コトラーのマーケティング思考法 (フィリップ・コトラー)

コトラーのマーケティング思考法 昨年、タカヒロさんに読んだ方が良いよと教えられて読んだ本です。
 コトラーと言えば、まさにマーケティングの権化みたいな人ですが、この人の凄いのはやはり時代に合わせて理論をちゃんと進化させてくるところですね。
 大昔にマーケティング・マネジメントを買った時にはその分厚さに圧倒されましたが、この本は内容もコンパクトで読みやすいです。
 
 どうしてもいわゆる「マーケティング」というとこの本の中で定義されているバーティカル・マーケティング的なコンセプトになってしまいがちですが、この本で書かれているラテラル・マーケティング的なアプローチの重要性が上がってきていることを痛感します。
 個人的な印象としてはブルーオーシャン戦略と似たようなコンセプトを感じましたが、そういう時代になってきているということかもしれません。
 マーケティング関係の仕事をしている人にはお勧めです。


【読書メモ】
製品・サービスを特定する
・現在、自社が市場投入している製品・サービス:イノベーションによるさらなる成長をめざして
・他社が市場投入している製品・サービス:代替製品を考案するために
ステップ1
 バーティカル・マーケティングのプロセスからフォーカスするレベルを選ぶ
市場レベル
製品レベル
その他のマーケティング・ミックスレベル
ステップ2
 水平移動を試みる。各レベルで用いる技法は以下の通り。
市場レベル
 次元を一つだけ変更する
 ・ニーズ/効用
 ・ターゲット
 ・時間 
 ・場所
 ・状況
 ・経験
製品レベル
 製品の要素(有形の製品やサービス、パッケージング、ブランド特性、用途/購入)を一つ選び、以下の6つの技法のいずれかを実施する。
 ・代用
 ・結合
 ・逆転
 ・除去
 ・強調
 ・並べ替え
その他のマーケティング・ミックスレベル
 以下の評価技法のいずれかを用いてギャップを解消する
 ・ほかのカテゴリーにおける価格設定手法
 ・ほかのカテゴリーにおける流通手法
 ・ほかのカテゴリーにおけるコミュニケーション手法
ステップ3
 以下の評価技法のいずれかを用いてギャップを解消する
 ・顧客の購買プロセスを最初から最後までたどる。
 ・ポジティブな側面を抽出する。
 ・利用可能な状況を設定する。
【目次】
第1章 市場の発展と競争のダイナミクス
第2章 伝統的なマーケティング思考法の強みと弱み
第3章 既存市場の内部から生まれるイノベーション:イノベーションの一般的形態
第4章 既存市場の外部から生まれるイノベーション:イノベーションの新形態
第5章 ラテラル・マーケティング:バーティカル・マーケティングの補完的手法
第6章 ラテラル・マーケティングのプロセス
第7章 市場レベルにおけるラテラル・マーケティング
第8章 製品レベルにおけるラテラル・マーケティング
第9章 その他のマーケティング・ミックス・レベルにおけるラテラル・マーケティング
第10章 ラテラル・マーケティングの実施

コトラーのマーケティング思考法 コトラーのマーケティング思考法
フィリップ・コトラー フェルナンド・トリアス・デ・ベス 恩藏 直人


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