Yahoo!のFlcikr買収に見る、つながりによる顧客囲い込み

ヤフー、写真共有サービスサイトのフリッカーを買収 – CNET Japanを読んで。

 かなり前からヤフーが写真共有サービスのFlickrを買収するのでは、という噂がありましたが、本当だったようですね。

 ヤフーといえば先週、Yahoo!360°というブログとSNSを組み合わせたようなサービスのβテスト参加者募集を始めたばかりですから、なんとも矢継ぎ早の打ち手です。

 以前FPNでも、ブログやSNSのような利用者が情報を作成するCGM的なサービスが増えてくると、現在のポータルのようなトップページにバナー張っていくらというビジネスモデルは破綻するのでは?と言う議論がありましたが、結果的にはCGM的な新しいサービスを次々とポータルが買収して取り込んでいくという流れになりつつあります。

 はたしてこれにより、ヤフーのビジネスモデルがどのような変化を見せるのか、という点についてはLog the Endless Worldの御手洗さんが「遍在型サービスとポータルの融合と今後の道」という記事で考察されており、興味深いです。

 また、御手洗さんのブログでも紹介されているヤフーの井上さんの「エッセンシャル・サーチエンジン」では、Ajax的な手法の広がりによってPVの概念が壊れて広告ビジネスの手法が変わるのでは?という点が指摘されており、ポータルビジネスが転換点に差し掛かりつつあることを感じます。

 その関係で、個人的に、Yahoo!360°の記事で印象的だったのはヤフーのバイスプレジデントの、当面は広告を追加する予定が無く「まずユーザーをくぎ付けにすることに注力している」という発言。
 
 無料で利用者に提供する上に広告も追加しないのであれば、収入に対してポジティブな影響は何も無いわけですが、これらのサービスはとにかく顧客囲い込み効果に注力ということでしょうか。
 おそらく今回買収したFlickrに対する期待も(Flickrには有料サービスもありますが)同様の点があることが想像されます。

 もちろん、日本のヤフーのYahoo!メールやカレンダー、フォトにブリーフケースのようなサービスに見られるように、利用者に無料で様々なサービスを提供して、それを梃子に自社のポータルに囲い込むと言う手法自体は別に新しいものではありません。

 ただ、それらと比較しても「他の利用者とのつながり」が発生するサービスの囲い込み効果は抜群です。 
 例えばYahoo!フォトやブリーフケースのような、基本的に自分だけで使うサービスは比較的簡単に移動することができます。
 Yahoo!メールやオークションのような他の利用者とのつながりがあるサービスが他に移りづらいのとは対照的です。

 これがSNSのような登録者同士のつながりが目的であるサービスにおいては、さらに影響が大きく、登録者の数がそのままその場の価値につながります。
 逆に、急成長するmixiやGREEの後に、雨後のたけのこのように登場したSNSが苦しむのも当たり前。
 登録者が増えないと言うことは、即そのサービスの価値が低いことを意味してしまうわけで、後発のサービスは自然と苦労する仕組みになり間す。(もちろん業界特化などニッチに生きる手はいくらでもありますが)

 これはFlickrやdel.icio.usのようなフォークソノミー系のサービスも同様。利用者が少なければ、結局他の利用者と画像やブックマークでつながったりする価値や面白さも少なくなってしまうわけで、現段階でYahoo!が現在最も人気がある写真共有サービスであるFlickrに目をつけるのは当然といえるでしょう。

 写真共有サービスと言う軸だけで言えばYahoo!フォトという自前の写真共有サービスがあるにも関わらず、Yahoo!フォトの機能拡張ではなくきっちりFlickr買収という選択肢を取った背景には、そういった「つながり」を重視した利用者の囲い込みと開発能力の確保を同時に実現できるという点があっただろうと感じます。

 まぁヤフーの企業体力を考えれば、無料サービスで確固とした地位を確保してから、ゆっくりと広告ビジネスの展開を始めれば良いわけで、この手の企業と競合することを考えればその参加に入ることができたFlickrの選択もこれまた正しいといえるでしょう。

