今日は、非常に感動する体験をさせて頂いたので、そっちの話を書きたいのはやまやまなのですが。
ちょっと、以前書いたWOMマーケティング協議会に関して、いろいろと誤解があるようなので、そちらの話を書いておきたいと思います。
まず、最大の誤解だと思うのは、WOMマーケティング協議会の今のフェーズ。
私も面倒くさいのでWOMマーケティング協議会と略してしまっているのが悪いのですが、WOMマーケティング協議会という組織はまだ存在していません。
現在存在するのは、WOMマーケティング協議会設立準備会という言い訳のような長い名前の組織で、この組織は「日本にもWOMマーケティング協議会が必要だよね」という人たちに集まってもらうために立ち上げた、いわばあえて悪い言い方をすると宣伝バルーンみたいなものです。
現在発起賛同人に応募頂いた方は、時差はあるものの基本的には全員リストに追加させていただく方向で対応していますし、何らかの詳細な審査をしているわけでもありません。
(当然、正式に団体化する際に、会員登録や審査等の手続きが発生することになると想像しています)
そう言う意味では、現在のWOMマーケティング協議会のサイトの参加一覧は、純粋に「日本にもクチコミマーケティングを考える組織が必要だと思う」ということに賛同頂いた皆さんのリストになっています。
で、現在の世話人というのも、残念ながら発起賛同人の方々に選んで頂いた存在ではなく、たまたま「日本にもWOMマーケティング協議会が必要だよね」という議論をしていた際に、事務を手伝っても良いと手を挙げた人たちでしかありません。
つまり、現在のWOMマーケティング協議会設立準備会というのは、日本にどのようなWOMマーケティング協議会が必要なのか、実際にどういうことをやるべき組織なのかというのを議論するための組織であり、まだ実体は何もないのです。
幸か不幸か、設立準備会の段階からニュース等に多く取り上げて頂いたため、業界での認知度が想像以上に上がってしまい、実体と皆さんの期待が乖離してしまっているのが現状の最大の問題だと思っています。
そう言う意味では、「もっとちゃんと内容が決まってから発表しろよ」と思う方も多いかもしれませんが、私たちは今回あえて内容が決まっていない段階から公表して、問題意識を持っている人たちの賛同を一人でも多くする、という選択をしたというのをご理解頂ければ幸いです。
クチコミを活用したマーケティングというのは、今までの「広告代理店が取り扱う広告」とか、「PR代理店があつかうPR」とかそういう縦割りの論理が機能しないのが、最大の特徴であり、課題であると思っています。
そんな中、例えば広告代理店やPR代理店、もしくはネット事業者など、特定の事業者主導で協議会を設立した場合、結局これまでの既に存在する協議会と役割も重なってしまいますし、そもそもそれ以外の事業者が入る余地がなくなってしまい、結果的にWOMマーケティング協議会の存在意義が無くなるのではないか?というのが私たちの最大の懸念でした。
そもそも、現在のWOMマーケティング、特にネット上のクチコミマーケティングサービスの課題は、例えばペイパーポスト系サービスにしても、広告代理店やPR代理店から、ブログサービス事業者や専業の事業者まで、さまざまな企業が独自にサービスを開始している点にあり、これまでの特定の業界の枠組みで立ち上げた協議会で特定の業界の企業向けにガイドラインを作っても意味がないと考えられます。
また、そもそも最初に議論を始めたメンバーよりも、もっと問題意識を持っている方がたくさん日本にはいるわけで、その人たちがいない状態で枠組みやガイドラインを議論するのはもったいないという思いも強くあります。
そこで、協議会の枠組みがしっかり決まってしまう前に、設立準備会という形で公開することで、そういった方々にも広く参加して頂き、できるだけ様々な業界の方に参加頂けるような団体を作るために、これからその枠組みを考えて行こうというのが現在の設立準備会のステータスになります。
簡単にいうと、現在はWOMマーケティング協議会という箱に入れる、魂の部分をまず議論している状況で、その後に箱の形の議論をする予定という状況です。
いつぞや話題になった日本ブログ協会のように箱だけ先に作って、魂をいれないまま終わってしまうと言う徹だけは踏みたくないというのが正直なところなわけです。
(まぁ、あちらはお役所主導だったと認識していますので、アプローチも全く違うわけですが。)
WOMマーケティング協議会のサイト自体で、研究会の告知以外にたいした情報発信が行われず、私を含め世話人がばらばらとブログで意見を書いているのは、そもそも世話人は発起賛同人の皆さんに選んで頂いた存在ではまだ無いため、発起賛同人の皆さんを代表して意見を発表する立場にないというのもあります。
(当然、これらもちゃんと協議会さえ立ち上がれば、誰かが代表理事なり理事長なりになることで、解消されると考えています。)
また、そもそもWOMマーケティング協議会設立準備会では、会費を集めているわけではありませんから、まだ予算が1円もありません。(飲み会の会費は実費で集めてますが)
ので、当然世話人に給与が出ているわけでもなく、どこかの協議会のように大企業の偉い人が引退して天下りしてきても、まったく美味しくない協議会です。
現在のウェブサイトについても、CGMマーケティングさんに持ち出しで作って頂いたものですし、ロゴや概要の文章もビルコムさんに持ち出しで作って頂いたもの。
