SMALL GIANTS (ボー・バーリンガム)

4903825035 「SMALL GIANTS」は、一般的な企業とは異なる成功の定義をもった企業について考察されている書籍です。
 購入して読んでいたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、いわゆる一般的に成功とみなされている企業の規模拡大や株式公開ではなく、独自の成功の定義をしている企業が描かれています。
 自分が勤めている会社の方針について疑問がある方や、自分が立ち上げた会社の経営方針について悩んでいる方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■世間のビジネスを見る目が、かなりの範囲で株式公開企業によって形成されてきた。だが、実際は株式公開企業が企業人口に占める割合はごくわずかである。
■Mojoがあると特定できた企業の共通項
・一般的な起業家と違って、自分が創る企業について選択肢の幅を理解していた
・一般的な企業成功の道を推す圧倒的なプレッシャーを克服してきた
・各社が事業を展開する地元の都市、町、群などと際立って親密な関係を結んでいた
・顧客及びサプライヤーとの間にも並外れて親しい関係性を構築していた
・各社が一風変わった親密な職場環境を持っていた
・企業構造及び統治体制の多様さ
・リーダーが仕事に対して注いでいた情熱
■「下手な鉄砲も数撃てば当たる」式のやり方をしながら評判を獲得していくのは非常に困難だ


■本書に登場するCEOのほとんどは、「小さく優れた企業を作りたいのであれば、外部の株主を抱えてはいけない」という信念を持っている
■企業家中毒から回復するために理解しなければならない3つのこと
・痛い思いをしなければならない
・ゼロから大企業を築くような人間は、自分とは違うタイプなのだ
・『それでも大丈夫だ』ということ
■企業と従業員と顧客と業者の間での「コミュニティ意識の構築」
・矛盾のない一貫した誠実さ、整合性
・プロ意識
・相互の助け合いに基づいた、直接的で人間的な結びつき
■親密な絆を生み出すのは、たいていの場合は組織トップの人間ではない。日々業務に当たるスタッフやマネージャー達の力なのである
■親密な企業文化とそれにともなうMojoを創出するさいの3つの優先事項
・企業を崇高な目的と結びつけ、それを実践し、社内に浸透させる
・会社がどれほど従業員のためを思っているか、意外な方法で人びとに実感させていく
・一見したところでは会社が従業員の関わりにほとんど影響力を持っていない、と感じさせる
■民主的で、オープンで、平等主義的な雰囲気と、若干ミステリアスで、きわめてパワフルで、慈悲深さを持つ権威者という組み合わせがいい
■顧客を収入源ではなく友人のように扱う
■マーケティングとは、市場と顧客を観察し、「彼らは何を必要としており、我々はそれをどうやって届けられるか」と検討すること(ケント・マードック)
■現在では想像しにくいが「起業家的」といわれることが賛辞にならない時代があった。1950年代~70年代には、一般的に「起業家」とは社会的価値をほとんど、あるいはまったく持たない怪しげな人間と考えられていた。
■答えはビジネスよりも人間にある

4903825035 Small Giants [スモール・ジャイアンツ] 事業拡大以上の価値を見出した14の企業
上原 裕美子
アメリカン・ブック&シネマ 2008-12-16

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