ソーシャルテレビ・アワードで改めて感じる、ソーシャルとテレビの組み合わせは、これから数年で当然もっと増えるだろうという話

 もはや、まるまる1年前の話になってしまうのですが、日経BPさんが企画した「ソーシャルテレビ・アワード」という企画に、審査員として参加させて頂きました。
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 日経MJに「TVとSNSの融合 つぶやき量、人気の指標に」という関連コラムは書いたものの、実際のイベントの感想をすっかり書いていなかったんですが、このたび今年のソーシャルテレビ・アワード2013の審査をさせて頂いた際に、上に張った昨年のアワードの写真を日経BPさんに頂いたので、記念にブログも書いておきたいと思います。
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 私のようなブログをたまたま書いていた関係で、運良くコラムを書かせてもらったり、今のようなソーシャルメディアで企業のマーケティング支援をするようになった普通の一ネットユーザーからすると、テレビとネットの連動というのはもうこの10年以上待ち続けている近くて遠い未来、というのが正直な印象です。
 ライブドア事件の前、堀江さんが押し進めようとしていた「ネットとテレビの融合」は「ネット企業によるテレビ局の買収」という行為とすっかり重なってしまい、テレビ局の偉い方々がその後5年経っても「テレビとネットは融合なんてしない!」と話していたという逸話を知り合いから聞いたことがありますが。
 米国のネットテレビの話題や、ツイッターを初めとするテレビ番組のソーシャルビューイングの推進などのニュースを見ていると、日本におけるソーシャルテレビ的な動きというのは、本当に遅々として進まない、というのが個人的な印象でした。
 その印象が徐々に変わってきたのは、本当にここ最近の2年ぐらいでしょうか。


 昨年のソーシャルテレビ・アワード2012でも特別賞に選ばれたNHKの「NEWS WEB 24」のようなソーシャルメディアとの連動を番組自体のコアに置いた番組も深夜帯を中心に徐々に増えてくるようになりましたし、「ワールドビジネスサテライト」や「ZIP!」のように各局の看板番組においてもツイッターのハッシュタグが表示されたり、ソーシャルメディア上の発言が番組で取り上げられたり、番組のソーシャルメディアアカウントやスマホのアプリに力を入れるケースも非常に増えてきました。
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 個人的に特に驚いたのは、昨年の大賞に輝いた「SPEC~翔~」のソーシャルビューイングへの挑戦。
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 特別番組ではあるのですが、ゴールデンタイムのドラマの放映中にツイッターのハッシュタグでの投稿を呼びかけ、その投稿一覧をデータ放送のコンテンツとして使ってしまったんですよね。
 放送時間中のTwitter投稿数は1分あたり231件というのも凄いんですが、テレビにおいてはデータ放送といえど、放送波と同じクラスの表現の自己規制をするのが当然らしく、なんと番組スタッフの方々が片っ端からその発言に目を通して発言の表示か非表示を決めていたと言うから本当に頭が下がります。
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 今でこそ、こうやって大賞に表彰されているので普通に聞こえるかもしれませんが、こういう新しい取り組みを初めてやる際にはさぞかし社内の調整とか大変だったんじゃ無いだろうかとついつい想像してしまいます。
 
 ただ、一方であえて個人的に思うのは、きっといわゆる「ソーシャルテレビ」のバリエーションというのは、これだけなんてことは当然ないんだろうな、ということ。
 昨年の贈賞式でも、受賞された方々のコメントが普通に地に足がついたコメントで、ソーシャルメディアへの取り組みが、技術のトレンドを見ているのでは無く、視聴者との新しいコミュニケーションの手段として話している方が多いのが非常に印象的でした。
 そうやって貪欲に新しいチャレンジに取り組まれるテレビ関係の人が増えれば、当然いわゆる「ソーシャルテレビ」的な取り組みのバリエーションは、まだまだもっと増えていくはずです。
 週末にも、日テレさんが放送されていた「音楽のちから」でデータ放送やスマホを使った参加型LIVEの取り組みとして「音ゲーLIVE」が実施され、我が家も家族全員で参加しましたが、これからはああいう企画が特番だけで無く、定番の番組と連動していくことも増えていくのでは無いかと思います。
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 私自身、海外のソーシャルテレビ事例を羨ましく見ていたりした時期もあるのですが、実はよくよく細かく話を聞くと、米国においても日本ほど凝ったソーシャルテレビの事例って、それほど存在しないんですよね。
 そういう意味では、無類のテレビ好きの民族である日本から、ソーシャルテレビの新しいカタチが生まれ、海外に拡がっていくみたいなことは、全然あり得るんじゃないかなと強く感じます。
 昨年のソーシャルテレビ・アワード2012から一年経ち、1年間の間にも様々な取り組みが増えましたし、日テレさんのJoinTVカンファレンスのようにテレビ局自らがソーシャルテレビのカンファレンスを開催するような流れも出てきました。
 今年のソーシャルテレビ・アワード2013の審査にも参加させて頂き、ソーシャルテレビ的な取り組みのバリエーションの拡がりを改めて感じましたが、多分、この流れは今年から来年にかけても、拡がりをさらに見せてくれるのでは無いかなと感じたりします。
 ということで、今年のソーシャルテレビ・アワード2013の審査結果は7月23日に開催されている日経BPさんのモバイル&ソーシャルウィーク2013の会場で発表されます。
 私は残念ながら審査に参加したにも関わらず、家族旅行で北海道にいるため贈賞式に参加できないのですが(涙)
 イベント参加者の方は贈賞式とパーティーにも参加することができるようですので、興味がある方は是非どうぞ。
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