ウェブ進化論については、出版記念イベントに参加させてもらったりしたのもあり、全体への感想はブログに書いたりしているのですが、読書メモ自体をまとめていないのに気がつきました。
すでにそこら中で書評は書かれていますし、驚きの部数になっているようなので、こういったネットに関する本がこれだけ多くの人に読まれるのに改めて驚いている日々です。
読書メモをまとめるために改めて本を読み直してみたので、ついでに改めて感想をメモしておくと。
私たちは本というものを買うときに何かしらそこに答えとか、指針のようなものを期待しがちですが、このウェブ進化論で梅田さんが問いかけているのは、こういう流れに対して「あなたはどうするつもりなのか?」ということなのかもしれないなーと改めて思います。
その辺、今週のRTC勉強会でもどういった議論になるのか、楽しみです。
【読書メモ】
■ネット世界の三大法則
第一法則:神の視点からの世界理解
第二法則:ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
第三法則:(≒無限大)×(ゼロ)=Something/あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積
■5つの大革命と共通するパターン(ブライアン・アーサー)
・英国で起きた産業革命、水力による工場システム(1780~1830)
・英国で起こった鉄道革命、蒸気動力の時代(1830~1880)
・ドイツに移り、電動機と鉄鋼のような重工業分野で起こった革命
・米国が先駆者となった製造業革命、石油の時代(1913~1970)
・米国で緒についた情報革命(1960~)
タービュランス→メディア・アテンション→過剰投資→バブル崩壊→大規模な構築ステージへ
・情報そのものに関する革命的変化
■情報共有こそがスピードとパワーの源泉
・従来
組織内の情報は隠蔽されているのが基本
重要な情報を握ってコントロールすることが組織を生き抜く原則となる
・今後?
すべての情報が共有されると、ものすごいスピードで物事が進み、それが大きなパワーを生む。
情報共有を前提とした組織原理によって、従来型組織の時間についての常識を破壊するスピード感がでる。
「情報自身が淘汰を起こすんだよ」
■Web2.0とは何か
「ネット上の不特定多数の人々を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」
■ロングテール追求の意味(エリック・シュミット)
「膨大な数の、それぞれにはとても小さいマーケットが急成長しており、その市場がグーグルのターゲットだ。グーグルは、厖大な数のスモールビジネスと個人がカネを稼げるインフラを用意して、そのロングテール市場を追求する」
■ブログが社会現象として注目されるようになった二つの理由
・量が質に転化した
・玉石混合問題を解決する糸口がもたらされつつある
■米国と日本のブログ空間の違い
・米国:二極化された上側が肉声で語りだすことでブログ空間が引っ張られる
・日本:オープン・カルチャーが根付き始めている若い世代と、教養のある中間層の参入が、総体としてブログ空間を豊に潤していくのではないか
■不特定多数無限大
「エリート対大衆」という二層構造ではなく、三層からなる構造で、この総表現社会を見つめてみる必要がある。
■ブログと総表現社会の今後を考える方程式
総表現社会=チープ革命×検索エンジン×自動秩序形成システム
メディアの本質は受動性にある。自動秩序形成システムに受動性という面でのブレークスルーが無ければ、総表現社会の可能性はそこにとどまるのである。
■ブログこそが究極の「知的生産の道具」
・時系列にカジュアルに記載でき容量に事実上限界がない
・カテゴリー分類とキーワード検索ができる
・手ぶらで動いていてもインターネットへのアクセスさえあれば情報にたどりつける
・他者とその内容をシェアすることが容易である
・他者との間で知的生産の創発的発展が期待できる
■ウェブの進化と世代交代
・コンピュータの私有に感動したPC世代
・パソコンの向こうの無限の世界に感動したネット世代
・ネットのこちら側と、ネットのあちら側
・不特定多数無限大への信頼があるかないか
【目次】
序章 ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる
第1章 「革命」であることの真の意味
第2章 グーグル―知の世界を再編成する
第3章 ロングテールとWeb2.0
第4章 ブログと総表現社会
第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
第6章 ウェブ進化は世代交代によって
終章 脱エスタブリッシュメントへの旅
Web進化論
「在庫がなくてすいません」と著者が叫んでいる頃に、普通に本屋で買って読んでたんですが。…
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