[IM]職場でのIM利用が増加–2008年までに倍増の予測 を読んで

職場でのIM利用が増加–2008年までに倍増の予測 – CNET Japanを読んで。 

 あくまで米国のリサーチ結果だが、「インスタントメッセージ(IM)を利用する企業ユーザーの数は、現行の3億6400万人から、2008年にはほぼ2倍に増加する」らしい。


 まぁ、それは良いとして個人的に注目したいのは「6億7000万人と見込まれるユーザーの88%が、ビジネスに特化したIMソフトよりも、一般的な無料のIMアプリを選ぶ」と予想されている点だ。

 同時期にAOL、職場IMユーザー向けの新サービス発表というのがあることを考えると、なかなか興味深い結果だ。

 MicrosoftやLotusを始め、ソフトウェアメーカーは企業向けに有料IMを販売するモデルを描いているが、このリサーチ結果を見る限り利用者は無料のIMで十分だと考えていることになる。
 
 企業向けにいろいろと細かい管理機能を加えていけば、もっと多くの企業が購入意向を示すだろう、という人もいるかもしれないが、個人的にはネガティブだ。
 
 そもそもメールソフトを見れば分かるように、別にコミュニケーションソフトはコミュニケーションさえできれば他の付加機能は案外不要だったりする。
 もちろん、便利な機能があるのは誰でも歓迎なのだろう、それに費用を出すかどうかというと大半の人が出さない。そもそも使いこなすのが大変だし。

 じゃあ企業向け有料IMシステムは全く売れないかというと、個人的にはもう一つのシナリオを想像してしまう。
 このまま無料IMにどんどんコンシューマー向けの遊び機能を増やしていけば良いのだ。
 ゲームに占い、しばらく置いておくと強制的に話し掛けてくる人口無能なんかも良いかもしれない。
 明らかに仕事の邪魔になる機能を中心に増やすのが良いだろう。

 そうするとどうなるか?

 企業のシステム部門は、無料IMの利用を強制的に規制せざるを得なくなる。
 そうやって無料IMは企業では使えないような環境にしておいて、正面からシステム部門に企業向け有料IMを売り込めば良い。
 自分で泥棒をしておいて、鍵を売りつけるようなもんだが、こうでもしないと企業向けIM市場は広がらないのではないだろうかと思ってしまう。

 なんだか最近のIMソフトの無駄な機能追加の多さは、このシナリオが案外冗談でもないような気にさせてくれる。

[Blog]7月4日にアフィリエイト本が出版されます♪を読んで

「アフィリエイト徹底活用術」表紙に感動の初対面♪を読んで

 じつはここ最近、周りの知人が書籍を出すということが多い。


 まず、会社でマーケティングのアドバイスをしていただいた岡村さんの「ロンおじさんの贈りもの―30日間ビジネス・レッスン」

 ブランディング研究会でお会いしたPRコンサルタントの高橋さんの「宣伝費ゼロ時代の新しいPR術」

 そして冒頭でリンクした和田さんの「ホームページが楽しくなる!アフィリエイト徹底活用術」

 さらに和田さんのブログには、エイジさんの「金策冒険家」という本が紹介されている。(直接は存じ上げないが)
 ちなみに、前職の社長さんも先月本を出したらしい。
 (こちらも当然直接お話したことは無い)

 私が転職した関係で知人の層が変わったからなのか、たまたま書籍を出すタイミングが重なっただけなのか、まぁそれ自体はどうでもいい話だが。

 個人的に最近良く感じるのは、「個人」というものの力が強くなっているという点だ。
 一昔前なら、書籍は「特別な人が出すもの」というイメージが強かった。
 もちろん、上記の方々が特別ではないという意味ではないが、昔は「大前研一」とか「堀紘一」とか本当に売れっ子ライターとか有名企業の社長さんとかの書籍がほとんどだったように感じている。

 情報起業家という言葉も一部で流行っているようだが、情報発信という力がインターネットによって個人のレベルに降りてきているのは間違いないだろう。
 メールマガジンやブログに、その現象が表れるのはある意味当たり前の話だが、その流れが旧来の情報産業である書籍に戻ってきているというのを感じてしまう。

 なんでも、固定の読者を持っているメルマガのオーナーが書籍を出すといえば、購入者数が想定しやすいため出版社も気軽にOKするらしい。
 ネットでの固定ファンや口コミの効果を出版社も認めているということだろう。

 今回和田さんが出す書籍のテーマであるアフィリエイト自体が、その口コミの仕組みを更に加速化させていることは間違いない。
 和田さんが書籍を出すこと自体、実はGREE経由でブログを見つけて知ったのだが、書籍の著者が出版前からブログで書籍の経緯や小ネタを紹介しているというのはまた面白い取り組みだな~と思う。

 ただ、アナログの書籍を出版することも、デジタルのメルマガやブログを発行・掲載することも、基本的には読者に情報を発信するということでは同じ行為なのだから、これからは双方の手段の併用や融合はますます進むのだろう。

