「統計学が最強の学問である」は、タイトル通り統計学の価値について紹介されている書籍です。
Cakesの加藤さんに教えてもらったので買ってみたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
正直、統計とか分析とかっていう単語を聞くと、一瞬で耳をふさぎたくなる理数科出身なのに文系受験して法学部に逃げた自分がここにいるわけですが。
実はネットの進化やスマホの普及により、いわゆるビッグデータと言われる、利用者の動向が何でも分析できる時代がすぐそこに見えていることが明らかになっており、統計学の重要性は明らかに増していると感じます。
実はビジネスにおいて、統計学のような数値を元に適切な判断を行うことは、インターネット以前から重要だったわけですが、最大の問題はデータが取れない、もしくは取るのに膨大なコストがかかること、でした。
それが最近はデータ取得コストがあきらかに低下し、逆にデータが手元にありすぎて分析できていない時代に入っています。
そういう意味で、この書籍のタイトルである「統計学が最強の学問である」というのは実に真実だなと感じます。
昨日「CMO+CIO Leadership Forumで考える日本企業におけるマーケティングとテクノロジーの融合の難しさ」」というブログでも書いたように、マーケティングとテクノロジーの融合をするためには、テクノロジー側の人にマーケティングを理解してもらうのも重要ですが、マーケティングサイドの人間もテクノロジーやこういう統計や解析の世界の基本を抑えていく必要がましていると痛感します。
この本ではそんな統計学の価値や可能性を分かりやすく解説してくれていますので、私のような統計学に苦手意識のある方でも取っつきやすいのではないかと思います。
【読書メモ】
■標準誤差を算出する
標準誤差というのがどういったものかというと、サンプルから得られた割合に対して標準誤差の2倍を引いた値から標準誤差の2倍を足した値までの範囲に真の値が含まれている信頼性が95%という値
■データをビジネスに使うための「3つの問い」
・何かの要因が変化すれば利益は向上するのか?
・そうした変化を起こすような行動は実際に可能なのか?
・変化を起こす行動が可能だとしてそのコストは利益を上回るのか?
■カイ二乗検定
クロス集計表について「意味のある偏り」なのか、それとも「誤差でもこれぐらいの差は生じるのか」を確かめるため解析手法
■経験と勘を超えて裏ワザを見つける3つのポイント
・適切な比較を行うこと
・ただの集計ではなくその誤差とp値についても明らかにすること
・目指すゴールを達成したものと層でないものの違いを比較すること
■誤差への3つのアプローチ
・実際のデータをまったく扱わず、ただ仮説やこういう事例がありましたという話だけをもとにして理論モデルを組み立てる
・うまくいった事例のみを結果として報告する
・ランダム化を用いて因果関係を確率的に表現しようとする
統計学が最強の学問である 西内 啓 ダイヤモンド社 2013-01-25 by G-Tools |