「へんな会社」のつくり方 (近藤 淳也)

「へんな会社」のつくり方 次世代の経営者として注目されるはてなの近藤さんの本。
 翔泳社さんから献本を頂きましたので、遅ればせながらメモを書いておきます。
 書籍の内容自体は、CNETに連載されていたブログをベースとしているので、一度読んだ内容も多いのですが、あらためてまとめて読むと考えさせられるところが多々あります。
 特に参考になるのは、すべてのことに対して「それは本当か?」と常識を疑って考えているところ。
 最後の方にアインシュタインの「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」という言葉が紹介されていますが、そう言われてみれば結局企業経営論なんてここ100年程度の歴史しかないわけで。
 過去の歴史の中で常識となってきたことに対して常に疑問を持ち、自らの会社にあった仕組みを模索し続ける姿には頭が下がります。
 「へんな会社の作り方」というタイトルにはなっていますが、実際にこの本の中で近藤さんがメッセージとして発しているのは、実はインターネット時代においては既存の会社の方が「へんな会社」なんじゃないの?ということかもしれません。


【読書メモ】
■「権力」と「情報の隠蔽」
 「ルールが当事者と違う場所で作られ、それが絶対的真理であるかのように受け入れられる」
■情報の私物化を禁止する
 「ソフトウェア開発会社にとって情報は重要な資産であり、その資産の有効活用こそが会社全体での生産性の向上に不可欠です。」
■情報の取捨選択は閲覧者が行う
 「すべての情報を出しておいて、情報閲覧者が「その情報を読むべきかどうか」を判断すればよい。」
■偉くない管理職
 「開発者が若い社員に管理を頼む」
■ユーザーの声を聞くことを否定する理由は次第に薄れていく
 「インターネットの普及によって、これまで「物理的に不可能だから」とか「コストに見合わない」といった理由は成り立たなくなっている。」
■自転車とインターネットの共通点
 「競争がとても自由で公平。自分で身を守っていくしかない。場所に縛られない。」
■不具合の有無よりも重要なこと
 「不具合が発生した際に修正されるプロセスが公開されていること」
■サービスの機能の3分類
1.最低限必要な機能
2.そのサービスを特徴付ける機能
3.発展的機能
■匿名でいられる権利
 「インターネットでの活動を実生活に結びつけずにいられる権利」
■常識を捨てよ
 「インターネットで、今までつなごうにもつなぐことができなかった人々の意識が一気につながってしまったために、一度頭を白紙に戻さないと対応できない。」
 「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」(アインシュタイン)
【目次】
はじめに インターネットは知恵の増殖装置
01 情報を共有する
02 仕事をする場所
03 ユーザーとともに
04 はてなの周縁から
おわりに 18歳の自分に向けて
近藤淳也のハイリスクで魅力的な二面性(梅田望夫)

「へんな会社」のつくり方 「へんな会社」のつくり方
近藤 淳也


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“「へんな会社」のつくり方 (近藤 淳也)” への7件のフィードバック

  1. 徳力さま、初めまして。昨年夏からブログを作成しているものです。いつも「さすが、アルファブロガーは違うなぁ」と感心しながら拝見しています。
    今後ともよろしくご指導ください。

  2. 「へんな会社」のつくり方(近藤 淳也)

    「へんな会社」のつくり方
    近藤 淳也
    [:読書:] まっとうな意見が通る世の中に [:読書:]
    ベンチャー社長本に見られがちな自慢話はほ…

  3. 梅田さんの「ウェブ進化論」を読んで、あらためて近藤さんに興味がわき、この本を読みました。へんな会社だらけ(同質じゃなくて)の日本になったらなあ、と思います。

  4. 「へんな会社」のつくり方

    はてな社長の近藤淳也さんが書いた本を読みました。 社員全員が、戦略の議論、新サー

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