「iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか」は、「iPhoneショック」などの書籍の著者としても有名な林信行さんの書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、タイトル通り最近の流行の代表と言えるiPhoneとツイッターが何故成功しているのか、林さんならではの視点から今の時代に必要な企業の製品開発やサービス開発の在り方とかぶせて描かれています。
単純なサービスの機能開発競争ではなく、根本的な企業姿勢を変化させないと現在の競争には勝ち残れないと言う日本企業に対しての警鐘だと思いますので、製品開発やサービス開発に携わっている方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■何か情報を調べようと思ったときに、最初に利用するのがグーグルであるという状況はしばらく変わらないだろう。しかし、「面白いことがないかな」と最初に除く場所は、ツイッターになりつつある。
■雑誌にはセレンディピティを生み出す力がある。
そういう編集の力は、マイクロコンテンツが増えるほどに発揮されると思うがどうだろう。その上で、記事をバラ売りしたり、別の形で編集してパッケージ化すれば、コンテンツ提供側にも読者にもメリットがあるはずだ。
■今考えるべきは、ワークシェアリングではなく、「マイクロワーク」なのではないか。 今はパッケージとして提供している労働力を、マイクロ化した仕事として売ることはできないだろうか
■Web2.0的なサービスの特徴
・Webがプラットフォームとして振る舞う
・集合知を利用する
・データは次世代の「インテル・インサイド」
・ソフトウェア・リリースサイクルの終わり
・軽量なプログラミングモデル
・単一デバイスのレベルを超えたソフトウェア
・リッチなユーザー体験
■AARRR
・Acquisition(顧客獲得)
・Activation(活性化)
・Retention(繰り返し利用)
・Referral(推奨)
・Revenue(収益化)
■アップルのものづくりの方法
1・自社のブランドや立ち位置、発売時点での技術的進歩や社会コンテクストを理解した上で、そこにふさわしい新製品をゼロから検討する
2・その製品の本質が何かを徹底的に議論
3・余計な要素をそぎ落としながら、製品の本質をカタチに落とし込んでいく
4・自らは製品コンセプトが貫かれているかの監督官に徹し、細かな開発の工程はそれに強い他社に任せる
5・製品をよくする上で必要な技術があれば惜しまず開発・買収
6・製品の利用のされ方や反響を観察し、そこから製品の改良案を見いだす
7・3に戻る
■アップルやインテルには、「生活をこう変えたい」という明確なビジョンがある。iPodなら「すべての音楽ライブラリを持ち出して楽しむ」だ
■イントラブランド
社員が自分の勤めている会社について持っているイメージ
■ブログの登場は、従来みんなのコンセンサスとなっていた時間軸の考え方を逆転させた。ブログでは新しい記事が一番上にくる。話の流れが気になったときにはじめて、昔の記事をさかのぼって読む。
今や情報は過剰に溢れ、あっという間に陳腐化していく。そんななか、限りなく今この瞬間に近い「新鮮」な情報には大きな価値がある。
■紙の名刺交換は役割を終えつつある、と感じている。
ただ名刺交換するだけでは、相手のバックグラウンドもわからないし、継続的なコンタクトも取れない。それよりも、ツイッターなどのソーシャルメディアを利用することで、より3軸の距離が密なコミュニケーションを継続的に取ることが可能になってきている。
■「経験経済」(岡本慶一氏訳)
モノやサービスそれ自体ではなく、人が得られる体験や経験といった価値を高めていくことが重要だと説く
iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか? アスペクト 2010-04-26 by G-Tools |