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もはやマス広告は負け組のための手段になりつつあるのかもしれない

RTC Vol.17『口コミマーケティング』後録 | 近江商人 JINBLOGを読んで。

 先日、RTCの口コミカンファレンスに参加しました。
 何といっても今回のメインは赤城乳業さんの「ガリガリ君」の口コミマーケティング事例。

 携帯を使った部活動からマンガ本のタイアップまで、そのバリエーションの豊富さは圧巻です。
 まぁ、その詳細は上原さんがまとめている記事がありますので、そちらを参考にしていただくとして。

 個人的に非常に印象に残ったのが、これらの企画を実施するにおいていわゆる有料の「広告宣伝」にはお金をほとんどかけていないと言い切っておられたこと。
 とにかく「話題」を提供してクチコミを巻き起こす。 
 そこにいかにお金をかけないか知恵を絞っているそうです。

 通常、マーケティングというと、一般的には広告宣伝費の予算をテレビや新聞、雑誌にうまく配分することだと勘違いされがちな気がします。
 正直、私も営業をやっていた新入社員当時はそう思っていました。
 
 でも、ガリガリ君においては、主流となっているのはそういった広告宣伝ではありません。
 そこにあるのはとにかく「ガリガリ君」と言うキャラクターを生かした話題づくり、クチコミを巻き起こす仕掛け作り。
 その結果、コミックの表紙や、芸能人による無償のPRから、女子高生の間での積極的なクチコミまで、お金では買えない貴重なクチコミネットワークを構築しているわけです。


 ちなみに、マーケティング担当者萩原さんの発言で印象に残ったのが
 「最近はテレビ広告が効かなくなってきている」
 という発言でした。


 テレビCM崩壊という本もありましたが、米国の企業ではよく聞かれるこの発言も日本の企業のマーケティング担当者の方から聞くと、あらためてインパクトがあります。

 もちろん、今でもテレビ広告などの有料広告は話題づくりの一つの手段としては有効でしょう。
 ただ、コスト対効果が悪くなっているのはどうやら事実のようです。

 本当にブランドのある企業、人気のある製品においては、クチコミで新規顧客を開拓できるのであれば、マス広告にはお金をかけず、新規製品の開発や製品の品質向上や販売価格を下げる方にコストをかけ、新たなクチコミの種を育てる方が理にかなっているのかもしれません。


 実際、既にネットにおいては、FirefoxやSkype、YouTubeのようにプロモーションコストをほとんどかけずに世界を席巻する事例が次々に登場しています。
 日本においてもmixiが代表事例でしょうか。

 そういう意味では、本当に価値のあるサービスであれば、広告にお金をかけずにクチコミで広がる世界があるというのは理解しているつもりですが、ガリガリ君のようなネット外で流通する商品でも同様にクチコミメインで売り上げを上げている事例があるというのは非常にインパクトがありました。
 テレビ広告のコスト対効果がもし下がってきているのであれば、今後は同様のアプローチに挑戦する企業も増えてくるのでしょうか。
(まぁ、ガリガリ君ほどキャラのたったクチコミマーケティングはどこにも真似できない気もしますが)


 ちなみに、もう一つ印象に残っているのは自分が質問した「ネットが選択肢に増えてやることは変わったか」という質問に、萩原さんが「携帯の部活動のようにやれることは増えたけれども、やるべきことの基本は変わってない」とはっきり答えておられた点。

 良い製品はクチコミで広がるという本質自体はネット以前だろうがネット以後だろうがそんなに変わっていないということのように思います。

 そういう意味では、結局、マス広告という一方的な宣伝手段が企業に許されたこの数十年が特殊だっただけで。
 あらためてインターネットは、良い製品が当たり前に話題になって、当たり前に売れるという、ごく当然の世界に私たちを連れ戻そうとしているだけのような気もしてきます。



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