 とりあえず本を読んで勉強しよっと。
 (それぞれの本にサインをもらおうと画策している今日この頃)

 一応それぞれの本の詳細を紹介。
 (ちなみにこのG-Toolという仕組みを作られているのも、先日知り合った人だが同じく一個人での開発だったりする)

ロンおじさんの贈りもの―30日間ビジネス・レッスン
岡村 勝弘発売日 2003/12売り上げランキング 14,753Amazonで詳しく見る4939051250

宣伝費ゼロ時代の新しいPR術 低予算で商品や会社を知らしめる知恵と方法 KAWADE夢新書-
高橋 眞人発売日 2004/02/22売り上げランキング 4,305Amazonで詳しく見る4309502849

ホームページが楽しくなる!アフィリエイト徹底活用術
和田 亜希子発売日 2004/07/03売り上げランキング Amazonで詳しく見る4798107255

[SNS]日経新聞と産経新聞に掲載されました を読んで

GREE Blog: 日経新聞と産経新聞に掲載されましたを読んで。

 ついにSNSも日経や産経に取り上げられるほどの社会現象になったのだろうか?


 いや、田中さんも書いているように「実際の利用者数よりメディアでの過熱感の方が大きい」というのが実際だろう。
 
 まぁ正直なところ現在の登録者数から考えれば、社会現象には程遠い。急速に登録者数が増加しているGREEですらまだ4万人だ。
 ただ、SNSが急速に拡大しており注目のサービスであることは間違いない。

 SNSに対する人の反応は様々だ。
 米国のSNSを表現する際にはよく出会い系と表現される。Orkutなどでは自分の細かい趣味や好きなものを設定する。宗教から性的嗜好まで日本人からすると恥ずかしいものも多い。
 大手メディアの取り上げ方もその延長が多い気がする。匿名掲示板の問題が取りざたされていることも影響しているのだろう。
 ビジネス人脈サービスと定義されることも多い。

 ただ、私がGREEに対して受けた印象も、大きく異なる。
 正直いうと、私がインターネットに昔から求めていたものはこれだった。

 簡単に言うと「友達とのつながり維持」サービスだ。
 昔から転校が多かった私は、友達と連絡を取りつづけることがいかに大変かと思っていた。
 電子メールに出会って、これからはこれで友達をなくさないと思っていたが、社会人になって転職してからも頻繁に変わるメールアドレス帳の管理が大変だ。

 それがGREEにお互い登録していれば、友達としてつながっている感覚を得られるだけでなく、実際にサービスを利用している限り見失うことは無い。
 これでアドレス帳管理ともおさらばだ!

 
 さらにGREEのようなサービスが優れているのは、単につながりを作るだけでなく、リアルな関係をフォローしてくれる点である。

 我々の時間は限られている。
 友達を増やせば増やすほど、一人一人と真剣に話をできる時間は減っていく。久しぶりに飲み会で会って、近況報告をしあうだけで終わりということも良くある話だ。
 これがGREEのようなブログと連携しているサービスであれば、その人のブログを通じて近況を把握することができる。
 名刺交換をしただけの人も、次に会うまでに相手のブログや趣味の登録を見ておけば、次回に再度話題探しから始める必要は無い。
 

 そういう意味では、私はGREE上で新しく他人と出会えること自体にはあまり魅力を感じなかった。
 確かに人間関係が可視化されていることにより、「あの人とあの人が知り合い!?」というような楽しさはあるが。
 ただ、実際にGREEを通じてGREE上で友人になっている人もいるようだから、そういう意味では私の見方も偏っているのだろう。

 面白いのは、GREEに招待しても全く興味を持たない人も同じくたくさんいるという点だ。
 そういう人は、自分の交友関係を無理やり広げたいとか、自分の手の届かないところの人たちと無理に付き合う必要はないと考えているようだ。
 いつも大体同じ人と出会い、それ以外の人は年賀状のやり取りか、同窓会で会うぐらい。
 まぁ、これまでがそうだったのだから、それが一般的なのかもしれない。

 果たして、このサービスが今後どのような展開をたどっていくのか想像は尽きない。機会があれば是非田中さん達にもそのあたりを聞いてみたいと思うが、今後開発した人すら想像しなかったサービスになる可能性も非常に高いといえるだろう。
 

 あいかわらずまとまりの無い書き込みになってしまったが、GREEを開発した田中さん、広げる過程におられたみなさん、直接招待してくれた渋谷さん、私が必要としていたサービスをありがとう!
 今後ともよろしう。

[P2P]アリエル・ネットワーク小松社長インタビュー を読んで

CNET Japan Blog – 情報化社会の航海図:Winny事件とP2Pの未来:アリエル・ネットワーク小松社長インタビューを読んで。 

 結構前のインタビューだが、最近Googleの記事などを読んだり、知人と議論して改めて振り返って考えるところがある。


 このインタビューでWinny事件の話の裏でテーマになっているのは、Googleに代表される中央集中型(セントラル)とP2Pのような分散型(ローカル)についての議論だ。

 現在のところは、明らかにGoogleに代表されるセントラルチームの圧勝感が強い。
 P2PといえばNapsterやWinnyなど不正ファイル交換ソフトの訴訟問題がクローズアップされるばかりで、ビジネスとして大成功している事例は無いのが現状だ。

 Googleがこのまま集中システムに磨きをかけていくと、すべてのシステムは中央側のシステムで動作するようになるのだろうか?
 本当にGoogleの天下がこれから訪れるのだろうか?

