スカイプ、米国とカナダで「SkypeOut」の無料キャンペーンを実施 – CNET Japanを読んで。
先日、スカイプが米国でスカイプアウトを無料にするというニュースが話題になっていました。
日本の利用者からすると、アメリカ限定じゃなくて日本でも無料にしてほしいと思うところだと思いますが、どうやらアメリカ限定というのが味噌のようです。
あきらかにこの無料サービスのきっかけとなっているニュースがこれ。
AOL『AIM』ユーザーに無料の電話番号を提供する新サービス
日本ではほとんど話題になりませんでしたが、これは大きいニュースです。
AOLというとどうしても日本では認知度が低いのでネット界での影響力も軽視されがちな印象があるんですが、アメリカのメッセンジャーに占めるシェアはいまだにAOLメッセンジャーが4000万人でシェアトップ。
それに対してスカイプは600万人。
そんなAOLがスカイプインにあたる電話番号取得サービスAIM Phonelineを、利用者に無料で提供し始めたわけですからインパクトは大きいです。
しかもこの電話番号取得サービスは、ボイスメールも無料でセット。
つまり、スカイプが、スカイプアウトと並ぶメインの収益源にしているスカイプインとボイスメールという有料サービスを無料で提供してしまうわけです。
(以前、スカイプカンファレンスで講演させていただいたときには、Googleが無料でやるんじゃないかと予想してたんですが、残念ながら外れですね。まぁでもGoogleもAOLに10億ドル投資して、Google TalkとAIMの相互乗り入れもあるのではという話なので当たらずとも遠からずということで。)
スカイプインもボイスメールも無料というとすごい話に思えますが、実際にはスカイプインを一年契約しても支払いは5000円程度ですから、IMの利用者を一人獲得するのにかかる広告費を考えると、この規模の事業者にとっては実は安い経費なのかもしれません。
まぁ、こうなってくるとまさに体力勝負ですね。
スカイプもeBayがバックについていますから、当然黙っているわけも無く、今回の対抗策となったようです。
この戦いがどこまで飛び火するのかは良く分かりませんが、何しろAOLグループとeBayグループというトップクラスのネット企業の戦いですから、いよいよ電話サービスも、Hotmailやインスタントメッセンジャー同様、利用者獲得のための無料サービスという扱いになってくる可能性も十分ありそうな感じです。
そう考えると気になるのは、日本でこの手法を取ってくるのは一体誰かということでしょうか。
順当に考えるとソフトバンクグループのYahooメッセンジャーというところですが、どうなることか・・・