 個人的にはネット上に登場する面白いサービスが、結局次々と大手ポータルに吸収されてしまうのにちょっと寂しいものを感じてしまいますが、これも当然の流れなんでしょうね。
 はたして次の買収劇は、どことどこなのか・・・

日本の参加型ジャーナリズムは、遅れているのか種類が違うのか

Proving grounds of the mad over logs: 参加型ジャーナリズムの時代を読んで。

 先日、GLOCOMで開催された湯川さんの参加型ジャーナリズムに関するセミナーを聞いてきました。
 当日の概要は上記のmakiさんの議事録と、H-Yamaguchi.netの山口さんの記事で丁寧にまとめられているので是非ごらんいただくとして。

 個人的に気になっているのは、makiさんがキーポイントとしてあげられている3点目、「参加型ジャーナリズムはいかにして信用を得るのか」という点。

 ことこの点に関しては、参加型ジャーナリズムを巡る状況は、日本と、米国や韓国などの海外で、非常に大きな違いがあるような気がします。

 米国の大統領選挙でブロガーが重要な役割を果たしたのは有名な話ですが、なんでも米国ではブロガーにプレスパスが発行されるほどになっているそうで(しかもリンク先の記事は2004年6月のもの)、日本では考えられない状態だと言えるでしょう。
 丁度、Ad Innovatorには「MediaPostが選ぶ100人の注目すべきメディア関係の人たちの中に7人のブロガーが入った」という記事が紹介されていますし、メディアパブで紹介されているBlogadsのアンケートでは多くの人がテレビなどの既存メディアよりも「ブログの情報の方が信頼できる」と回答しています。
 もちろん、ブロガーに対するアンケートなので偏りは明らかですが、それにしても高い結果です。
 
 日本で同様のアンケート結果がないので、比較の仕様は無いのですが、肌感覚としては明らかにブログに対する信用度には大きな差があるように感じます。

 まぁ、良く日本は米国に数年遅れると言われてきましたが、ことこの問題に関しては単純な時間の問題ではないような気がしますが、どうなんでしょう?

 もちろん、先日裏編集後記のAsainaさんが書かれていたように、日本でも確実に既存メディアの「マスコミ特権」の領域が縮小しているのは間違いないとは思うのですが、はたしてこの境界線が米国や韓国ほどネット側有利に進むのか、どうも良く分かりません。

 そういう意味で、やはり個人的に重要だと思っているのは、makiさんがかかれている「単体のブログの確からしさ」をいかに表現できるかなぁと感じます。

 毎日星の数ほど生まれつつあるブログの記事ですが、結局数が増えれば増えるほどゴミ情報も増えるわけで、たまたま検索やリンク経由で良質なブログに遭遇したとしても、そのブログを信じられるかどうかは結局運次第。
 タダでも日本はリアルとネットの間の溝が深い気がするので、そのブログの評価を第三者がしてくれる何かがあると良いような気もするのですが・・・こればっかりは、結局は自分で判断するしかないんでしょうね。
 まぁ、山口さんが書いているように結局は「利害の配分」の問題なので、影響力のあるブログは、信用も自然とあがるのかもしれませんけど・・・どうも良く分からないです。

 はたして、時間とともに日本も米国と同じようになるのか、技術の進化が解決してくれるのか、それとも日本はこのままなのか。
 どうなんでしょう?

実はモバイルの大本命?ウィルコム音声定額サービス発表

月額2900円で5月から–ウィルコム、音声定額サービスを正式発表 – CNET Japanを読んで。

 先日、NTTドコモがPHS事業からの撤退を発表したばかりですが、同じPHS事業者であるウィルコムは、逆に積極的な攻めに出てきました。
 
 まぁ、音声通話定額制の導入自体は2月にリーク記事が出ていましたから、家族内通話無料ぐらいはやってくるだろうなぁと思っていましたが、どうもいきなり全端末を対象とする音声定額サービスを開始するようです。
 何でもバックボーンのNTTのISDNから光ファイバへの切り替えの目処がついたのが大きく影響しているそうですが、ドコモの撤退でイメージが悪化しかねないPHSサービスのブランドを好転させるには十分過ぎる打ち手という印象です。

