アスピレーション経営の時代 (江幡 哲也)

アスピレーション経営の時代 アスピレーション経営の時代は、オールアバウトCEOとして有名な江幡さんの著書です。ガイドをやっている関係で献本をいただきましたので、遅ればせながら読んでみました。
 CNETの記事なんかでも出ていましたが、オールアバウトはガイドという形でブログ的な執筆者を集めながらもバナー広告やタイアップ広告で比較的ページビュー単価を高く維持している「ヘッド・ミドル系で十分儲かる」ビジネスモデルの会社です。
 そのコンセプトやモデルが江幡さんのどういう思想から生まれてきたのか、なぜリクルートがこのビジネスにかかわり、ヤフーとの提携はどうやって成し得たのか、この書籍からうかがうことができます。
 ちなみに、アスピレーションとは「志」ということのようです。
 ビジネスのことだけでなく、志を持って事業をやらなければ儲かっても空しいだけというところでしょうか。(タイミング的に、ライブドアショックへのアンチテーゼ的な部分もあるのかもしれません)
 
 オールアバウトのビジネスモデルについて知りたい人はもちろん、起業や新規事業立ち上げに携わる人には参考になる本だと思います。


【読書メモ】
■個人が自立するための4つのリテラシー
「健康・医療」「ファイナンス」「キャリア」「情報」
■「人間力」によって情報のレベルも変わる
1.便利
2.安心
3.信頼
4.共感
■ビジネスのルール10ヶ条
1.仕事には3つの輪がある 「やりたいこと」「できること」「やるべきこと」
2.「よいことに取り組むこと」が人の力を引き出す
3.コミットメントを引き出そう
4.損して得とる
5.情報の集中を心がける
6.事実と意見を分ける
7.すべてのことは図表になる
8.「目的の目的」展開をしよう
9.世の中にはグー・チョキ・パーがある
10.実現力がいちばん大切である
■二種類の事業
「ちょっとずつ不具合を感じている多くの人や企業を支える事業」
「対少数は少ないが、その人や企業を深く支えるソリューションを提供する事業」
■オールアバウトの「5つの力」
1・情報編集力
2.専門家マネジメント力
3.収益マネジメント力
4.人材組織力
5.ブランド力
■理想のリーダーは、人間的な魅力を備えている人
・一緒にいるとこちらまでエネルギーを与えてくれるような人
・揺るぎない志があって、信頼感のある人
・利己的でない人、あるいは利己的な部分を隠せる人
■仕事の失敗の九割は社内のコミュニケーション・ミスあるいはロス
■カスタマー・エージェント
 消費と情報を一体化させて「実現の代理人にもなる」
(コンシューマー・エージェント:5000万人の会員の年会費を元にメーカーから原価で会員におろす「御用聞きマーケット」)
【目次】
第1章 僕の「世直しビジネス」宣言!
 ライブドアが「実業」だった頃
 世の中にあふれる情報はどこまで正確か ほか
第2章 世界一シンプルなビジネスのルール・10ヵ条
 ルール(1)仕事には三つの輪がある
 ルール(2)「よいことに取り組むこと」が人の力を引き出す ほか
第3章 「リクルートの立ち上げ屋」と呼ばれて
 おやじは本当に怖かった
 キャバレーにいった中学生時代 ほか
第4章 スタート・アップ!~オールアバウト誕生物語
 急浮上したアメリカとのジョイントベンチャー構想
 目をつけて一ヵ月でニューヨークへ ほか
第5章 みんなが幸せになる「志(アスピレーション)」の哲学
 ワンランク上の視点を持とう
 人事異動はいちばん弱いヤツから告げる ほか

アスピレーション経営の時代 アスピレーション経営の時代
江幡 哲也


Amazonで詳しく見る
by G-Tools