最近、話題になっている「見える化」の本です。
会社のブログで、見える化のまとめ記事を書いたのですが、こちらにも読書メモを書いておきます。
書かれていることは非常に基本的な話ではあるのですが、改めて具体的に自分の身の回りに落として考えると、実はこういう視点で自分が仕事をできていないというのを痛感させられる本です。
個人的に非常に印象に残ったのは、IT偏重による落とし穴。
自分自身、システムやソフトウェアで企業やビジネスマンの生産性向上をするというのが目的なわけですが、どうしてもソフトウェア会社なだけに手段をPC等のIT手段に頼ってしまいがちです。
本質的には問題の改善ができれば良く、何もかもIT化する必要は無いわけで、そういう意味では、はてなのようにデジタルの先端にいるようで意外に仕事をアナログに処理している会社っていうのは正しいなぁと思ったりします。
【関連記事】
・見える化とは (1) 現場力を向上する
・見える化とは (2) 「見る」ではなく「見える」
・見える化とは (3) 「見える化」の5つのカテゴリー
・見える化とは (4) 「見える化」すべき3つの情報
・見える化とは (5) 「見える化」の10のポイント
【読書メモ】
■経営の三要素
ビジョン:Why「なぜうちの会社は存在するのか」
競争戦略:What「うちの会社はどんな価値を生み出すのか」
オペレーション:How「競争戦略をどう実行するのか」
→近年、企業間で大きな格差がでているのが「オペレーション」すなわち「現場力」
■三つの条件が揃った「現場力」
・問題解決に対する「当事者意識」
・全員理解・参加の「組織能力」
・高い志による「優位性構築」
■トヨタにおける「アンドン」にみる「見える化」の本質的意味
1.問題の開示・告知
2.この責任による問題発見
3.チームによる問題解決
■一般的な情報共有は相手が「見よう」という意志を持っていることが前提になってい
→見える化は、相手の意志にかかわらず、さまざまな事実や問題が「目に飛び込んでくる」状態を作り出すこと
「問題解決のための情報共有が見える化である」
■見えていると勘違いしている企業の4つの共通点
1.「悪い情報」が見えていない
2.「組織」として見えていない
3.タイムリーに見えていない
4.伝聞情報しか見えていない
■計画達成のPDCA+問題解決のPDCA
-計画達成のPDCA
計画(Plan)→実行(Do)→チェック(Check)→対策(Action)
-問題解決のPDCA
発見(Problem-finding)→見える化(Display)→除去(Clear)→確認(Acknowledge)
■「見える化」の四つの落とし穴
1.IT偏重
2.数値偏重
3.生産偏重
4.仕組み偏重
■「見える化」の5つのカテゴリー
1.問題の見える化
異常の見える化
ギャップの見える化
シグナルの見える化
真因の見える化
効果の見える化
2.状況の見える化
基準の見える化
ステータスの見える化
3.顧客の見える化
顧客の声の見える化
顧客にとっての見える化
4.知恵の見える化
ヒントの見える化
経験の見える化
5.経営の見える化
■見える化すべき3つの情報
1.信号情報 異常や問題が発生したという事実を伝え共有
情報の量は少なく、アナログ中心の道具立てが向いている
2.支援情報 特定された問題解決を支援するための情報
情報の量は中ぐらいで、デジタル・アナログどちらでも良い場合が多い
3.基礎情報 網羅的・多面的な情報やデータ
情報の量は多く、デジタル中心の道具立てが向いている
■効果的な「見える化」のための10のポイント
1 まず現状の棚卸しから始める
2 「見せたくないもの」「見せられないもの」ほど「見える化」する
3 「見える」もの、「見せる」ものを絞り込む
4 態度・タイミングを重視する
5 アナログとデジタルを使い分ける
6 わかりやすく、シンプルに
7 現場の当事者自身が「見える」ようにし、仕組みもつくる
8 本当の勝負は「見えたあと」
9 「見える化」のノウハウを共有する
10 経営トップが「見える化」を牽引する
■求心力と遠心力
・求心力でまわす経営
中央集権的に物事を判断して決定していく経営スタイル
・遠心力でまわす経営
現場に近いところで物事を判断・決定し、実行していく経営スタイル
【目次】
序章 「見えない現場」と「見える現場」
第1章 「見える化」とは何か
(現場力と「見える化」「見える」メカニズム)
第2章 「見える化」の体系と事例紹介
(「見える化」の体系「問題の見える化」の事例紹介「状況の見える化」の事例紹介 ほか)
第3章 「よい見える化」を実現するために
(「よい見える化」とは何か自律的問題解決型組織をめざして)
見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み 遠藤 功 by G-Tools |
見える化 強い企業をつくる「見える」仕組み
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