なんでソーシャルメディア活用支援会社の社長だった私が、さとなおオープンラボで1から学び直していたのかという裏話。

 先週金曜日に、さとなおオープンラボの三期生の募集が始まったようです。
さとなおオープンラボ、3期生を募集します!
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 Facebook等では何度か書いていたんですが、すっかりブログではカミングアウト(?)し忘れていたので、この機会に遅ればせながらカミングアウトさせて頂くと。
 実は私は、このさとなおオープンラボの一期生として参加させて頂いてました。
 
 さとなおオープンラボを簡単に説明すると、「明日の広告」や「明日のコミュニケーション」などの著書でも有名なさとなおさんが、元々電通社内で運営されていたラボ。それが電通から独立された後に昨年から私塾として復活運営されている勉強会です。
 さとなおさんのブログで「電通との契約が終了しました & ラボやります」という記事で最初にラボ公募が告知されたのが2013年の5月。
 
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「対象は若手を考えていますが(20代〜30代)、実は40歳以上限定で「なんだか最近若いヤツらについていけないけど、元々のポテンシャルからしてオレだってまだまだ余裕で追いつき追い越してやるぜ」的な私塾もありかもと考えています。ソーシャルメディアなどに拒否感やモヤモヤ感がある方々にキャッチアップしていただき、若手を追い越すくらいな気持ちで学び合う会。
余裕があったら両方やってみたいところですが・・・ご意見やご希望などありましたらお寄せください。」
 と書いてあったので、記事を読んで速攻でさとなおさんに、「若手の枠でも40歳以上の枠でも、どちらでも良いからとにかく参加したい」という趣旨のメッセージを送りました。
 過去にさとなおさんの本とかで、電通のラボの話を何度か目にしたことがあって、ずっと羨ましいなぁと思っていたのもあるんですよね。
 で、実は
「ご無沙汰しています。
というか(絶句)。やめてくださいww キャッチアップしてない人が対象になると思います。」
 と、さとなおさんに速攻で断られてます(苦笑)


 まぁ、「ソーシャルメディアなどに拒否感やモヤモヤ感がある方々にキャッチアップしていただき、若手を追い越すくらいな気持ちで学び合う会。」って明確に書いてありますからね。そりゃあソーシャルメディアの専門家であるべきサイドの人間が申し込んじゃダメでしょ、空気読めよ、と今振り返るとちょっぴり思ったりもするわけですが。
 ただ、その後、さとなおさんの制止を振り切ってダメ元で申し込ませて頂き、何故参加したいのかという思いを綴り、何とか末席に加えて頂いて参加できたというのが経緯です。
(きっと、全体のバランスを考えると一人ぐらいこういうやつがいてもいいかな、と思って頂いたのでしょう)
 当時、私はソーシャルメディア活用支援をしている会社であるアジャイルメディア・ネットワークの、よりによって社長をさせて頂いていたわけで、そんな会社の社長が1からソーシャルメディア時代のコミュニケーションについて学ぶ勉強会に参加するの?何で?というのは実際問題、他の方にも聞かれました。し、今もたまに聞かれます。
 で、毎回説明するのが面倒くさいので、ちょっと恥ずかしいですが、当時申し込んだときに書いたフォーマットを公開してしまいましょう。
 
「なぜいまあなたにラボが必要か」
企業のソーシャルメディア活用については、それなりにこの7年間真剣に考え、学んできたつもりですが、そもそもの広告コミュニケーションの基礎、コミュニケーションデザインの基礎は学んだことがなく、自己流での思い込みでの理解でしかありません。おまけにこの7年ぐらい、企業における日本のマスメディアの分かりやすい価値認識に対し、ソーシャルメディアの価値の証明に苦労し続けており、その結果逆に日本のソーシャルメディアの可能性に対して悲観的な傾向があり、企業のコミュニケーションにおけるソーシャルメディアの可能性を矮小化してしまっているのではないかと感じています。
もう一度、ソーシャルメディアが当たり前となった世界において、企業のコミュニケーションの何が本質的に変わり、どのような新しい可能性が広がっているのか、ゼロベースで前向きな議論・勉強をしたいと考えています。
「自分が理解できてないと思われる部分の自己分析」
繰り返しになりますが、企業における広告コミュニケーションやコミュニケーションデザインの価値や基本というか本質を理解できていません。
本で読んだものを表面上で理解したつもりになってはいる面も多々ありますが、自分自身が主語で携わったことは無いため、分かったつもり病になっている感じが凄いあります。

 自分で振り返っても、こいつ本当に悩んでいたんだなぁと言うのが良く分かる文章ですね(笑)

