ストレスフリーの仕事術 (デビッド アレン(著),田口 元 (翻訳))

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則 ストレスフリーの仕事術を光栄にも献本でいただきました。
 「ストレスフリーの仕事術」は、GTDのデビッド・アレンさんの本ということでも注目なのに、日本のGTDやLifeHacksの第一人者として有名な田口さんの監訳。豪華です。
 
 自分も、10年近くの社会人人生の過程で、メールの受信箱は空にするとか、ToDoもメールで書いて自分に送ってメモするとか、自己流のGTD的な仕事術は実践してきたつもりではあったのですが、やはりこうやって系統だって作られたシステムにすると、その効果は一段と大きなものになると実感しています。
 このストレスフリーの仕事術は、GTDを実践するための心構えという位置づけで、副題にあるように「仕事と人生をコントロールする52の法則」が並んでいて、印象に残るフレーズがそこらじゅうに散りばめられています。
 何しろ、原題が「Ready for Anything」。何でも来いという精神状態という感じでしょうか。
 書籍の最後にGTD自体のまとめもありますので、一冊目を読んでいない人でもすっきり読めると思います。日々忙しくて首が回らないと嘆いているビジネスマンに、特にお勧めです。


【読書メモ】
■ストレスから逃れるためにすべきこと(GTDの基本)
1.頭の中の「やりかけの仕事」を全部書き出す
2.次に取るべき行動を決める
3.信頼できるシステムでやるべきことを管理し、定期的に見直す。
■生産的行動を行うために必要な4つの分野
・物事を片付けること
・集中すること
・枠組みを活用すること
・実際に行動を起こすこと
■ToDoリストが役に立たないのは、まったく異なる種類のリストをひとつにまとめてしまっているから。
→収集・処理・整理・再検討・実行の5つのワークフローをごちゃまぜにしない
■次の仕事を把握するための6つの質問
・今、あなたにとってのタスクは何か?
・今、あなたにとってのプロジェクトは何か?
・今、あなたが責任を持っている分野は何か?
・これから1年で、あなたの仕事や私的なプロジェクトにはどのような変化があるだろうか?
・これから数年間で、あなたの属するグループやあなたの職業、私生活にはどのような変化があるだろうか?
・あなたは何のために生きているのだろう?
■目の前にふってきた仕事はすぐさま片付ける癖をつける
・頭の中の「やりかけの仕事」に心のエネルギーが吸い取られている状態では広い視野にたつことなど不可能
・心のメモリの空き容量を増やしてやらなくてはならない
→書き出してやる
■「重要かつ緊急な」仕事は、「重要だけど緊急ではない」仕事から来る
・「仕事の優先順位をABCでランク付けしましょう!」という間違えた手法が原因
 放っておいてもなくなるはずのないやりかけの仕事を、優先順位がAでないから、という理由で放置してしまうと、いつか緊急になる。
→「プロジェクト」か「いつかやる/多分やる」かを区別する
■毎週かならず「やるべきこと」をレビューする機会があるとわかっていれば、次の機会までまる一週間のあいだ、「やるべきこと」についてまったく考えなくて良い、という贅沢を味わうことができる
■「やりかけの仕事を片付けることによって、本当にやりたいことのために集中力と創造的なエネルギーを100パーセント使えるようにすること」がリストを作る本当の目的
■何がなんだかわからない!というときにやるべきこと
1.意図する結果や目標を明らかにすること
2.その方向へ進むための次の行動を決めること
■受信箱の中にあるメッセージを、しかるべきところに動かす
 受信箱にメールを残しておくと、他のことに手をつける前に、いちばんにメールの処理に時間をかけてしまう
→受信箱を空にすれば、やらなければならない仕事全体を考えた上で、それぞれのメールが処理できるようになる。
■アイデアが浮かんだときにはかならず書き留めよう
 それは、二度と思いつかないアイディアかもしれないから。
■生産性を最大にするための3つの習慣
1.今やっている仕事をなぜやっているのかを考え、次にとるべき具体的な行動を定義しよう。
 どんな仕事も、この2つが定義されないかぎり、行動に移されることはない。
2.すぐに実行に移さない場合は、それをやり終えたときにどうなっているか、その結果とそれについて起こすべき行動を書き留めておこう。
