ワールドビジネスサテライトに出させてもらいました。

テレビ東京のワールドビジネスサテライトの特集にちょこっと出させてもらいました。
名前入りでテレビに出るのはもちろん初体験だったんですが、ほんの数分のためにテレビ局の人がスゴイパワーをかけて番組を作っているのを実感できる経験でした。
おまけに、知り合いからも後で結構「出てたね」といわれ、テレビの影響力の高さをあらためて感じたりしてます。
それにしても、自分のインタビューが慶應SFCの村田先生の後に流してもらえたというのも恥ずかしい限りで・・・

「テレビ」会社にとってオンデマンド配信は必要ない?

[R30]: テレビ番組のアフィリエイト、何で誰もやらないの?を読んで。

 実は先日、ひょんなことからテレビ東京さんに取材していただく機会をいただきました。

 なんでもP2Pの著作権がらみの話を土曜日のワールドビジネスサテライトで取り上げる予定とのこと。
 テレビに取材してもらうなんて滅多にないことなんで、これは知り合いみんなに教えなきゃ。と思っていたところ、ふと不安に。

 そもそも、テレビの取材ってどういう形で取り上げられるかも分からないどころか、本当に自分の発言が使われるかどうかも分からないわけです。

 本来なら、自分で内容を確認してから知り合いに教えたいところですが、テレビニュースなんて放送されるのはあくまでその日だけ。
 新聞や雑誌の記事なら、後でコピーしてFAXで送るという手も無くはないですが、テレビの動画ニュースではそれも難しかったりします。
 最初に取り上げた記事でR30さんが書いているみたいな、番組データを有料でいいからオンデマンド配信できる仕組みが、今週土曜日だけでいいから欲しくなってしまったりします。
(ということで、興味がありましたら是非今週土曜日のワールドビジネスサテライトを見てみてください、という宣伝でした。どういう感じで使って頂けるかは分からないんですが・・・(汗))

 ちなみにR30さんの記事を読んで、あらためて以前高広さんが、コンテンツの摂取形態には、ライブ、タイムシフト、オンデマンド、デリバリーの4種類しかないと発言されていたのを思い出しました。
 現在のテレビって基本的にライブしかないわけですが、そこはR30さんが指摘するように「テレビにはテレビというチャネルしかない」というのが、大きく影響していたように感じます。
 テレビ局の事業は、「コンテンツを電波でライブ配信してなんぼ」と考えている限り、それ以外の方法を考える必要が無いわけですよね。

 ただ、今回取材を受けて驚いたのは、テレビ局の方々が、このライブという一回だけの放送のために、かけている手間の大きさ。
 今回の私の取材だけでも事前打ち合わせとセミナー会場、実際の取材と3回も時間を割いていただきましたが、実際に電波に乗るのはしょせん数十秒程度でしょうから、実に贅沢な話。

 貧乏性の私からすると、せっかく時間をかけて作成したコンテンツなんだから、二度三度とおいしい仕組みを作れば良いのに・・・とか思ってしまうんですが、結局のところライブ配信だけで十分儲かるからあれだけのコストをかけられるということなのかもしれませんね。
 儲かっている限りは、無理して他の事業をやらないというのは、ある意味では悪い選択肢ではないような気もしてきます。
 (あくまで現状の事業の利益が維持できるという前提においてですが)

 まぁ、実際問題、オンデマンド配信が事業として定着するまでには相当時間がかかりそうな印象もあります。
 音楽配信も、各事業者が様々な方式でバラバラとやっていたときは、ほとんど鳴かず飛ばずでしたが、今の動画配信事業の状態はその当時を彷彿とさせます。

 先日「ネット動画配信は成功するのかしないのか」というのを書きましたが、そういう意味では湯川さんが「求められているのはネット配信じゃなくてオンデマンド」という記事で書かれているように「フジテレビや日テレがやろうとしていることは、その方向に向けての最初の一歩ということになる。この段階では大きな収益を上げることは不可能だろうから、今後はコンテンツ提供者の囲い込みが焦点になるはず。」というのが現状の正しい認識なんでしょうね。

 音楽配信においては、Appleが圧倒的な品揃えの豊富さと、1曲1ドルという低価格、さらにiPodという配信インフラの3点セットで一気にブレイクした感があります。
 動画配信においても、同様の3点セットが必須になるだろうとつくづく感じてしまいますが、はたして動画配信がそういうポイントを迎える時には誰が業界をリードするんでしょうか・・・やっぱTivoかな・・・

 (ちなみに先日の記事へのコメントで教えていただきましたが、HDDレコーダー版iTunesのようなモデルは東芝やパワードコムが共同で「ひかりdeDVD」というサービスを試していたりするそうです。これって評判はどうなんでしょうね?)