 個人的に驚いたのは、基地局展開も2006年3月に人口カバー率99%を超えると言う点。
 いつのまにか着々とエリアを広げていたんですね。知りませんでした。

 まぁ人口カバー率というのはあくまで「人口」であって「日本の土地」ではないので、当然山奥などでは電波は入らないのですが。都市を中心に生活している人なら十分なレベル。
 長電話をすることが多い人にとっては、実に魅力的なサービスと言えるでしょう。

 最近特にメディアの方や通信業界の方と話をすると、実はモバイルの本命はウィルコムじゃないか、なんて話をすることが多かったのですが、ますます目が離せない存在になりましたね。 

 
 ちなみに、現時点ではウィルコムの利用者は所詮300万程度。
 自分が電話をする相手もウィルコムに変更してもらわないといけませんから、いきなり顧客が携帯電話からウィルコムに大量に流出することは少ないかもしれません。

 ただ、中国では携帯電話の市場を、低コストを武器にしたPHSが、徐々に侵食し始めているという話もありますし、日本で同じ事がおこらないとは言い切れません。

 先日、モトローラのSkype搭載で、携帯電話業界も三途の川を渡るか、という記事を書きましたが。どうもSkypeの無線対応を待つまでも無く、今回のウィルコムの音声定額サービスが、携帯電話事業者にとってのパンドラの箱になりそうな雰囲気です。

 もちろん他の携帯電話事業者は、間違いなくしばらく静観の構えを見せるでしょうが、顧客の流出が止まらないボーダフォン辺りがたまらず追随したりすると、歯止めが利かなくなりそうな予感がします。

 これで、ウィルコムをソフトバンクが買収して、BBフォンとの相互無料通話を実現してしまったりすると、更にえらいことになってしまいそうですが・・・

 番号ポータビリティの導入を控えて、携帯電話業界は当分目が離せそうにありません。

ZDNet復活と、アイティメディアの3部門化にみるニュースサイトの変化

アイティメディア、9月よりビジネスとコンシューマを分けた3部門体制へを読んで。

 CNET Japanが4月にオープンする「ZDNet Japan」のオープニングキャンペーンを始めたと思ったら、今度はもともとZDNetで、先日@ITと合併したITmediaが、9月からビジネス向けとコンシューマ向けにサイトを分けると発表しました。
 まぁ、おそらくはソフトバンクとZDNetの契約期間が影響しているんだと思いますが、なんとも最近のIT系オンラインメディアの動向は、ややこしいですね。

 IT系オンラインメディアの読者が、ここ数年で急増しているとはとても思えないのですが、サイトの種類が増えているように見えるのは気のせいでしょうか。

 どうもこの辺りは「企業向け」という点にキーワードがありそうです。

 過去にソフトバンクが運営していたZDNetは比較的コンシューマー向けの印象が強かったですが、CNETが始める新しい「ZDNet Japan」は「エンタープライズコンピューティングの総合情報サービスサイト」とのことですから、企業エンジニア向けのようです。
 また、ITmediaのサイト分離も、現在のコンテンツにコンシューマ色が強いことを考えると、明らかに企業向けのサイトを独立させることに目的がありそうです。
 
 と思っていたら、この辺の事情が裏編集後記の「なぜ客が1/10しか来ないところに力を入れるのか」という記事で推測されていました。 
 ポイントを引用すると下記の通り。
「広告がきっかけで導入検討がされ、販売され、最終的にどれだけ収益につながるなるか、つまり費用対効果を考えると、エンタープライズの方が上だからだろう。」

 つまり、10倍のページビューがあるコンシューマ向けサイトよりも、エンタープライズ向けサイトのほうが広告価値が高いということ。
 確かにわざわざエンタープライズ向けサイトの記事を読んでいる人と言うのは顧客属性としても既にかなり絞られていますから、購入につながる可能性も高いのかもしれません。

