それでも、私たちは選挙に行くべきだと思う理由

 続・選挙には行かない – TAKUYAONLINEを読んで。
 すっかりWISH2009WOMJセミナーの連続開催で、精神的に披露して脳がまわっていないですし、先日のTwitterの選挙中の発言禁止とかで、いよいよ日本の公職選挙法にはあきれかえったので、もう選挙についての言及はやめようと思っていたのですが。
 上記の記事を読んで、どうしても気になったので脊髄反射で個人的考えをメモしておきます。
 正直なところを言うと、上記の記事自体には特に反論はありません。
 私自身、実は大学で政治学科に通ったぐらいなので、どちらかというと政治に興味がある方の人種だと思うのですが、選挙のたびに自分の1票のおける役割の小ささとか影響力の低さというのには、つくづく無力感を感じます。
 下記のようなサイトを見ると、その無力感はますます増してしまったりします。
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 ただ、選挙におけるインターネットの活用という視点から、各党のブロガー懇談会に参加したり、ネット選挙イベントをやったりと、日本の選挙を自分なりに勉強してきた感想から言うと。
 やっぱり、それでも、私たちは投票に行かなければいけないというのを強く感じます。
 
 それはナゼか?というと、私たちの意見を政治に反映したかったら、投票率を上げるしか方法が無いから、です。
 明るい選挙推進委員会に出ていた世代別の投票率の推移がこちら。
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 他の世代に比べて20代、30代の投票率の落ち込みが明らかに激しいのが分かります。
 特に前回以前のここ数回の落ち込みはひどいですよね。
 
 関連して検索して見つけた記事にあったグラフがこちら
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現在の世代別投票率が続く限り「高齢者のほうを向いた政策」は終わらない – シロクマの屑籠(汎適所属)より
 世代の人数は実はそれほど変わらないのに、投票者数を見たら、明らかに少ないのが分かります。
 特に、世代の母数が少ない70代に、投票者数では負けているのは実にショックなデータです。
 政治家の人たちが、これを見て、「若い世代にアピールするより、年配の世代にアピールする方が票が取れる」と思ってしまうのは当然でしょう。


 一般論から見てしまえば、今の政治に対する文句はいくらでも言うことができますが、実は現在の政治は、一部の世代にとっては優遇されている政治と見ることもできます。
 年配の人たちの世代の年金は削られたと言ってもある程度保証されていますし、その一方で借金が続いているので、私たちの世代は未来が見えない。
 
