日本のインターネットやブログも、ちゃんと世界とつながっていたという話。

 ストリートビュー批判の「Google の中の人への手紙」の海外での反響 – アンカテを読んで。
 Googleの話題といえば、新ブラウザChromeになってしまっている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
 今更ストリートビュー議論の話題を取り上げるのも何なのですが、この話は個人的にもメモしておきたいと思ったので周回遅れでエントリーしておきます。
 といっても、今回取り上げるのはストリートビューのプライバシー問題ではなく、それをめぐる議論の流れ。
 冒頭に取り上げたアンカテのessaさんの活動の話です。
 
 
 始まりは、はてなブックマークが700以上ついて話題になった樋口さんのこの記事。
Google の中の人への手紙 [日本のストリートビューが気持ち悪いと思うワケ] – higuchi.com blog
 
 これを読んだessaさんが、自らも参加されているGlobal Voices Onlineでこの記事の英訳を推進されます。
 (実は私もGlobal Voices Onlineの末席を汚しているのですが、貢献は全くできていません(涙))
グーグルにNO!と言えるニッポン – アンカテ
 で、生まれた英語の記事がこちら。
Global Voices Online » Japan: Letter to Google about Street View
 で、この記事がなんとSlashdot本家に取り上げられたり。
Slashdot | Google’s Streetview Seen As Culturally Insensitive In Japan
 複数の英語ブログで取り上げられたり、中国の掲示板でも話題になったりと話題が伝播。
 しまいにはラジオ番組に翻訳者の方がインタビューされたりもしたそうです。
 で、さらに興味深いのは、essaさんがこのリアクションの一部を日本語に再翻訳したこと。


ストリートビュー批判の「Google の中の人への手紙」の海外での反響 – アンカテ
 この記事にもたくさんのトラックバックやコメントがつき。
 さらには、CNETで佐々木俊尚さんがアメリカ人のコメントを引用する形で記事を書いたりしています。
グーグルはストビューで「よそ者」化する:佐々木俊尚 ジャーナリストの視点 – CNET Japan
 
 この現象、単純に言ってしまえば、「Googleストリートビュー問題をめぐる議論盛り上がったよね」という話ではあるのですが、興味深いのは間に言語の変遷がある点です。
 日本語で発信された記事が英語に翻訳され、その英語での議論がまた日本語に翻訳されて、日本での議論につながっていく・・・
 もちろん、GoogleでStreet Viewでという世界的に注目されている話題だからこそ国境を越えて盛り上がったということだとは思うのですが、言語の壁さえ乗り越えることができれば、日本の話題も国境を越えて世界中の人と議論されるというのは、当たり前のようでいて、ちょっと個人的には感動する出来事でした。
 
 最近は最初から英語版をリリースする日本のベンチャーも増えているし、TechCrunchのイベントに日本企業が出展して大いに注目を集めるなど、少し日本のネット業界における閉塞感も変わって来つつある印象がありますし。
 地道に活動を継続しているAsiajinが海外のブログや読者に注目され始めていたり、AsiajinのSerkan TotoさんがTechCrunchの日本在住ライター(?)になって日本のウェブサービスを紹介しまくってくれているおかげで、海外で日本のウェブサービスが注目される傾向もここ最近増している感じがします。
 そんな中、今回の一連の数珠つながりは、ウェブサービスだけじゃなくて、ネット上の議論とか会話とかも、何かしら国境の壁を越えていく方法はいろいろあるのかなーと思わせてくれる出来事で。
 普段別にボランティア活動とかに興味があるわけでもない自分が、Blog Action Dayの翻訳を手伝ったりしているのは、そんな可能性をつい感じてしまっているからだったりします。
 いや、これは今年から来年にかけて、案外日本もちゃんとグローバルのインターネットのコミュニティと、いろんな意味でつながり始めるのではないかなーと思えてきました。
 なんて思ってしまうのは、ちょっと楽観的すぎますかね?