「クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業地図」は、タイトル通りグーグルを中心としてクラウドコンピューティングの未来について考察している本です。
NTTの次世代サービス共創フォーラムで小池さんのディスカッションを聞いて、興味を持ったので本を買ってみました。
読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
クラウドコンピューティングブームもあり、クラウド本はいろいろありますが、日本人による日本企業に対する示唆もありますので、クラウド化がすすむ産業において自社がどういう展開をすべきか悩んでいる方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■グーグルの賢いところは、ツールとインターフェースを重視するところにある
グーグルは、ホームページをツール(=アプリケーション)として利用した。ホームページを情報を表示するメディアとして考えているヤフーやアメリカ・オンラインとは違っていた。
■ときどきだが、最近のシリコンバレーではグーグルが嫌われ役扱いされるようになった。
■米国でいちばん便利な場所は「パソコンの前」
日本でいちばん便利なのは「手のひらの携帯」
■クラウドコンピューティング=中身がわからなくてよいコンピュータ
雲は「中身がわからないもの」の象徴として使われている
■グーグルは通信事業者になろうとはしていない。グーグルはインターネット時代のソフトウェア最大手を目指しているだけだ。
■クラウドビジネスの分類
・クラウドアプリケーション
・ピュアプレイヤー
・プラットフォームプレイヤー(Salesforce、Oracle、SAP)
・クラウドデータセンター
・ピュアプレイヤー(Amazon EC2、IBM、HP、AT&T)
・垂直統合プレイヤー(アプリとデータセンター両方)
(Google App Engine、Microsoft Azure)
■クラウドコンピューティング時代の変化
・クラウド時代になると社内からサーバーがなくなる
・従業員は必要なアプリケーションを自分で書くようになる
・ソフトウェアとコンテンツの区別がなくなる
・サービスにおいてパソコン・携帯電話・テレビの違いがなくなる
■通信業界がシリコンバレーを見るとき、汗水流して質の良いサービスを安く提供すればするほど、それを土台に「ネットベンチャーたちが次々と億万長者になる」ことに、電話会社に働く人々は割り切れない感情を持っている
■「プロフェッショナルオープンソース」
例:ソフトウェアを無料で配布する一方、サブスクリプションと呼ばれるサポートサービスの収入で収益を得る
■クラウドビジネスの普及期を切り開く三条件
・クラウドアプリケーションサービス(ネットアプリケーションの進化)
・クラウドインフラサービス(データセンター技術の成熟)
・クラウドネットワーク(ネットワークパフォーマンスの改善)
■クラウド成熟期を担う三条件
・モバイルネットワークサービス(モバイルネットワークの整備)
・クラウドコンテンツサービス(コンテンツとアプリケーションの融合)
・オールIPネットワーク(マルチデバイスネットワークの整備)
■端末戦略の変化
・トリプルイー戦略(Each Application Each Network Each Device)
↓
・トリプルオー戦略(One Application One Network Open Device)
■日本の専用デバイスメーカーはクラウドビジネスで面白い展開ができる
・専用デバイス固有の商品競争力
・マルチデバイスネットワークに対応した機能の分化
・オープンなビジネスモデル
・ユーザーにストレスを与えないサービスの確保
クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業地図 石田 晴久 國領 二郎 インプレスR&D 2009-02-26 by G-Tools |