AMNの経営メンバーが、徳力中心から上田社長と高柳副社長中心にシフトする件について

AMNlogo_middle.jpg 昨日、アンバサダーサミットの会場でAMNの役員人事と新体制について発表させて頂きました。
 昨日はバタバタしていてすっかりご報告が遅くなりましたが、こちらでも報告させて頂きます。
 今回の体制変更を簡単に概要だけ説明しますと、私が社長をやっている現在の体制から、3月1日を持って現在取締役をしている上田さんと高柳さんがそれぞれ社長と副社長に就任し、私が取締役に戻るという形になります。
AMNの役員人事と新体制の内定について
 個人的な感覚としては、すでにここ数年、上田さんが社長的な業務を担当していて、高柳さんが副社長的な業務を担当していて、私の業務はいわゆる会長職的な位置づけに近かったと感じているので、実態にふさわしい肩書に直したという感覚です。
(Photo by Koyama)
 私個人も別に退任するわけではなく、今までの啓蒙業務やブロガーリレーションを中心に引き続き100%AMNにコミットさせて頂くので、極端な話としては社内的な肩書変更という感覚なのですが。
 何と言っても社長という肩書は重いですし。
 一般的な大企業ですと、社長を辞めるとその人は退任というイメージをもたれる方もおられるかもしれませんので、念のためそうではないですよ、という背景をブログにも書いておきたいと思います。
 ご存じない方もおられるかもしれませんが、実は私はAMNにおいては2人目の社長です。
 AMNの設立が元々プロジェクト的というのがそもそもAMNが変わった会社である象徴だと思いますが、元々2007年に創業したのは元CNETで編集を担当していた坂和さん。
 私も創業のお手伝いはしましたが、正式にAMNに入社したのは2007年7月なので、正確には創業メンバーでもありません。
7月よりAMNに正式にジョインすることになりました。
 その後、2年後の2009年2月に坂和さんから私に社長をスイッチし、今日まで5年間私が社長を担当させて頂いていました。
本日より、AMNの代表取締役社長をさせて頂くことになりました。
 2009年からの5年間、間に東日本大震災など大変な出来事もありつつ、個人的には大変なこともいろいろありつつも、毎日刺激のある日々で楽しく社長を担当させて頂いていましたが、AMNが会社としての年数を重ね、何もビジネスモデルのない時代から、徐々に会社として体をなしてくるにしたがい、私が社長をしているメリットよりも、他のメンバーが社長をやる場合のメリットの方が大きく見えてくるようになってきました。


