瞬間説得 (ケヴィン・ダットン)

瞬間説得―その気にさせる究極の方法 「瞬間説得」は、説得のメカニズムについて考察している書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、いわゆる説得というものは論理的なものではなく、瞬間的な印象によって影響されている点が多いのではないかという考察をされていますので、普段ついつい相手を説得するために長々と話してしまう人には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■赤ちゃんに備わった社会的影響力を持つ鍵刺激
・すぐれた音響効果の泣き声を出す能力
・悪魔的な愛らしさ
・視線を合わせたときに催眠術をかける能力
■説得が上手くいくかどうかを予測する一番のポイントは、視線を合わせること
■情報を与える順序次第で、人の考え方は変化する


■説得の公式の要素
・あなたが話す基本的な原材料
・その原材料をあなたが伝える態度・方法
・他者との関係という文脈のなかで、相手がどのようにあなたを、あるいは、あなたの言うことを評価するか、に関する社会心理的要素。つまり、仲間意識という要因。
■影響力が発揮できた五つの柱
・単純性   どのように言うか
・私的利益感 相手の利益に訴える
・意外性   脳をだます
・自信    やみくもな自信
・共感    火のないところに立つ煙
■瞬間説得の例の共通点
 そのすべてが強い肯定感情を発散していることです。
 これが好結果を引き出します。
■共感には熱いと冷たいという二つのタイプがあります
・熱い共感は感情を伴います。
・冷たい共感は計算を伴います
■認知的不協和
 人が矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感のこと。
 人がこれを解消するため態度や行動を変更する
■セラピスト(心理療法士)はプロの説得者なんだ。
 セラピーは人の頭のなかで、思考的枠組みの変化を起こすこと
 問題の解決策ではなく、問題に関して別の考え方を発見する

瞬間説得―その気にさせる究極の方法
ケヴィン・ダットン
NHK出版
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