「デジマーケティング(日本版のタイトルは「次世代メディアマーケティング」)は、mediologicでもお馴染みの高広さんが監修を担当された書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この書籍は、主にネットやソーシャルメディア(本書では消費者生成コンテンツサイトと書かれています)を活用した新しいマーケティング手法の基礎から心構え、応用までネットマーケティングの手引書とでもいうべき作りになっています。
個人的にはこの本は、次世代メディアマーケティングというありがちなタイトルでなく、原題の「デジマーケティング」で押し通すのもありだったのではないかなという印象を受けたので、あえて原題での紹介にしてみました。
ネットを活用したマーケティングに携わっている方なら、参考になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■”interactive is dialogue”(インタラクティブとは(顧客との)対話である)
ルイ・ヴィトンのアジア・パシフィック圏のデジタル部門シニア・マネージャー
■コンシューマーは企業のコミュニケーション活動への参加者であると考えた方がよい。コンシューマー=コミュニケーションの参加者なのだから、プランニングの起点は「メディア」ではない。あくまでコンシューマーが起点となる。
■デジマーケティングの12の原則
・視聴者から参加者へ
・インプレッションから関わり(エンゲージメント)へ
・ブロードキャストからアドレサビリティへ
・時間と場所が固定されたコンテンツから時間と場所を問わないコンテンツへ
・マーケター主導型から消費者主導型へ
・プッシュ型マーケティングからオプトインを前提とした共有型マーケティングへ
・従来のメディアプランから新しいメディアプランへ
・コントロールされたPRからデジタルインフルエンスへ
・統合マーケティングから統一マーケティングへ
・データ不在からデータ主導へ
・事後の効果測定からリアルタイムの効果測定へ
・部分ROIから最適化へ
■ソーシャル検索
・Squidoo あるテーマに関する最良のページをユーザーが提案・投票し、それを編集者がときおりチェックする
・Bessed ブログと検索を組み合わせ、ユーザーが検索結果にコメントできるようにした
・ChaCha 人間の検索アシスタントとチャットすることさえ可能
・Mahalo あらかじめ人間の目で選別された検索結果を提供
■消費者生成コンテンツサイトでプレゼンスを確保することは重要だが、消費者生成コンテンツを自社サイトに導入することも検討してみよう
■消費者生成コンテンツの自社サイト導入のポイント
・嘘をつかない
・まずはサイトの性質を理解する
・消費者の創造力をブランドに活用する
・消費者生成コンテンツはタダではない
・消費者の声に耳を傾ける
・マイクロセレブを巻き込む
・投票を活用する
■消費者コンテンツの未来のトレンド
・消費者コンテンツの「テレビ」化
・ニッチ市場の急増
・新しい形のネットワーキング
■デジマーケティングのプランニングステップ
・参加者プロフィールの作成と目標の設定
・プラットフォームプロポジションの明確化
・チャネルミックスとクリエイティブコンセプトの決定
・コンテンツアウトライン(企業)の策定
・コンテンツアウトライン(消費者)の策定
・メッセージングとバイラルプランの策定
・デジタルアウェアネスプランの策定
・デジタルインフルエンスプランの策定
・チャネル統一プランの策定
・データプランの策定
・分析プランの策定
・最適化プランの策定
■参加者プロフィールの主な内容
・全体のプロフィール
・デジタルプロフィール
・デジタルの使用習慣
・コンテンツの消費傾向
・コンテンツの制作傾向
・個人のプロフィール
■「ウェブサイトをつくれば、黙っていても客は来る」という発想はもう通用しない
■デジタルインフルエンスの3つの条件
・スピード:ソーシャルメディアは企業よりも動きが速い
・会話のトーン:消費者と話しをするときは、トーンが非常に重要になる
・透明性:消費者は間違いを認めない企業や批判に耳を傾けない企業を好まない
■デジタルインフルエンスプランの主な項目
・主なインフルエンスチャネルと活動
・コミュニケーションポリシーとブログポリシー
・ブランドファン
・デジタルインフルエンス素材
・デジタルモニタリングプラン
・危機管理計画
■チャネル統一プランの策定方法
・従来チャネルとデジタルチャネルを統合する
・コンテンツを統合する
・統合から統一に移行する
■データプランの策定
たいていの企業は活用できる以上のデータを集めているか、的はずれなデータを集めている
■データ収集の仕組み
顧客とのインタラクションから必要なデータを自然に引き出す方法が重要
消費者が自分や自分のニーズを知るためのツールやセルフテストを用意しよう
■デジマーケティングの10の大罪
・登録に時間がかかる
・データプランが無い
・データはあるが、分析をしない
・小手先の技巧に走る
・アウェアネスプランをおろそかにする
・検索エンジン対策を怠る
・使い勝手が悪い
・スパムを送る
・参加者を巻き込まない
・カスタマイズを実行しない
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