mixiが「おしゃべり」の中心になるということの意味

[mi]みたいもん!!: mixiミュージックでいよいよはっきりした、笠原さんは何にも迷ってない。を読んで。
 先日のmixiミュージックの開始は、なかなかインパクトがありましたね。
 ニュースの追加によるサイトデザインの変更の頃は、結構コアユーザーの反発もあって、どうなることかと思いましたが、ちゃんとその後デザインのカスタマイズができる機能も実装しているあたりも、実にポイント高いです。
 最近、mixiがそれほど真新しくなってきたせいもあり、mixiに飽きたとか、mixiはビジネスモデルが古いとかという批判も増えてきたように思いますが、個人的にはいしたにさんが書いてるように、今のmixiはそれこそ何の迷いも無く、ただひたすら成長の道を歩んでいるようにしか見えません。
 おそらく、この議論のポイントになるのがmixiをどういう視点で見るかということでしょう。
 一般的なビジネス視点で見る人からすると、mixiの利用者層とかオンライン率の高さとか、今のポジションとかから、もっといろいろやれることあるのに何でやらないんだという指摘も出てくるはずです。
 実際、個人的にも、もし自分がmixiの社員だったらやってみたいことが山のように思いつきます。
 ただ、そういう視点はある意味mixiのエネルギーの源が何であるかを見誤っているのかもと最近思えてきました。
 mixiのエネルギー、それはまさに「おしゃべり」だと思います。
 しかも、ブログのように姿かたちの見えない人に街頭で叫んでいるような、スピーカー型の演説とか独り言じゃなくて。
 知っている人が周りにいるのが確実に分かっている状態でのおしゃべり。
 文字通り相手の顔が見えるおしゃべり。
 いしたにさんも、笠原さんの「とにかくPVを稼げるサービスを作りたかった」という台詞を引用していますが、ページビューベースのビジネスにおいては、おしゃべりというのは実に強力なサービスです。
 実際、ヤフーでもヤフーメールが全体のページビューに占める割合は15%近くあったと記憶してますし、ヤフーメールを使っている人にはヤフーをブラウザのホームページにするための一つの大きな理由となり、重要なツールの役割を果たしています。
 おしゃべりのプラットフォームというのは、利用者の最初の入り口にもなれるわけです。
 もちろん単純におしゃべりをするならメッセンジャーや電話の方が良いかもしれませんが、mixiが提供しているのはそういうリアルタイムで半強制的なコミュニケーションじゃなくて、メールと同じ非同期のゆったりしたコミュニケーション。
 日記を書けば誰かとおしゃべりできるかもしれないし、コミュニティにいけば誰かとおしゃべりできるかもしれないし、ニュースがきっかけにおしゃべりが始まるかもしれないし、音楽がきっかけでおしゃべりが始まるかもしれないし。
 一つ一つのおしゃべりにはビジネス的価値はほとんど無いかもしれませんが。
 笠原さんが以前から言っているように、mixiがメールに次ぐ新たなコミュニケーションのプラットフォームになれれば、それこそがmixiの存在意義になるわけで、それって真剣に凄いことです。
 もちろん、おしゃべりの場だけじゃなくてもっといろんなことができればビジネスとしては儲かるかもしれませんが、現在のmixiの最重要課題は何と言っても急増する利用者をいかにさばいて安定してシステムを動作させるかという点。
 そのあたりは、湯川さんの笠原さんインタビューでもはっきり書かれています。
 何しろ、おしゃべりの場で気軽におしゃべりができなくなったら、それはおしゃべりの場ではないわけで。
 いくら便利な機能がいっぱいあったとしても、利用者はみんな逃げてしまうでしょう。
 甲斐さんが書いているように、mixiミュージックについては「サービス自体はLast.fmであり音ログであってそこまで目新しいものではないけど、日本で最もアクティブなユーザーを抱えるmixiで始まったのが大きい」わけで、mixiがおしゃべりの中心にいるからこそ、同じような音楽連携サービスでも利用者の盛り上がりがまったく違うわけだと思います。
 そういう意味でも、今はとにかく安定稼動に注力して利用者のインフラになるための努力を日々続けることが重要なわけで、新サービスはあくまでおしゃべりのネタ提供というところでしょうか。
 いろんな手段で儲けるのはその先でも十分間に合いそうな感じです。
 Eメールにおける最近のスパムメールの増え方を考えると、大事なメッセージはmixiで送るという未来が来てもおかしくない感じもしますから、以前書いたようなmixi会員3000万人という未来があっても不思議ではなくなってきた気がします。
 もし、mixiに死角があるとしたら、クローズドなパソコン通信のニフティのフォーラムが、オープンなインターネットの登場によって勢いを失ったように、クローズドなままのmixiがオープンなおしゃべりサービスによって勢いを失うかも、というぐらいの感じでしょうか・・・?
 なんにしても、今後のmixiの動向からやっぱり目が離せそうにありません。
 (甲斐先生、こんな感じで良いでしょうか?)

“mixiが「おしゃべり」の中心になるということの意味” への3件のフィードバック

  1. こんにちは!
    先日の某集まりではありがとうございました(^^)mixiのことを教えていただき、友人を通じて招待状をゲットしました。まだのぞいていないんですが、mixiについては私のまわりの普通の(?)ブロガーにはいろいろ批判があるようです。でもこちらは前向きな記事ですね。やっぱりきちんとのぞいてこようと思いました!

  2. コメントありがとうございます。
    まぁ、ブログとmixiは似ているようで、かなり違うものですからね。
    好きな人も目的もかなり違うんだと思いますよ。
    個人的には両方大事だと思ってます。

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