わたしたち消費 (鈴木謙介)
「わたしたち消費」は、グロコム等で有名な鈴木謙介さんが最近の消費者行動について電通消費者研究センター と一緒にまとめた本です。
献本をいただいていましたので、大変遅ればせながら読書メモを公開しておきます。
わたしたち消費というのは、わたしたち「の」消費とかわたしたち「は」消費とかではなく、”わたしたち消費”一語で読むのが正しいようです。
メガヒットが生まれづらい世の中になっていると言われているのに、気がつかないところで意外なほど大きなブームが起きるのは何故なのか。
社会学者である鈴木さんならではの視点から、現在の消費をめぐる環境及びその世界にリーチするためのマーケティング的な方法について分析がされている本です。
個人的に共感したのは「「お客様は神様です」から「お客様は私たちの仲間です」という姿勢への切り替え」が必要であるというくだり。
最近のネットマーケティングの成功事例なんかを見ていても、この辺の空気は少しずつ見えてきているような気もします。
変にお客さんに対してへりくだるのではなく、お客さんと一緒に楽しんでしまうというイメージでしょうか。
比較的薄めの本なので、さらっと読めるかと思っていたのですが、結構内容に難しい点もあり読み応えのある本になっています。
特にマーケティングに携わる人は、読んでみると新しい発見がある本だと思います。
【読書メモ】
■やけくそ消費
バブル期よりもむしろバブル崩壊後に「やけくそ消費」というかたちで人々は消費を続けた、その結果が九〇年代の様々なメガヒットを生んだ部分はあったと思います。
■ネタ的コミュニケーション
ある対象をめぐって、それを「ネタ」にしたコミュニケーションが連鎖していき、コミュニケーションそのものが目的になる状態
■<わたしたち>の盛り上がりのサイクル
生成期→カーニヴァル→倦怠期→模索期→生成期
(「模索期」こそが狙い目)
■わたしたち消費マネジメントの五つのポイント
・キーパーソンをコミュニケーションの中心に
・プラットフォームを育てる
・企業が「協力者」として振る舞う
・文脈を流行の拡大に応じて書き換える
・消費者を「お客」として使い捨てにしない
■「お客様は神様です」から「お客様は私たちの仲間です」という姿勢への切り替え
■わたしたち拡大層
受動性と能動性をあわせもって、「影響を受けたり与えたりする新しい共振構造」をもつ人々
・感覚的・感情的・情緒的に動く
・共振しながら意味変換・意味想像を行う
・<わたしたち目線>と<世の中目線>の両方をあわせもっている
・ネットだけでなく、リアルな場でも活発に共振コミュニケーションを行っている
■<わたしたち拡大層>の心を共振させる要因
・文脈置換で空気をつくる
・商品を購入したくなるモチベーションとしての環境づくり
・情報の「半径10メートル化」で自分に関係づける
・情動コミュニケーションで、伝達力をターボ化する
・感覚的なシンボル記号で、情報波及の核をつくる
・異質なものを共振させ、新しい共鳴をつくりだす
■文脈置換にはCMが効く
<わたしたち拡大層>は、CMから商品の存在を認知するだけでなく、商品のイメージや気分、使う場面など多彩な情報を受け取っており、情緒的・感覚的に心を動かされると、興味が喚起される。
■「おとりよせネット」で反響が多いユーザーレビュー
商品の中身、機能面に関する感想よりも、家族の反応ストーリー敏感な人が多く、注文が増える傾向にある。
| わたしたち消費―カーニヴァル化する社会の巨大ビジネス (幻冬舎新書 す 1-1) | |
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