すごい会議 (大橋 禅太郎)

すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる! すごい会議は、結構前に本屋で立ち読みして済ませてしまったのですが、なんとなく気になったので改めて買って読んでみました。
 正直、立ち読みのときには会議のテクニック本かと思って流し読みしてしまったので、全く本質に気づけてなかったのですが、腰を落ち着けて読むと実に良い本です。
(自分の立ち読み能力の無さに、改めてがっくりですが)
 すごい会議で書かれているのは、会議術ではなくマネジメントの話と思った方が良いでしょう。
 コーチングを通じて、経営チームをマネジメントに集中させるための手法とでも言えば良いでしょうか。
 
 私達はつい会社名と肩書さえ付ければ、会社はその分担でうまく回ると錯覚しがちですが、実はアクションレベルで役割の分担ややるべきことを認識しておかないと、後で言った言わないになりがちです。
 すごい会議の手法に乗っ取って実践すれば、経営チームがどうやって目標への意識を揃えて、実際に実現に向けて進むことができるか、薄い本ですが非常に濃くわかりやすく書かれています。
 とはいえ、これを一回読んだら、本の通りに上手くいくかといえばそれは別問題なんですが。
 ビジネスに携わる人、特に新規事業やベンチャーの経営に携わる人には非常にお勧めの本だと思います。


【読書メモ】
■紙に書いてから発表するメリット
 ・まとまる
 ・発表に時間がかからない
 ・書いている間は他人の意見がいえない
■二種類の説明のしかた
 A:洞察の提示 → 実体験
 B:実体験 → 質問 → 洞察の提示
 Bのほうが手間はかかるが納得度は高い
■すごい会議で経営チームが手に入れたもの
・経営の中心となるメンバーが緊張感を持ってそろった
・人の意見を気にすることなく、それを発表するしくみを手に入れた
・参加させられているという感じから、「なにかやってやろう」という気分
・前向きな雰囲気にする
・達成しようとしていることの本当の障害が前向きな形で明らかになる
・なんかやってやろうという気分になっている
・共有共感の持てる短期的で明確な目標
・目標の達成の担当分野の明確化
・目標達成のための計画
・計画の進行管理方法
・目標の達成の障害となることにシステマティックにアプローチし、討議し、解決する方法
■すごい会議で起こったこと
・会議での話し方、聞き方が変わっていた。
・問題の解決のしかたが変わっていた。
・意思決定の方法が明確になっていた。
・短期間で明確で共有共感のできる目標があった。
・各自がなにをするのかがはっきりわかっていた。
・命令権を持たない部署への無茶なリクエストができるようになっていた。
・約束が尊重されるようになっていた。
・会議という場所でスタートしたのだが、会社全体が短期間に進化するという体験をした。
■コミットメント・リスト
・件名(コミットメント)
・担当者名
・期日
・依存(依存するコミットメント番号)、
・状況(遅れた場合何日遅れているか書く)
・メジャーメント(望まれる成果)
■集団解決の型
・ステップ1:問題点または懸念→パワフルな質問で表現する
 問題を「どのようにすれば○○できるだろうか?」のかたちにする
・ステップ2:現時点での状況→(データ/事実/何が起こったか?/何を感じ取れるか?)
 問題の周りでどんな現状があるかを10分程度で15個ほど挙げる
 (「私の主張では・・・」で言う)
・ステップ3:提案、代替案、創造的な解決策、検討の可能性
 「私の提案は・・・」で始まる提案をシェアする。
・ステップ4:アクション→成功の定義が決まっているコミットメント
 いつまで?質?量?誰がどのようにして知るか?
 リーダーが「XさんYまでにZといったアクションをおこしてください」とリクエストをする
■集団解決の型を使う方法
A.優先順位をもとに、ミーティングの時間内で許す限り、次のステップをする
 1)問題を「どのようにすれば○○できるだろうか」のかたちに書き換える
 2)現状を書いて、発表する
 3)代替案を各自紙に書いて発表する
 4)どれを実行するかしないか決めて、担当者と期日と望まれる成果(メジャーメント)を明確にし、コミットメント・リストに記入する
B.ミーティングの終了時間10分前になったら、残った問題を、誰がいつまでに解決するか(またはとりあえず放っておくか)を合意する
【すごい会議の手順】
■手順1:自分自身のうまくいっていることを紙に3つ以上書く
■手順2:会議の参加者に「うまくいっていること」を3つ以上書いてもらい、それを発表してから会議を始める
~「イケル」感じのムードを作る~
■手順3:「X年Y月Z日までに○○(測定可能なこと)を達成することによって○○(精神的意味合い)となる」という文章を5秒で書く
~まずは自分の経営の意思をつくる~
■手順4:この会議で得たい成果を紙に書いて発表してもらう
~会議に出るのは呼ばれたから?~
■手順5:望む成果を得るために、マネージすべきことをリストアップし、誰を呼べば一番うまくいくかのリストをつくり、参加者への期待を明確にして招待する
~ドリームチームをつくる~
■手順6:達成の障害となっている問題や懸念を書き出し、それらを「どのようにすれば○○」のかたちに書き換える
~「どのようにすれば」のかたちに置き換えてみよう~
■手順7:「言えない問題はなにか」を書いてから、「どのようにすれば○○」のかたちに書き換える
~タブーを破れ~
■手順8:「あなた自身のひどい真実はなにか」の答えを書いて発表してもらう
~実はキャラクター~
■手順9:「戦略的フォーカス」を参加メンバー全員で創り、合意し、約束する
~いまのやり方でできる目標は、目標と呼ばない~
■手順10:戦略的フォーカスにニックネームを付ける。それを達成するのに、必要不可欠な担当分野を6程度決める。グループで行う場合は、全員が別々にこれを書き込み、その後に、全員で一つの図にまとめる
 どんな担当分野が必要かを全員が考えることで、単なる現行の担当分野以外で、どんなことが必要かが見えてくる。
 それができたら、戦略的フォーカスを達成するのに、一番効果的な担当者を決める
~期待を合意する~
■手順11:コミットメント・リストに各担当者のコミットメントを記入する。コミットメントの進捗を最低1週間に一度チェックするしくみを合意しておく
~コミットメント・リストをつくる~
■手順12:「いまから1ヶ月以内に、自分の起こす一番大きな、インパクトはなにか?」を各自が書いて発表する
~人はチャレンジされたがっている
【目次】
第1章 展望と挫折、そして困惑
第2章 現状が求める能力が、自分の能力を超えるとき
第3章 Let’s Begin!
第4章 組織を「自己啓発」する
第5章 会議が変われば会社が動き出す
エピローグ 僕たちに起こったこと

すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる! すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!
大橋 禅太郎


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