メールの対応もNTTレゾナントの藤代さんやオールアバウトの鈴木さんに、ボランタリーに実施頂いており、それ以外の世話人の方の多くも、基本的に会社の本業としては認められていないまま、イベント運営やメディア対応など、ボランタリーに手伝って頂いているのが現状です。(私が一番ブログでくだ巻いているだけで何もしていないという説もあります。)
研究会の会場や、世話人の打合せの会場も、もちまわりで各社にお借りしているジプシーのような状況です。
こう書くと言い訳ばかりになってしまって恥ずかしい限りなのですが、会合についても、月一回のWOMマーケティング研究会と、それ以外に不定期で月1程度のミーティングを持つのが、皆さんの本業の負担を考えると限界というのが正直な状況です。
(もちろん、今回の議論で、WOMマーケティング協議会の必要性については、再認識できましたので、皆さんが会費を払うからもっと早く協議会を立ち上げろという声が大きいようであれば、非常に強力な後押しになると思っています。)
普段の事務運営についても、今回の騒動についても、なかなか皆さんの期待にお答えできておらず、発起賛同人の方々にもご迷惑をおかけしている点については本当に申し訳なく思っております。
ただ、現状では、上記のような形でまずはあるべき形での協議会の形をきちんと議論してから、存在意義のある形でWOMマーケティング協議会を立ち上げる(もしくは全く必要が無いのであれば立ち上げないと判断する)ことが最重要であると思っていますので、亀の歩みのように見えるかもしれませんが、一歩一歩着実に進んでいるとご理解頂ければ幸いです。
昨今の騒動等の関係もあり、少なくともWOMマーケティング協議会的なものは必要らしいと言う思いは改めて固まりつつありますので、今はしんどいですが、真剣に取り組んでいくことはお約束します。
なお、「現在の運営では見てられないから、発起賛同人でも世話人でも手伝ってやる!」という太っ腹な方がおられましたら、是非お問い合わせフォームよりご連絡頂ければ幸いです。
また、上記のような現状ですので、個人的には皆さんの書かれたブログやメーリングリストの投稿はできるだけ目を通すようにはしていますが、1つ1つ返事を書く手間はかけられないのが現状ですので、ご意見や質問がある場合は、WOMマーケティング協議会のメーリングリストに登録して議論に参加していただければ幸いです。
なお、もう一つの誤解として書いておきたいのは、WOMマーケティング協議会のアプローチ方法について。
一部のブログ等で、現状のマーケティング手法がグレーの会社が発起賛同人にいるのは問題だから止めさせるべきだという主旨の書き込みを目にします。
当然、今後WOMマーケティング協議会の役割や位置づけが明確になり、明確なガイドラインを定義することができれば、協議会の会員登録において、そういった審査はきっと発生することになると思いますが、上述したように現在の設立準備会の段階では、そういったフィルタはかけるつもりはありません。
その理由としては、現在の設立準備会の段階では、まだどこが白か黒かの審査基準は決まっていませんので、グレーな会社の判断もできませんし、審査の能力も無いという物理的な理由もありますが。
そもそも個人的には、一般的にグレーと言われる会社にこそ議論に参加してもらい、議論の過程でグレーな部分を理解して解消していただければというのも本音です。
最初から明確な境界線を引いて純血主義で曖昧な会社を排除するか、上記のようにすべての会社を一度受け入れるかというのは、アプローチの違いだと思いますので、人によって考え方は違うと思いますが。
個人的には、現状の日本のマーケティング上の倫理の境界線のなさは、そういった業界を超えたコミュニケーションがなされていなかったため、個別に自社で倫理基準を作ってしまったことも要因として大きいと考えています。
そう言う意味では、まずは現在のサービス内容は問わず、一度できるだけ多くの方々で議論することが最も重要だと思っています。
まぁ、あえて誤解をおそれずに幕末論で例えると。
尊皇攘夷で、あらゆる曖昧な開国論者をバッタバッタと端から斬りつけていけば、まぁ格好もいいですし、気分もすっきりするのかもしれませんが、結局相手をかたくなにさせて議論が平行線になるだけだと思っています。
実際、以前書いたように、日本では多くの広告代理店や大企業が、知ってか知らずか私は絶対NGと思っている非開示ペイパーポストですら結構活用しているような状態な訳で、そんな中、一部の事業者だけがいきなり極端な理想論で戦っても効果がないとも思っています。
また、斬りつけようと思った相手が実は勝海舟だった、みたいな話も十分あり得ると思うので、やっぱりまずはできるだけ多くの人と議論することが大事かなと考えているわけです。
ということで、上記の手法や内容にも言いたいことがある方は山ほどおられると思いますが、まずは来週のWOMマーケティング研究会でペイパーポスト界隈の議論もすることになると思いますので、興味のある方は是非ご参加頂ければ幸いです。
発起賛同人登録されていない方も参加は可能になっております。
(会場の関係で抽選になってしまうかもしれませんが)
ちなみに、個人的には前回書いたように「ペイパーポスト=記事に応じて料金を支払うこと」とペイパーポストの定義はシンプルだと思いますし、クチコミと広告の境界線もお金のやり取りの有無という意味で明確だと思うのですが、そうじゃないと思うという方とこそ是非議論したいので、ご参加のほど、お待ちしております。
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