震災後の今だからこそ、日本人が新しいチャレンジをするかどうかが問われているという話。

 先週、日経BPさんから出版された「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」の著者であるカーマイン・ガロさんの来日記念イベントが開催されました。
 私も夜の部の司会として参加させて頂いたのですが、非常に印象に残ったことがあるので、ブログにメモしておきたいと思います。
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 ガロさんのプレゼンやお話しについては、さすがスティーブ・ジョブズのプレゼンの著者の方らしく非常に引き込まれる内容だったのですが、個人的にとても印象に残ったのは最後に外村さんからも提示された「震災後の今だからこそ、日本はイノベーションを起こせるチャンスがある」というメッセージ。
 何でも、これまで外村さんがさんざんSVJENなどの活動を通じて、日本のエンジニアをシリコンバレーに触れさせようとしてきたのが全く反応が薄かったのに、今回の震災後、急にシリコンバレーに来る日本人エンジニアが増え、それを受け入れるイベントも大きく盛り上がっているんだそうです。
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 確かに自分も含め、あの大震災は、多くの人に「死」というものを意識する出来事だったのは間違いありません。
 そのことにより、自分の人生を振り返り、自分の仕事や生き方に意味があるのかを意識的か無意識かは別として、多くの人が考えることになったはずです。
 実際、広告業界でも各企業のキーマンだった方々が相次いで独立や転職をするというニュースも立て続いており、何らかの変化のきっかけになっていると感じます。
 震災後に転職を決めた友人は、「震災がなかったら転職はしなかったかもしれない」と言っていましたし、私自身も震災によって、会社の方向性をもう一度見直し、そもそもAMNがやろうとしていたことを見つめ直すきっかけになったと強く感じます。
 もちろん、今回の東日本大震災でなくなった大勢の方々のことを考えると、今回の震災が良いきっかけになる可能性があるなどと、私たちが軽々しく言うことはできません。
 ただ、これだけの大きな犠牲を払ったからこそ、私たちは今回の震災を、日本や自分の人生を良い方向に変えるきっかけにする義務があるのではないかと改めて感じます。
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 昨今の日本においては、イノベーションは起こしづらい雰囲気がずっとあったように感じます。
 日本は人口構造も少子化で若者が少なく、新しい変化を起こしにくい構造にありますし、その数少ない若者もチャレンジを奨励される文化ではなく、実はより保守的になってきているように感じます。
 変化を先導するきっかけになるはずのインターネットやソーシャルメディアも長らくメインストリームにはなってきませんでした。
 ただ、だからといって日本がイノベーションを起こせないわけではありません。
 日本ならではのイノベーションの起こし方もあるはずで、自分自身も実は日本の構造や文化を言い訳に本当の意味でのチャレンジをしてこなかったように今となっては振り返れてしまいます。
 所詮自分ができること、日本に与えられる影響なんて小さいことかもしれませんが、それでも今回の大震災を経験した私たち日本人だからこそ、自分ができる小さな新しいチャレンジをしなければいけないんだろうなと、そんなことを改めて感じるガロさんと外村さんのディスカッションでした。
 当日の参加者の皆さんのレポートは下記のページにまとまっていますので、こちらも是非どうぞ。
『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』刊行記念 著者来日イベント Fans:Fans