 正直なところ、まだ自分にはGoogleの凄さが肌身にしみていないところもあるのだが、どうしてもGoogleがインターネット上の課題をすべて解決するとは思えない。

 実は昨日、yublogの川崎さんとそのあたりの話をする機会があった。川崎さんと言えばJnutellaで知られる国内P2Pの第一人者だが、既に川崎さんなりにGoogleを横目で見ながら、P2Pという言葉の定義すら突き抜けて違うアプローチを模索されていた。
 
 詳細はもちろん川崎さんの著作権なので(?)ここでは書けないが、川崎さんと話して感じた点は二つ。

1:Googleのアプローチだけが全てではない
 当たり前の話でもあり、こうやって書くと非常にだいそれた雰囲気も漂うが。
 中央集中型の検索技術をコアにした処理技術なり、文書の整理手法というのは、あれはあれで素晴らしい。メールのソリューションの一つにはなるだろう。
 でも全てがそれで処理できるわけではない。

2:P2Pという言葉、技術が一人歩きしてないか
 参照した記事で小松さんも言っているが、純粋なP2Pという言葉や技術だけに囚われるとGoogleの対極にあるようなイメージだが、実際には違う。
 別にサーバー型の技術も組み合わせればよいわけで、現在のウェブサーバー型のシステムがホストコンピュータ的なアプローチであることを考えれば、クライアント側を有効活用してメリットがあるケースはいろいろあるはず。
 P2Pという言葉に縛られると、そもそも利用者が必要としていることを見誤る可能性もある。

 まぁ、まとまっていないが、なんとなくそういう印象をもった。書いてみると実に当たり前の話だ。
 どうも長いこと、P2Pだけを取り扱うコラムを書いていたせいで、思考が硬直化しているのかもしれない。

 一度少しSNSやBlogなどネットに起こっている最近の出来事を大局的に振り返ってみたいと思う。

[IM]インターネットで頭にくるのはメールやチャットより掲示板 を読んで

Japan.internet.com Webマーケティング – インターネットで頭にくるのはメールやチャットより掲示板を読んで。 

 ネットアンドセキュリティ総研が興味深い調査を行っている。


 
 何もこのタイミングで・・・とも思うが、機を見るに敏というか、便乗商法というか、明らかに佐世保の事件を意識しているのは間違いない調査だが、、「少年情報探偵団(仮)」の予備プロジェクトである「ネット利用意識調査」の一環だそうだ。

 ポイントとしては、インターネットを利用中に頭にきたことがある、と回答したのが、掲示板利用者が最も多く、メール、チャット、メッセンジャーはそれほど多くなかったとか。

 サービスの定義があいまいなので、簡単にどれがどう問題だとははっきりいえないが、おそらく掲示板が他のコミュニケーション手段に比べて抱えている課題は二つあるだろう。

 一つは、掲示板でのやり取りが(おそらく)他の利用者に公開されている点だ。メールやメッセンジャーでは基本的にコミュニケーションは参加者限定になる。ここで定義されているチャットも同様だろう。
 それに対して掲示板での発言は、インターネット上に公開状態でほぼ永久に残されてしまうことになり、自分に与える影響も大きい。これは大きな違いだ。

 もう一つは、おそらく掲示板でのやり取りが匿名を中心にしたものが多いであろうという点だ。
 メールやメッセンジャーは基本的に知っている相手とのやり取りであり、そういう意味ではこれらのサービスを横一線で比較すれば、この結果が出るのは明らかな気もする。
 もちろん佐世保の事件ではこの点は関係ない。それらの前提抜きでのリサーチだとすると、ちょっと誘導的になってしまう気もする。

 ちなみに記事はかなり丸めて書いてある。
 実際のリリースにおいては「誰かを殺したいと思ったことのあるか」という質問についても言及されている。

 詳細はそのうち公開されるらしいが、現段階ではこのリサーチ結果をそのまま判断するのは微妙だ。

 インターネット以外の実社会との比較も行われていないし、なんだかネット掲示板たたきをフォローするだけのリサーチになっているような気もしてしまう。

 まぁネットのコミュニケーションにもそれなりのリテラシーが必要なのは間違いないし、それを大半の親や教師がまだどうやって教えれば良いのか分かっていないということも間違いない。
 (個人的には掲示板はほとんど利用しないので、私もリテラシーがない人間だが)今回の事件がインターネット掲示板の利用に蓋をするものではなく、前向きなリテラシーの議論のきっかけになることを願いたい。