがターゲットとするマーケットにふさわしいかどうかを確かめる必要がある。不適切な行動ほど急速に顧客を遠ざけてしまうものはない。
2.バックグラウンド
 どの部分を公表し、どの部分を取り下げるかを理解している必要がある。
 
3.興味
 興味は差別化を行う上で強力な手段となる。というのも、興味というものは理解しやすく、人の記憶に刻み込むことがたやすいからである。
4.ライフスタイル
 この部分を伝えることは、通常マーケティングには及ばなくとも、ブランドに命を吹き込むうえで効果がある。
■特化とポジショニングの違い
1・あなたは、自分がターゲットとするマーケットのニーズのみを考えて、競争相手とは無関係に特化している。しかし、あなたは競争相手との関係で自分のポジショニングを行う。つまり、彼らがカバーしていない空間を占領しようとするのである。
2.特化とはあなたが提供するサービスや価値に関係する。一方、ポジショニングはあなたのパーソナルブランドが人々の心の中で喚起する観念に関わるのである。
3.特化とは競争相手と違った部分に注目し、他と違う自分を作り上げるといったことである。一方、ポジショニングはターゲットとするマーケットに対して、他を差し置き、特定の商品やサービスが「あなたのもの」であることを認識させることによって、マーケットのあるセグメントを「所有」することなのである。
■より強力なポジションに向けた戦略
1.一貫性
 一度ポジションを選択したら、そこに執着し、自分のメッセージに一貫性を持たせる。あなたのポジショニングが自分のターゲットとするマーケットに知れ渡るまでには時間を要するだろうが、その時間を待つことである。
2.可能であれば、何か目新しいことを選択する。
 いつでも可能であるとは言えないが、自分のマーケットでいまだ誰も挑戦したことのないようなポジションで、あなたが満たせるような部分があれば、そこに一撃をくらわすのである。成功には結びつかないように見えるものが、実はとてつもない成功をもたらすかもしれない。
3.自分のポジションをスローガンに含めよ
 スローガンどおりに行動せよ。それをなす時には、自分のポジショニング宣言のエッセンスを取り込んだスローガンを書き出しておく。
4.自分のポジションを語る
 人々があなたの仕事に関して尋ねた時、自分のポジションを反映した答えができるように文句を準備しておく。
5.さまざまな手段を通じて自分のポジションを強調する
 得意先や見込み客に自分のポジショニングを納得させる方法を見出す。例えばDM、ノベルティ、スポーツのチケットのようなお礼用のギフトでも何でもいい。
6.侵入者から自分のポジションを守る
 もしあなたが成功していれば、競争相手はそのポジションをコピーしようとする。その対抗措置は、まずターゲットとしているマーケットはあなたが最初にポジションを押さえたと認識していることを確認する。第二に、競争相手のメッセージを見た後に、ポジショニングの強化をさらに促進すること。
■年間プラン
パート1 パーソナルブランドの決定
 1.ブランド評価  今日のあなたのパーソナルアイデンティティは何か
 2.目標設定    あなたのパーソナルな面での目標および仕事上の目標は何か
 3.ブランドの目的 あなたのパーソナルブランドにどのような効果を求めるのか
パート2 パーソナルブランドの洗練
 1.ターゲットとするマーケットを選定する。
 2.特化することを決定する。
 3.あなたのポジショニングおよびパーソナルブランディングを文章で表現する。
 4.あなたの第一特性を決定する。
パート3 パーソナルブランドの展開
 1.ブランディング戦略
 2.予算
 3.アクションプラン・マーケティングのスケジュール表
【目次】
1 パーソナルブランドとは何か(パーソナルブランドをなぜ作り上げるのか
販売とは、マーケティングとは、そしてブランディングとは何か ほか)
2 あなたのブランドは何か?(ビジネスニーズに合ったブランディング個人的な要素をパーソナルブランドに取り入れる)
3 ブランディング戦略(特化か、それとも衰退かポジショニング―自分の場所を確保する ほか)
4 パーソナルブランドのための最強ツール(パーソナルパンフレットパーソナルロゴ―名刺、スローガン、アイコン ほか)
5 自分のパーソナルブランドを一二カ月で構築する(自分のブランディングとマーケティングの年間プランを書き上げるブランドを維持し、防御する ほか)

パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す
ピーター・モントヤ 本田 直之


Amazonで詳しく見る
by G-Tools