 何もかも頭の中でやるべきだという考えは今すぐ捨ててしまおう。
3.リマインダーを設定しよう。
 適切なリマインダーなしには、行動を起こすきっかけを失ってしまう。
■リマインダーの4つのパターン
 ・特定の日付にリマインドしてくれるもの
 ・一定周期でリマインドしてくれるもの
 ・何かが達成されたら次にするべきことをリマインドしてくれるもの
 ・ある状況に置かれたらリマインドしてくれるもの
■「すんでいないこと」と決めればそれだけで「完了」だ
 やりかけの仕事をすべて把握することができてはじめて、人生の平穏が完全なものになる。
 あなたに必要なのは「完全に終わっていない仕事」を完全に把握することなのだ。
■自分の中にいる「夢想家」と「実行家」のバランスを取るコツ
1.気になることを一箇所にまとめておける「in-box」を持とう
 私の中の「実行家」が後でアイデアを拾い上げ「次に何をすべきか?」と考え、行動してくれる
2.「プロジェクト」リストと「いつかやる/多分やる」リストを持とう
 「夢想家」はこれなしには生きていけない
3.「次にとるべき行動」リストを持とう。
 「実行家」が今何をすべきか知るためにはなくてはならないものだ。
4.週次レビューをしよう
 定期的に「夢想家」と「実行家」でミーティングを持とう
■良いシステムは意識されることがない
 仕事の量が増え、スピードが要求されるようになると、利用者が使い方を意識せざるを得ないような煩雑なシステムは崩壊を始める。
 ・フォルダを複雑に分類しすぎていないか?
 ・マウスを使って作業をしすぎていないか?
■知識労働者のもっとも大事な仕事は「仕事を定義すること」(ピーター・ドラッカー)
■自分の価値観を守っているだろうか? 
 人間関係、あるいは仕事上での付き合いでのストレスの大半は、お互いの価値観がずれていることに気づかないことから生じる
■競争力は思わぬ出来事に対処できる能力によって決まる
■システムがするべきことを勘違いしてはいけない
 システムが得意なのは、何かを覚えたり、思い出してくれる機能
 あなたの頭が得意なのは、次々に出現する情報をもとに、考えをまとめ、創造的に意思決定をすること
■次にとるべき行動を確実に知る方法
・「最悪に備える」
 生産性をひどく落としてしまう、やりかけの仕事を意識的に把握しておく
・「最高を夢見る」
 前向きの結果やエネルギーに意識を向け続ける
・「その間をいく」
 最悪と最高を意識しつつ、思い切って行動する
■今何をすべきか決めるための3つの要素
1.今、おかれている状況を考える
2.今、片付けられる仕事の種類について考える
3.今、片付けられる仕事のレベルについて考える
■20パーセントの違い
 能力よりもちょっとだけ多くのことを引き受けてしまい、10パーセント遅れているだけで自分がまったくクズになったような気分になることはよくある。
 引き受けた仕事より10パーセント多く仕事ができると、世界を支配しているような気分になれる。
【目次】
序章 リラックスしながら仕事と人生をコントロールするには
第1章 創造力は、すっきりした頭から(目の前のことを片付ければ、新たな方向性が見えてくる。
「あぁ、あれをやっていない!」を避ける方法は、ひとつしかない。 ほか)
第2章 成果を生む集中の仕方(もっとはっきり見たければ、一段上のレベルから見るしかない。
自分がそれをやっている姿を想像できなければ、それを実行することはできない。 ほか)
第3章 成果を生む枠組みを作る(あるレベルで安定すれば、他のレベルでも安定できる。
目的とやり方がマッチするときに生産性が最大になる。 ほか)
第4章 リラックスして、さあ始めよう(このゲームのプレイヤーはあなただけ。
コントロールしすぎは、コントロール不能と同じこと。 ほか)
第5章 基礎を忘れずに(GTDの5つのステップ
行動につなげるための5つのステップ ほか)

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則 ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
デビッド アレン David Allen 田口 元


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