 現在の年配の人たちは、正社員として雇用されたまま一生を終えることができるかもしれませんが、若い世代の人たちの多くでその道が閉ざされてしまっている。
 結局、既得権益のある人たちの権益を譲ってもらおうと思ったら、その人達より声を大にしないといけないわけですが、実は、私たちの世代は投票行動で貢献してないわけですから、政治家の人たちに無視されて、ある意味当たり前の状況を我々自身が作ってしまっているわけです。
 当然、自分たちの世代が本気で声を上げない限り、この状況が本質的に改善されるわけはありません。
 だって、若い世代を守ろうと思ったら、ある程度現在の年配の人たちにそのしわ寄せをかぶってもらわないといけなくて。
 政治家の人たちからすれば、年配の人たちにしわ寄せのある選択をするというのは、現状の投票率を考えると、自分たちが選挙に落ちる確率をあげる自殺行為なわけです。
 結局、全国民がハッピーな選択なんて有り得ないので、何かを決めれば誰かがそのしわ寄せを受けるわけですが。
 現在の日本というのは、どうせ若い世代は何も言わないから、ほっといても大丈夫というのが基本的な方針のように思えてしまいます。
 で、ちょっと話はずれますが。
 そういう現状だと、当然若い世代が主に時間を過ごしているはずの媒体であるインターネットの政治的重要度というのは必然的に下がるわけで。
 インターネット選挙解禁がこの10年ぐらいずっと言われているのに、一向に進展しないのもそういう背景なのではないかと感じています。
 実際、ネット薬販売規制で楽天が100万人署名を集めても、「所詮ネットユーザーでしょ」と一蹴されてしまうし、テレビの政治関連の討論番組で女性に人気のコメンテーターが、パネリストが使ったリサーチの結果に対して「それネットリサーチだから意味ないですよね」とか言われてしまっていたりするわけで。
 現状の政治関連の人からすれば、インターネット上にいる若者の声なんて、無視していても問題ない雑音程度にしか見られてないのではないか、と思ってしまう瞬間です。
 一方、たしか「YouTube時代の大統領選挙」の大柴ひさみさんの講演だったと思うのですが、アメリカのオバマ大統領の選挙の時の投票率のデータでいうと、オバマもマケインも得票数は年配の世代は拮抗していたのが、若い世代でオバマが圧倒的だったという結果だったという話を教えてもらったことがあります。
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 実はオバマの圧勝と言われている割りには、30歳以上の平均でいうと、実は得票数は両社拮抗。
 29歳以下の部分で大差がついていたために、結果的にオバマの圧勝になったわけです。
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 つまり、オバマはネットを上手く活用して、若い世代の支持を取り込んだから大勝ちをすることができたということが言えるわけで。
 若い世代が大統領選挙のキャスティングボードを握っていたと言えるデータです。
 当然、今後のアメリカの政治家が、若者を意識した政策を考えざるをえないのは間違いないでしょう。
 ひるがえって日本を見ると、自民党ですら、公職選挙法の判断ぎりぎりのネガティブキャンペーンサイトを作ったりするぐらいですから、政治家の人たちがインターネットを気にしているのは事実。
 日本でも、政治家は若い世代の声を気にし始めているわけです。
 投票率についても、前述のグラフでは反発の兆しが見えますから、そう言う意味でも、今回の選挙の20~30代の投票率がどうなるかというのは、今後にとって非常に重要だと思うわけです。
 だから、やっぱり私たちは今回の選挙で投票率を上げて、存在感を増す必要が絶対的にあると思います。
 確かに、私たちの一人一人の投票で、選挙の全体の結果に大きな影響を与えられるわけでもありません。 
 ただ、一人一人の投票を積み重ねることで、投票率の数字を増やし、私たちの世代の存在感を政治家の間で増すことはできるはず。
 もちろん、投票するべき政治家がいないとか、投票するべき党がいないとか、政治家が信頼できないとか、いろんな問題があるのは分かります。
 でも、選挙で誰が選ばれようが、どの党が勝とうが、私たちの世代の投票率が低い限り、私たちの世代がより選挙に参加するための仕組みだったり、私たちの世代の未来を意識した政策なんて打ってもらえるはずがありません。
 既存の仕組みに文句を言っていても、選挙に行って私たちの世代の投票率を上げない限り、いつまで経っても状況は変わらないわけです。
 
 だから、私たちはやっぱり投票にいかなければいけないし。
 私たちの周りの人たちに投票を促す義務があると思うわけです。
 投票の仕組みの面倒さや煩雑さに、いろいろと理由をつけて投票に行かないのは、結局若い世代を無視しても良いと思っている世代の人たちの思うつぼ。
 投票に行く人がえらいのではなくて、投票に行かない人が事実上その世代の存在感を下げているというのが現実なのではないかと思います。
 
 別に白票を投票するのでも良いんです。
 とにかく投票に行くことが大事なんじゃないかなーと思う、今日この頃です。
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 ちなみに、どうしてもいつが選挙か忘れっぽいという方は、ivoteというサービスを使うとメールでリマインドしてくれるそうなので、是非どうぞ。(まぁ、もう今度の日曜日ですから忘れようがない気もしますが)
senkyo_ivote.png
(残念ながらFirefoxだとエラーが出るみたいですね)

“それでも、私たちは選挙に行くべきだと思う理由” への3件のフィードバック

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