 この辺りには、もう一つ全体の情報量に締めるニュースサイトの割合と言うのも大きく影響してそうです。

 以前AllAboutのガイドの方とも話題になったのが、コンシューマ向け最新製品のレビューを追いかけることの大変さ。
 流行り廃りはあるし、日々新製品は登場するし、全部レビューするひまなんて当然ありません。

 おまけに、これらの製品はコンシューマー自体が購入して利用するわけですから、利用者自身がまた情報発信を行えます。
 そうすると、どうしても口コミを利用したカカクコムのような評価サイトや、アフィリエイト目的でレビューを書くブログの集団のほうが圧倒的な情報量を誇ってしまうわけです。
 いくらニュースサイトが質を追求しても差別化を図っても限度があるというものでしょう。

 それに比べてエンタープライズ向け製品は、個人レベルではなかなか評価もできないし、専門の方で無い限り複数の製品の比較なんてほぼ無理。
 広告主である企業も、個人サイトにはあまり広告を出しても意味がありませんから、自然とニュースサイトに頼ることになりそうです。 
 そう考えると、現在の流れは当然のようにも思えてきます。

 ただ、気になるのは果たしてそんなに複数の「企業向け」サイトが並存できるのかどうか。
 企業向けサイトの読者候補は日本にそれほどいないでしょうから、よほど差別化しないとどれも中途半端に終わってしまうような気もしますが・・・どうなるんでしょう?

SkypeInでP2P電話が普通の電話になる日

P2P電話「Skype」の最新ベータ版、SkypeInやVoicemailなど新機能搭載を読んで。

 P2P電話のSkypeに、いよいよ待望のSkypeInサービスが開始です。

 SkypeInとはSkypeに固定電話の電話番号を付与することがサービスで、SkypeInを契約すると利用者は普通の電話からの電話を受けることができるようになります。

 つまり、これでSkypeは普通の電話と同様、他の電話にかけることも、他の電話からの電話を受けることもできるわけで、機能的には一般の電話と変わらないレベルに来たと言えます。

 さらに特徴的なのが、SkypeInには留守番電話サービスが標準でセットになっていること。

 SkypeはPCで利用するのが一般的なソフトフォンなので、当然PCの電源を落としているときには電話を受けることができません。
 それじゃあ実用としては使い物にならないと思う人も多いことでしょう。
 ところがSkypeIn契約者の場合は、留守番電話サービスがあるので、PCの電源が落ちているときには留守番電話にメッセージを入れることができます。

 技術に詳しい人はP2Pなのに何でそんなことが?と逆に驚かれるかもしれませんが、種明かしをすれば簡単。
 この手の新サービスは全てSkype社のサーバーが提供しているサービスなわけです。
 単純に考えれば、携帯電話にも携帯電話自体の留守番電話機能と携帯電話事業者が提供する留守番電話サービスがあるのと同じ事ですね。

 サービス開始当初のSkypeは、設備投資がほとんどいらないP2P技術の特徴を生かして、完全無料のソフトウェアを展開することで大勢の利用者を確保していましたが。
 いよいよ、リスクを取ってサーバー投資にも力を入れ、幅の広いサービス展開を進めるようになったというのが現在のSkypeの状況でしょうか。

 SkypeOut,SkypeIn,Voicemailなどは全てSkype社のサーバーで展開されるサービス。
 そのほかにも今回のバージョンアップでは、Central Contacts Listという家と会社のPCでSkypeのフレンドリストを同期できるようになっており、おそらくこれもサーバーで同期を取っていると推測されます。

 当初は無料で利用者を増やし、その利用者数を梃子に細かい付加サービスで収入を確保すると言う手法は、実は昔のYahoo!やGoogleの広告モデルもそうですし、最近のブログ事業者やmixiなども同じ。
 そういう意味では極端に珍しい手法ではないのですが、SkypeはP2P技術を上手く活用し、その手法を電話サービスという有料が当然の世界に持ち込んだのが、コロンブスの卵だったと言えるかもしれません。
 