競合事業者への転職を本当に契約で阻止できるのだろうか?

マイクロソフト、グーグルを提訴–主要研究者の引き抜きをめぐって – CNET Japanを読んで。

 マイクロソフトがGoogleに転職した元幹部を訴えたそうですね。

 先日、マイクロソフトの広報ブログ責任者がスカイプに移ったニュースを紹介しましたが、「ここ数カ月の間にも複数の著名なMicrosoft社員がGoogleに移っている」そうで、どうもマイクロソフトはすっかり草刈場になってしまっているみたいですね。

 マイクロソフトも堪忍袋の尾が切れたのか、今回はGoogleと元幹部を競合禁止制限事項の違反にあたると訴えているようです。

 なんでも、根拠となっているのは、その元幹部の方がマイクロソフトに入社するときに交わした契約書。
 非競争事項と呼ばれる機密情報を入手できる立場にある社員を直接競合する事業者に転職しないように約束した項目がポイントになるようです。

 そういえばこの手の契約って良く聞きますが、実際に訴訟でどの程度防げるものなのかは良く分かりません。

 
 そもそも、ヘッドハンティングを受けるというのは、その人材に何かしら魅力があるからなはずですが、一般的にその魅力って総合職でもない限り業界の専門知識が大きく効くはずで。
 そういう意味では、そもそもこの手の主要人材の場合、転職先って同業種しかありえないような気もします。
 実際、社員がお客さんごと競合に移ってしまったなんて話は、別に良く聞く話ですよね。

 まぁ、今回のケースはマイクロソフトからするとよっぽど許せないケースということで訴訟に至ったんだと思いますが。
 ネット業界なんて、ほとんどの会社が競合のようにみなすことができますから、もしこの手の条項が厳密に適用されると、主要人材は入社時の踏み絵で一生縛られる・・・みたいな話になりかねないような・・・それはないですかね。

 
 ただ、こうやって訴訟とか振りかざして北風政策で縛ったところで、結局のところ出て行く社員は出て行くでしょうから、いかに社員が残りたがるような魅力的な会社でいることができるかというのが、これからどんな会社でも重要なポイントになってくるんだろうなぁ・・・と思ってしまいました。
(最初からそれができれば苦労はしないんでしょうけど)

ネット動画配信は成功するのかしないのか

フジテレビ、番組の有料ネット配信を本格化–提携複数もライブドアおあずけ – CNET Japanを読んで。

 フジテレビと日本テレビが立て続けに番組の有料配信に関する発表を行っていますね。

 ネットを通じた動画のネット配信、いわゆるビデオオンデマンド的なサービスは、インターネット以前のいわゆるマルチメディア時代からキラーコンテンツだと言われ続けて未だに大きな成功例が無いまま現在に至っている感があります。

 何と言っても、良く言われるのは「ネットの動画配信は採算が合わない」という点。人によってはインターネットで動画配信は流行らないとばっさり切る人も多いようです。

 ただ、個人的にはこの部分はあくまでいつか技術が解消する点だと信じてます。
 実際、ネットを通じた音楽配信についても同じような議論があった時代がありました。インターネット初期に音楽配信をビジネスにしようとして数々の事業者が失敗したり、鳴かず飛ばずだったりしましたが、それを踏み台として現在のAppleのiTunesの成功があります。

 動画配信においては、音楽ファイルに比べてもはるかにファイルサイズが大きいというハンデがありますから、そもそも設備投資が巨額になるため採算ラインが高くなります。
 おまけに関係者に話を聞いた感じだと、これまでネットで配信されていた動画コンテンツは、ISP事業者やポータル事業者がかなり高額で仕入れてしまったため、更に自ら採算ラインを上げてしまっていたのが実情だったようです。

 インフラも高いし、仕入れ値も高いでは、まぁもともと成功する確率は下がってしまうわけで、そりゃあ失敗するよなぁと言う話ですが、その失敗がトラウマになって再挑戦する意欲を失っている事業者も多いようですね。
 

