「自分探しが止まらない」は犬にかぶらせろ!というブログでも有名な速水 健朗さんの本です。
光栄にも献本いただいたので、遅ればせながら読書メモを書いておきます。
この本を読んで思ったのですが、私自身、典型的な自分探しにはまるタイプの人間だと思います。
就職活動の頃から自分が何をしたいのかイメージが湧かず留学でもしようかなーと適当に考えていたタイプでしたし。
運良くNTTにいれてもらったものの、日々やっている仕事とは他の何かができるのではないかと思って、Niftyの起業フォーラムとかに出没してみたり、ビジネススクールのグロービスに行ってみたり、転職をしてみたり。
今こうやってブログを書いているのも、自分探しの一環なのかもしれないなーと思ったりします。
そういう視点でこの本を読んでいると、なんだか当てはまる点が恐ろしく多く、読んでいる間に、いろんなことを考えてしまった一冊でした。
速水さんがあとがきに書いていたように、おそらく自分探しをすること自体は必ずしも悪いことではないのでしょうが、それに対する社会の仕組みに「自分探しホイホイ」的なものがあると理解しているかどうか、というのは大きな違いになりそうです。
私と同世代の皆さんには、是非読んでおくことをお勧めしたいと思います。
【読書メモ】
■「ねるとん紅鯨団」と「あいのり」
ものの時代からこころの時代へ
・ねるとん紅鯨団を代表する言葉が”三高”
・あいのりで重要なポイントは「ありのままの自分」を受け入れてくれるかどうか
■自己啓発本のルーツ「流学日記」
・悩み、葛藤が起きる→勇気づけられる言葉をもらう→ポジティブに自分が変わる
■社会全体が若者に「やりたいこと」「自分らしさ」を求める構造になっている。
■自分探しホイホイ
自分探しに迷い出た若者が持っている”自分らしさを取り戻したい””良きことをして世界とつながりたい””自分の可能性にチャレンジしたい”といったような願望をうまくとらえ、囲い込もうとするもの
■感情労働
看護師や介護士など、従事する相手の機嫌を損ねないように、感情の移入を必要とする労働作業を意味する分野
■ニューパラダイマー
現在の世界が終わりを迎え、新しい世界が始まるという終末論者そのもの
■ニューエイジの思想「潜在能力」
もう一人の自分の探求
自分が変われば、世界が変わる
【目次】
第1章 世界に飛び出す日本の自分探し
第2章 フリーターの自分探し
第3章 自分探しが食い物にされる社会
第4章 なぜ自分探しは止まらないのか?
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