 何と言っても日本における社長って責任範囲が凄い広いんですよね。
 海外だとCEOとかCOOとかCMOとか、社長的な権限を持った経営者ポストが複数あって判断を分担している印象がありますが。
 日本だと何だかんだCEOもCOOもCMOの部分も社長が責任を持っているという実態は意外に多いのでは無いかなと思ったりします。
(もちろん、その分日本の大企業は数人のスター経営者が会社を動かしていると言うよりは中間管理職が会社を動かしているケースが多いんだと思いますが)
 前職のアリエル・ネットワークの社長が「社長の仕事は自分がいなくても仕事が回るようにすることだ」といっていたのが非常に記憶に残っていたのもあり。
 実は自分が社長になってからの5年間、いつかはこういう日が来るんだろうなと思っていて、社内では私のことを誰にも社長と呼ばせておらず、外部の方にも社長と呼ばれるたびに、徳力でお願いしますと訂正していた経緯もあったりします。
 そんなわけで、AMNでは従来からグループ経営を標榜していて、企業向けのコンサルティングや、アンバサダープログラムの設計は営業系を取り仕切っている上田さんが担当し、それらを支えるシステムやサービスの企画や運営は高柳さんやCTOの松村さんに担当してもらっていて、私自身は社長という肩書はありつつも未だに名刺にブロガーとも入れているキャラですし、どちらかというと啓蒙活動や個人の妄想を広げることを自由にやらせてもらっていました。
 実際、私自身の活動ってWOMマーケティング協議会を通じてのステマ撲滅のための活動とか、昨年の柔道日本代表の強化合宿での講演のような会社の収益には直結しないソーシャルメディア自体の啓蒙にエネルギーを割いていることも多いですし、イケダハヤト✕やまもといちろうの炎上の栗拾いとか、新規サービスのプレゼン大会のWISHブロガーサミットとかのような会社に収益をもたらさないどころか、会社としてコスト負担の方が大きい企画に全力を方向けてしまうことも多々ありました(汗)
 そんな中、実際には上田や高柳をはじめとした優秀なスタッフの面々が、会社としての事業を支えてくれていて、私が炎上の栗拾いをしていようが、自主イベントの企画にうつつをぬかしてようが、現在のAMNが会社として存続できているわけですが。
 やっぱり、一般的な概念からすると、「社長」が全ての機会で窓口や責任者として認識されることが多いため、どうしても私一人がAMNの顔のような形になってしまっているのが現状かなぁと手前味噌ながら思います。
 実際問題、社内の役割的には上田さんや高柳さんが担当すべき場面でも、やはり「ここは当然社長が来るでしょ」みたいな空気で私も同行しなくちゃいけないというのもよくありました。
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 そこで、実際に営業メンバーを中心にAMNの事業を形作っている上田さんに明確に社長の肩書きを持ってもらい、それらを裏側から支えるシステムやサービスの企画などに尽力してくれている高柳さんに副社長の肩書きを明確にもってもらうことによって、AMNの経営陣の肩書きを実態に即した形にした、というのが今回の新体制の背景です。
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 現実問題としては、上記の二つの図のように、社内的な役割分担は変わらないので、ほとんどの皆さんとのコミュニケーションのルートや、関係は実は変わらないと思っていたりします。
 今までもAMNが携わっているプロジェクトはほとんどが営業メンバーを中心に回してくれていて、私自身がコアなプロジェクトメンバーになっているケースはほとんどないんです。
 冷静に振り返ってみると、社長という肩書がついていつつも、つくづくスタッフのみんなに支えられて、楽をさせてもらっていたんだなと実感します。
(Photo by Koyama)
 で、今回の体制変更により、私個人はもう一度ブロガー出身のAMNの経営者の一人として、ブロガーの議論から始まったという歴史を持つAMNが、「アンバサダー」というキーワードを掲げつつ、どういう立ち位置でブロガーの方々やソーシャルメディアユーザーの方々と関わっていくのか、という本来私が一番注力したいと思っていて、注力しなければいけないはずの領域に再度エネルギーを注げるようにしたいと思っています。
 実際、久しぶりに創業当初の頃に書いていた自分の決意表明ブログとかを読み直してみたのですが、恥ずかしいほどにほとんど実現できてないんですよね。
わたしがAMNを通じて挑戦していきたいこと
 この記事に書いてあるベースは自分の中でも今もほとんど変わっていないですし、7年前に比べればはるかにいろんなことに挑戦できる環境になってきたとは思っています。
(まぁ、目の敵にしてきたステマ系ペイパーポストサービスが、ステマ騒動の際に一掃された点については、逆に達成感が出てしまいつつも、本質的なステマは巧妙に水面下に潜ってしまってより指摘がしづらくなってしまって、無力感を感じてしまったりなんてこともありますが。)
 年始の抱負に書かせて頂いたように、肩書もセットで今年は盛大にモードチェンジさせていただきたいと思います。
徳力の2014年の抱負:今年はモードチェンジの年にしようと思います。
 そんなわけで私の3月以降の新しい肩書は、広い意味でいろいろさせてもらえるようにCMOという肩書にさせて頂きました。
 もちろんCMOはチーフマーケティングオフィサーというマーケティングのトップという意味になるわけですが。
 
 うちみたいな広告予算がほとんどない会社でマーケティングのトップというのも大げさなので、私のCMOには チーフ妄想オフィサー と チーフモデレーターオフィサー という3つの意味が含まれていると思って頂ければ幸いです。
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 代表取締役社長 ブロガー というちょっとふざけた肩書の名刺を配るのは今月で最後になりますが、3月からは取締役CMO ブロガーという名刺で引き続きいきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。
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