 ただ、ここに来てUSENがGyaOで無料動画配信を行ったり、民放の主力が本格参入と風向きが変わって来ている感じがあります。
 そもそも、コンテンツホルダー自体が自主的に事業を行うのであれば、コンテンツの仕入れ値についてはコントロールが可能なわけでそもそも優位なわけで、そこに配信技術の向上によるコストの低下が追い風になっているのでしょうか。

  
 ちなみに、個人的には配信時のインフラの安定性が高く求められるストリーミング配信よりは、非同期で再生できるダウンロード型配信の方が有望だと思っていますが、日本ではフジといいUSENといい、ストリーミング配信が主流のようですね。

 フジテレビはISPと提携することで、インフラの安定度を確保する形で配信するということなんでしょうが、どうなんでしょう?

 iPodとiTunesの組み合わせの成功例にならうのであれば、現在急速に普及しつつあるHDDレコーダーに有料でコンテンツをコピーできるモデルを組み上げた方が良い様な気もするんですが・・・難しいのかな・・・

公衆無線LANサービスは3年ぶりに日の目を見るのか

NTTグループ、公衆無線LANサービスのインフラを統合 – CNET Japanを読んで。

7月1日には、ソフトバンクBBが2002年5月からの3年を越える長期にわたった試験サービスをようやく終了して商用サービス開始を検討する旨のリリースを出していたと思ったら、今度はNTTグループが複数あって分かりづらかった公衆無線LANサービスのインフラを統合するというニュースです。
(ただ、よく読むと最大のスポット数を誇っているはずのNTTコミュニケーションズのホットスポットは別のようなので、NTTグループで完全統合というわけではなさそうですが)

ソフトバンクの商用サービス開始に当たっては、Broadband Watch編集部ブログで甲斐さんが、「先ごろ発表されたライブドアの公衆無線LANサービス「D-cubic」の影響があったのでしょうか」と書かれていますが、ライブドアが公衆無線LANサービスのD-cubicを発表してからはや一ヶ月がたとうとする中、確かにどう見ても刺激を受けたとしか思えない展開ですね。

何しろ公衆無線LANサービスの事業開始ブームが通信事業者を中心に巻き起こったのは、もう3年も昔の話。
ライブドアのリリースまでは、公衆無線LAN業界はほとんど無風に近い状態が長いこと続いて来ましたから、このタイミングでソフトバンク、NTTグループと動きが出てきているというのは誰がどう見てもライブドアの影響でしょう。

ちなみに、海外では世界の公衆無線LANサービスをまたいで使えるBoingoという事業者がSkypeと提携しモバイルIP電話サービスを発表して注目を浴びていたりもしますし、ここに来て俄然公衆無線LANサービスが熱い感じですね。

まぁ、斜めに見れば今回も3年前と同様、話題だけに終わってしまう可能性もあるわけですが、公衆無線LANサービスに個人的にちょっと期待してしまうのは、やはり標準規格がすでにある程度成立している点。

現在の日本の携帯電話事業は、基本的に端末からサービスまで垂直統合型で一社提供になっていますから、キャリア毎に利用者は完全に取り込まれてしまうものです。

ところが、これが公衆無線LANサービスであれば、利用者が利用する端末は事業者独自のものではなく、業界標準に準拠したものを柔軟に利用することが可能。
同じ端末で違う事業者のサービスに手軽に変更したり、複数のサービスを併用するということが可能なわけです。

例えば、NTTドコモの利用者が、今使っている電話番号や携帯電話端末、それに利用しているサービスそのままにauに変更することはできません。電話番号は来年ナンバーポータビリティによって移動が可能になりますが、しばらくは端末等は事業者独自という路線のままでしょう。

それが、公衆無線LANサービスの場合には、仮にライブドアのD-Cubicを使ってSkypeで電話サービスを利用していた人は、ヤフーBBやNTTグループの公衆無線LANサービスに切り替えたとしても利用している技術は大体同じですから、普通はそれまで使っていた端末やSkype等のサービスはそのまま利用することができるようになります。

実際、上記のBoingoというサービスは、世界の公衆無線LAN事業者のサービスをローミングするようなサービスで、標準規格が決まっているWiFiならではのサービスだといえるでしょう。

これって事業者の視点から見ると、ADSLのような固定通信事業と同様に、利用者が強く事業者が儲からないビジネスになりそうなので、避けて通りたい道だとは思いますが・・・

ちなみに、ライブドアのD-Cubicに関連して日経コミュニケーションズで公衆無線LANの特別編集記事が掲載されていますので、興味のある方はこちらをどうぞ。