メディアコンバージェンス2007は、NTTグループの情報通信総合研究所が編集したICT産業に関するデータやグラフ満載の書籍です。
ネットワークによって全てがつながることにより、産業構造に大きな変化が生じるというのはよく言葉では言われる話ですが、この本ではその変化を具体的なデータを並べて詳細に解説してくれます。
個人的には、日米広告費の構成比のくだりは非常に参考になりました。
米国のインターネット広告費は日本よりはるかに大きいイメージがあったのですが、比率にすると実は日本より少ないんですね。
やはり、こういう具体的な情報というのは、データを見ずに感覚で眺めていると間違えるというのを痛感させられます。
ちなみに、執筆者の一人である杉本さんは、FPNでもお世話になっている恩人なのですが、現在もOUTLOGIC ONLINEというビジネスネットワークコミュニティで、日々濃い情報のコレクションを続けています。
本を読んで興味を持った人はこちらも是非チェックしてみてください。
【読書メモ】
■情報ネットワーク産業
・情報・コンテンツ・サービス
・ネットワーク
・端末・情報機器
■日米広告費の構成比の比較(2005年)
・日本の広告費
テレビ34%
新聞17%
雑誌7%
ラジオ3%
インターネット5%
・米国の広告費
テレビ23%(内ローカルTV 5% 4大TVネットワーク 6%)
新聞17% (内ローカル新聞 14%)
雑誌5%
ラジオ8% (内ローカルラジオ 6%)
インターネット3%
■YouTubeにみられる日本社会の特性
・アメリカは「俺の話を聞け社会」
・日本は「感情共有型社会」
■端末を基点とする情報流通の変化
・iモード → 携帯コンテンツ市場
・iPod → ネット音楽配信市場
・Google → 検索連動型広告市場
・TiVo → テレビ放送におけるタイムシフト視聴サービス市場
■コンテンツ中心時代の到来
第1の波 システム中心 1964~1981 対象者 企業
第2の波 PC中心 1981~1994 対象者 専門家
第3の波 ネットワーク中心 1994~2005 対象者 消費者
第4の波 コンテンツ中心 2005~2015 対象者 個人
【目次】
はじめに:篠崎彰彦
第1章:情報ネットワーク産業の現状
第2章:映像とデジタルコンテンツ—-情報流通におけるインターネット革命
第3章:モバイル・インパクト—-進むユビキタス情報革命
第4章:消費者の情報接触と端末の多様化—-ユーザー視点からの変化
第5章:ネットワークの未来—-情報革命を支えるIPインフラストラクチャー
第6章:コンテンツ産業のさらなる成長—-カギとなるエコシステムの形成
終章:マクロの視点—-情報革命下の経済成長と情報ネットワーク産業:篠崎
彰彦
メディア・コンバージェンス2007 篠崎 彰彦 情報通信総合研究所 by G-Tools |