サーチアーキテクチャ (吉川日出行)

サーチアーキテクチャ 「さがす」の情報科学 サーチアーキテクチャは、ITmediaオルタナティブブログでもブログを書かれている吉川 日出行さんが書かれた、検索をテーマにした本です。
 イベントの時に(確か日経BPのセミナー?)献本いただいたので、いまさらながら読書メモを書いてみました。
 検索サービスというと、すぐにGoogleやYahooを想像してしまうのが、現在のネット系の人のパターンだと思いますが、この本を読むと実は検索という行為にはいろんなパターンがあることに気づかされます。
 実際には、それらの行為に応じて最適な情報の提供手段があるわけですから、このあたりにいろいろとビジネスのネタになる要素もありそうな気がします。
 
 ちなみに、個人的に気になっているのは、能動的に検索をしないでも、こちらの行為に応じて検索すべき情報を表示してくれるような、検索を先回りしてくれる仕組み。
 ブログの記事を書いているときに関連記事を表示しているサービスとか最近出てきたりしていましたが、そのあたりの仕組みがいろいろ出てくると、また違った世界が見えてきそうな気がします。
 今の検索の先を考えるために、まずは「検索」を俯瞰して考えてみたい人にお薦めの本です。


【読書メモ】
■情報は増える一方(IDC 2007年3月発表)
2003年 5EB
2006年 161EB
2007年 255EB
2010年 988EB
(1EB=1024PB=1048576TB=1073741824GB)
■さがす、という行為
・インフォメーションワーカーは一日のうち2.5時間、1日の約30%を情報検索のために費やしている(IDC 2003年調査)
・サーチタスクに使われる時間の一週間の平均は9.5時間
 そのうちの3.5時間は「さがしたけれども見つからなかった」無駄な時間(IDC2005年調査)
■検索シーンの分類
・既知情報検索/再入手:わき目もふらず、一直線に探す
(検索エンジン、FAQ、索引、パーソナライズ、ソーシャルブックマーク)
・探求検索:試行錯誤しながら探す
(検索エンジン、Q&Aコミュニティ、リファレンス)
・巡回/捜索:何かに沿って順に見て回る
(メニュー、クラスタリング、まとめリスト)
・散策:ブラブラとながめながら探す
(リコメンデーション、良い検索開始点)
■意外と見られていない検索キーワード連動広告
・見る31.8%
・見ない60.7%
・知らない7.5%
(Webマーケティングガイド2006年調査)
■検索結果からクリックするサイトを選ぶときの判断基準として、検索結果の表示内容を重視するというユーザーが5割を超えている。
・クリックする際は「タイトル」「説明文」「URL」
・クリックしない際は「説明文」「タイトル」「URL」
■複数のURLが表示された場合、ユーザーはより短い表示を好む

サーチアーキテクチャ 「さがす」の情報科学
サーチアーキテクチャ 「さがす」の情報科学 みずほ情報総研株式会社 吉川 日出行

おすすめ平均
stars「さがす」に使われている技術を一般読者に向けて解説したユニークな本

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