 2013年の春頃は、丁度会社としても、個人としても「ユーザー重視」「アンバサダー重視」という方向性にかけることをウェブサイト上でも宣言し、会社全体の役割をソーシャルメディアのアカウント活用支援ではなく、ソーシャルメディアを使いこなし始めたユーザーとのコミュニケーションに注力するアンバサダープログラムに振ると言うことを明確に決めたタイミングでした。
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 ソーシャルメディアブームのお陰で、会社の知名度も上がり、たくさん講演の機会も頂いてはいたものの、自分の実際の能力や実績以上に知名度にゲタを履かせて頂いてるという違和感というか恐怖感みたいなものはずっと持っていて、そのお陰で会社としての方向性を絞る方に絞る方に意識を持っていくことができたのは、今振り返っても良かったとは思っているのですが。
 ただ、やはり企業のマーケティング全体において自分達がどういう位置づけになることを目指すべきなのか迷いがあったところ、さとなおオープンラボが丁度救いの糸として目の前に出てきて、これしかない、と申し込ませて頂いた次第です。
 
 で、結果、あのタイミングで、さとなおオープンラボで学べて本当に良かったと心の底から振り返っています。

 講義の内容はさとなおさんのことだから、昨年から内容もアップデートされてるでしょうし、中途半端にこのブログでネタバレできるようなボリュームではないので書きませんが、やはりコミュニケーションやマーケティングを、さとなおさんという、マスもソーシャルも、紙もテレビもネットも、企業のマーケティングはもちろん自治体のコミュニケーションやスラムダンク一億冊感謝記念に震災の復興支援まで、幅広く経験されている人の視点で俯瞰的にまとめてもらえるのは、本当に貴重な時間でした。

 「明日の広告」と「明日のコミュニケーション」を読んだ方なら何となく分かって頂けると思うんですけど、さとなおさんは本当に言葉の選択とか分類の仕方とか考え抜いて資料を作成されてるんですよね。
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 おかげで、自分がもやもやと感じていたものが、パシパシと論理的に言語化されて腹オチしていき、毎回授業のたびに脳がフル回転でした。
 その結果、アンバサダープログラムのような活動が企業のコミュニケーション全体の中でどういう位置づけにあるべきかというのも整理できましたし、自分が携わっている部分が企業のマーケティングの中でいかに小さい一部でしかないことも再確認できつつ、アジャイルメディア・ネットワークのような会社が大企業のマーケティングに貢献できる部分が、自分が思っていたよりも実は広い可能性があることも発見し、自信をつけることもできました。

 それが、今多くの企業の方々とアンバサダープログラムのチャレンジをさせて頂ける形につながっていると感じています。

 また、自分が従来のマスマーケティング手法をソーシャルメディア上にそのまま適用しようとする人たちに対して感じていた違和感が正しかったことを確認できた一方、本当に突き詰めて考えられた真のマスマーケティングの奥の深さや、インパクトの凄さも痛感させられることになりました。
 その中で、自分自身の存在意義や役割は、やはりマーケティングの専門家とかソーシャルメディアの技術トレンドの専門家という方向性にあるのではなく、ユーザー側の視点から出てきた人間である所にあると言うことも整理でき、それがAMNの経営権を上田新社長と高柳新副社長中心にシフトすることを自分で納得する上で大きかったのも実は事実です。

 私自身、20代の時はグロービスに自費で通っていた人間なので、元々勉強会好きというのもあるんでしょうけど、サラリーマンも30代後半とか40代とかになると、こうやって時間を取って1から学び直す機会って本当になかなか取れないんですよね。
 でも、だからこそ、こういう時間を取るのって貴重だと思いますし、そういう場所に集まってくる、とてもとても濃い(笑)同期の人たちとの出会いや議論は、本当に刺激になりましたし、今もなっています。
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 特にさとなおさん、同じ一期生シニアの皆さん、この場を借りて改めて御礼を言わせて下さい。
 本当にいろいろと刺激を頂き、ありがとうございます。
 引き続き何とぞよろしくお願いします。

 ということで、久しぶりの自分語りが長くなりましたが、私のような40代でなかなか勉強する時間が取れないなと思っているような人こそ、さとなおオープンラボにあえて申し込んで自分を追い込んでみてはいかがでしょうか、ということで、あえて私の恥ずかしい過去を晒してみました。

 海外のマーケティング事業者の話を聞いていると、デジタルマーケティングというフレーズでマスとネットを組み合わせた新しいマーケティングがどんどん進化しているように感じますが、日本ではまだまだマスとネットのプレイヤーの多くが、お互いにお互いの世界を知らないまま別の世界で生きているという印象があります。
 さとなおオープンラボみたいな場所で、その垣根を忘れて本質論で議論するのは非常に意味があるし、楽しい(レポートは大変ですけど)と思いますので、デジタル側の人にもマス側の人にもお勧めしたいです。

 皆さんと、同じラボのメンバーとして議論できることを楽しみにお待ちしております。

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 ということで、改めて。さとなおオープンラボのお申し込みはこちら↓
さとなおオープンラボ、3期生を募集します!
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