今からブログを始める人には当然匿名ブログを薦めます

 先日、自分が人気ブログ至上主義者だと思われて悲しいという話を書いたが、もう一つ良く勘違いされるのが自分のブログの匿名・実名論に対するスタンスだ。
 先に結論から書いておくと、もし今から初めてブログを始める人には、私は間違いなく匿名でブログを始めることを進める。
 まぁ、自分自身はFPNをはじめ、自分のブログやら、AllAboutやらで名前も写真も露出狂ばりに出しまくっているので、こう書いても説得力は薄いんだろうけど。
 自分が実名でブログを書いているのは、AllAboutでネット上に顔写真を出してしまってから吹っ切れたとか、それが自分の仕事の役にも立つと思っているとか、U30世代の無邪気な露出ぶりに理解できない焦りとか恐怖のようなものを感じたからとか、そういう小さい理由の積み重ねでしかない。
 正直、最初にブログを始めるときには、いかに徳力という名前にひもづかないニックネームのIDやタイトルをつけるべきかに苦心したし、実は今でもネット上に実名を晒しまくっていることに対する漠然として恐怖感のようなものがある。
 なにしろ苗字が珍しいだけに、一度出してしまったら後にはひけないし。
 何か悪いことをしてしまったり、ネット上で問題が発生してしまったら、一生その出来事と自分の名前がリンクして記憶されるかと思うと恐ろしいものがある。
 多分、他のブロガーに比べると、自分がブログに、やれどこに行ったとか、どこで食事したとか、誰とあったとか、カジュアルなことをほとんど書いてないのは、自分がビジネス系の話題にしかあまり興味が無いという性分が影響しているだけでなく、その辺のいまいちWeb1.0的(?)な本性のせいもあるんだと思う。
 今振り返ると、臆病者の自分がよくぞここまで実名で突っ走ってこれたもんだと、自分でしみじみ思ってしまうぐらいだ。
 ちょっと話がそれてしまったので、ブログの匿名実名論に話を戻すと。
 もちろん、実名でブログを書くことによるメリットというのはいろいろと存在すると思う。
 実際、自分がもやもやを振り切ってこの2年感実名でブログを書き続けてきた経験から言うと、実名でブログを書くことによるメリットというのは、非常に大きいと感じているのは事実だ。
 
 ただ、そのメリットは必ずしも実名でブログを書かなくても得られる可能性は十分ある。
 1年ぐらい前に「ブログは実名で書くべきか、匿名で書くべきか」という記事を書いたときに、ブログを書くことによるメリットをこんな風にまとめてみたことがある。
1・日々書くことで文章力が上達する(かもしれない)
2・書くことによって自分の思考を整理できる(かもしれない)
3・他のブロガーとディスカッションできる(かもしれない)
4・広告とかで若干のお金儲けができる(かもしれない)
5・他のブロガーと実際に会うことができる(かもしれない)
6・メディアでの執筆や本の出版のチャンスがもらえる(かもしれない)
7・本業に役立てることができる(かもしれない)
 その記事を書いたときにも同じ事を書いたが、これらのメリットは、実は匿名でブログを書いていても同じように得ることができるのが、ブログの面白いところだ。
 いわゆる2ちゃんねるの掲示板のようなところに匿名でコメントするという場合の「特定不可能な誰か」とは異なり、匿名でブログを書くという行為は少なくともそのブログを書いている人はある程度特定されうる。
(こういったペンネーム的な位置づけにある匿名は、正確には顕名と呼ぶらしい)
 だから、ブログにコンタクト用のメールアドレスでも書いておけば、少なくともブログに興味を持った人はコンタクトすることができる(匿名よりも実名ブログの方がコンタクトしやすいのは事実だが)し、実際にR30さんやcatfrogさんなど、匿名でブログを書いているのにイベントや講演に参加しているような人は多く存在する。
 まぁ、そもそも今の日本の大企業の中にいて、職業が特定されうる実名を晒してブログを書くという行為はリスクこそあれ、メリットはそれほど無い。
 もちろん、私のような小規模なベンチャー会社に勤めている人間は、会社の理解も得やすいし、仕事への好影響も出やすいわけなので、ブログを実名で書くのもメリットの方に目が行きやすい。
 でも、大企業の場合は、実名で書くデメリットの大きさを考えると、実名と匿名のメリットの差なんて誤差の範囲のはずだ。(自分がもしNTTをやめていなかったら、少なくとも実名ブログなんてありえなかったのは火を見るより明らかだし、ブログ自体を書いていない可能性も高いし。)
 
 まぁ、こんなもったいぶった書き方をしなくても、匿名ブログから始めるべきというのは、もう一つ一番分かりやすい理由がある。
 
 それは、匿名で書いていたブログをあるタイミングで実名ブログに変更するのは簡単だが、実名ブログで始めてしまうと、それを匿名ブログに変更するのは結構難しいということ。
 名前を晒してから、何か問題が起こって慌てて消したとしても、その問題の過程ですべての人が忘れてくれる保証はないし、なにしろGoogleなりネットのアーカイブサービスなりにデータがキャッシュされてしまったり、他のブログに引用されて消しようがなくなる可能性は十分ある。
 
 仮に実名ブログをやるつもりでブログを始めるにしても、ある程度は匿名ブログで初めて様子を見ながら、自信がついたら実名ブログにすれば良い。
 武士道よろしく「やあやあ我こそは!」と名乗らないと気がすまないから、実名ブログで始めたいという人もいるかもしれないが、まずは無名の足軽から始めてみるのが無難なのでは?と思う次第です。

“今からブログを始める人には当然匿名ブログを薦めます” への11件のフィードバック

  1. ♪無名人

    これインスパイヤされますたので。
    異邦人
    久保田早紀
    iTMSで調べたら、徳力、じゃなかった徳永や明菜までカバーしてますね。肝心の久…

  2. [雑]実名のリスク

    昨日は、実名には意味が無いということを書いたが、俺が匿名でいるもっと大きな理由は自分の回りまでは守れないということ。 「卑怯者」とか「自意識過剰なん…

  3. ボクもブログ匿名派です。
    実名で自由な意見を書くことに抵抗があることと、家族に迷惑をかけたくないことが理由です。

  4. はじめまして。
    この問題については多方面で色々と意見が交わされていますので、一点だけ。
    日本でのブログが未だに市民ジャーナリズムとしての力を発揮できずにいるのは、多くのブロガーが匿名であることに起因すると思っています。
    それが日本の文化と言えばそれまでなのですが、個人的にはブログがもっと世論に影響を与えられる存在になれば、この国も少しはよくなる気がします。その為には、もっと実名ブロガーが増える必要があると考えています。

  5. コメント有難うございます。
    個人的にも実名ブログは増えて欲しいんですけどね・・・
    やっぱり、まずはとにかく匿名ブログを始めてもらって、徐々に実名の人も増えていけば良いかなーと思ってます。

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