 
 ちなみに利用者の立場からすると、PCの電源が落ちている≒どうせ席にいないので電話に出れない、ということなので、SkypeInを契約すれば個人専用電話番号+ボイスメール環境が整うわけで、いわゆる企業向けのダイヤルインとボイスメール並みの効果を得ることができます。
 しかも料金はたったの年30ユーロ。

 当然、これまでどおりSkypeの利用者同士は完全無料通話をエンジョイすることができますから、いよいよSkypeが既存の電話サービスに本格的に牙を剥いたと言ってもいいかもしれません。

 
 まぁ、しかし残念なのは固定電話の番号が現在許可されているのはアメリカ、イギリス、フランス、香港のみという事実。
 BBフォンなどのIP電話では日米間の電話料金は格安ですから、アメリカの番号でも使えないわけでもないですが、やはりちょっと実用には難しいですね。
 当面は、海外とのやり取りが多い人向けのサービスと言えるでしょう。
(ちなみにGoing My Wayのkengoさんは早速San Joseの番号を取ったようですし、私もとりあえず申し込んでみましたが。)

 総務省がSkypeに050番号を許可するかどうかは以前グレーですから、iTunesと同様、日本はしばらくネット鎖国状態が続きそうですね。(iTunesはそろそろサービス開始のはずですが・・・)
 ブロードバンド大国と言いつつも、こうやって最先端のサービスから毎回置いていかれるのは、ちょっと悲しい気がします。

GrooveのトップがMicrosoftのCTOになるということの意味

ロータスノーツの生みの親、マイクロソフトCTOに就任へ – CNET Japanを読んで。

 MicrosoftがGrooveに出資して以降、いつかGrooveがMicrosoftに取り込まれていくだろうと言うのは多くの人の見方でしたが、思ったよりも早く買収される形になりましたね。

 ビル・ゲイツがロータス・ノーツの生みの親であるRay Ozzieを高く買っていると言うのは昔からの噂でしたが、記事にも「長年、Rayと、彼が率いるチームを迎え入れたいと考えてきた。今回、その願いが実現することになり、とても嬉しく思っている」とビル・ゲイツの発言が紹介されており、三顧の礼で迎え入れたとでも言うべきところでしょうか。

 ちなみに「マイクロソフトCTOの就任」という見出しが躍っているため、おどろきのコメントをされている方が多いようですが、ちょっと細かく見ると事情は複雑です。

 まず、マイクロソフトのテクノロジーのトップは実質ビル・ゲイツですから、マイクロソフトのCTOがいわゆる普通の会社のCTOとは格が違うのは明らか。
 おまけにマイクロソフトにはすでにCTOがいます。
 しかも二人も。(Craig MundieDavid Vaskevitch

 まぁ巨大な会社だから役員が多いのは当然なのですが、要はCTOというのは「最高」技術責任者ではなく、技術執行役員の一人ぐらいの位置付けということになります。
 記事にも書いてあるように、「Ozzieは以前CNET News.comとのインタビューのなかで、独立を保ち株式公開にこぎ着けることが同社の当初からの意向だ」と述べており、今回の買収は明らかに当初のプランからは外れています。
 まぁ、いろいろな取引があったことは想像されますが、過去にMicrosoftが追加出資を決めた後にLotus1-2-3の生みの親にあたるMitchell Kaporが退任したなんて事もありましたから、今回Ray Ozzieがマイクロソフトの政治の中でどういう地位を占められるのかも注目したいところです。

 
 ちなみに、これでますます数が少なくなってしまったP2P業界の企業に生きる人間としての最大の興味は、今後GrooveのP2Pならではのコラボレーション機能がMicrosoftのOffice製品やOSとどのように生かされていくのか。
 
 Ray OzzieがMicrosoftの社内政治に直面するのと同様に、Grooveの技術も今後既存のMicrosoftの技術やロードマップとのすり合わせの苦しみに直面するであろうことは容易に想像がつきます。

 Forrester Researchアナリストのみたてでは、次期バージョンにはもう間に合わなさそうな雰囲気ですが・・・どうなるんでしょう?