トラックバックを通じて他のブログとつながることの、読み手にとっての価値

blogradar_logos.png AMN、ブログで注目の話題を自動で抽出する「ブログレーダー」を読んで。
 ブログラボの方でもご紹介させて頂いていますが、本日「ブログレーダー」なるサービスを公開しました。
 複数のニュースサイトでも取り上げて頂いて本当にありがたい限りなのですが。
 こちらのブログで、AMNでなぜわざわざこんなサービスを開発しようと思ったのかという背景を書いておきたいと思います。
 私が二回ブログを挫折した後に、このtokuriki.comの素となるNetcom Eyeというブログを始めたのは、2004年5月のこと。
 なんといっても、大きかったのはCNETでブログを連載されていた梅田さんの影響です。
 毎日のように梅田さんのブログを通じて提供される新しい視点や、問いかけに刺激を受け、梅田さんと、その周りの人たちとの議論をみながら、自分もこの議論の輪に参加したい。
 そんなことを思ってブログを始めた一人の読者でした。
 当時は、梅田さんの「Blogは究極の知的生産の道具」という記事を読んでもぴんと来ていなかったのですが、それが理解できていなくても、日々ブログの面白さにどんどんのめり込んでいく自分がいたのを良く覚えています。
 ネット世代・PC世代の議論とか、独特のGoogle論とか、それはもう一つ一つの議論が、当時まだなれないネット業界で孤独感を感じていた自分には本当に新鮮で、梅田さんを中心としたIT系ブログ界隈で展開される一つ一つの議論に、大なり小なりなんとか参加しようとしていたりしました。
 そんな私がブログにはまっていく上で、大きな役割を果たしてくれていたのがトラックバック機能。
 一つ一つのブログの記事だけでも十分自分の刺激になっていたのに、トラックバックをたどっていくといろんな視点から議論がつながっていて、一つのニュースや話題を多様な視点から考えることができる。
 それはもう本当に刺激的な世界でした。


 あの頃はブログの数もそれほど多くなかったので、梅田さんのブログとか、切込隊長ブログとか、R30さんのブログとか、ある程度議論の中心になるブログがあり、そのブログのトラックバック欄を一つ一つ読んでいたのを思い出します。
 しかも、自分のブログで記事を書いて相手にトラックバックを送れば、その人が記事を読んでくれ(るかもしれない)て、返事をしてくれ(るかもしれない)るというのは、「メディア側の人」が情報発信者で「自分のような読者」は読むだけの人という価値観になれきった自分にとって本当にドキドキする出来事でした。
 (今はてなにいる川崎さんのブログに生まれて初めてトラックバックをしたときに、なかなか表示されないのに焦って何度もトラックバックを送ってしまい、いきなりトラックバックスパマーと化して恐ろしく恥ずかしい思いをしたのを今でも良く覚えていますが。)
 なにしろ尊敬する相手のブログに、自分のブログへのリンクが作られるわけです。
 読者として見ているだけだったブログ上の議論に、自分も参加しているんだと実感したときには本当に興奮したものですし、そのリンクから多くの読者が自分のブログに来てくれているのをアクセス解析サービスで確認して、その多さにさらにびっくり。
 さらには、トラックバックした後に、その人から別の記事でトラックバックを返してもらった時なんてのは、本当にインターネットはフラットなんだというのを痛感して、大げさじゃなく感激していたものです。
 別にトラックバックがなければブログじゃないなんてことを言うつもりはさらさらありませんが、トラックバック的な相互リンクの仕組みが、ブログの会話的なつながりを促進していたのは間違いないと思っています。
 そんな中、最近、悲しいなーと思うのがトラックバック機能の明らかな地位低下。 
 なにしろ最近のスパムトラックバックの量たるや半端なものではありません。
 会社のブログもこのブログも一日200個とかスパムトラックバックがやってきて、対策をしすぎると今度は正しいトラックバックがスパム扱いされてしまう始末。
 せっかくトラックバックしてくれてるのですから、ちゃんと見たいのですが、あまりにスパムがひどいので、正直、最近は私も対処を放置し気味です。
(もちろん、技術的に詳しい人なら何とかできるのかもしれませんが、CNETなんかでも古い記事にスパムが並んでいるのを見ると、問題の根は深いのではないかと思ったりします。)
 こうなると、もともと、トラックバックを打つという行為自体が複雑な上に面倒なので、よっぽど意志のある人じゃないとトラックバックを使うのが面倒になってしまうはず。
 
 昨年、ジェットダイスケさんが「トラックバックは本当に不要になったね – webdog」という話を書いていたのですが。
 実際、ブログ検索とRSSリーダーの組み合わせとか、アクセス解析とかを活用すれば、トラックバックを使わなくても他の人からのリンクが見つけやすくなったのもあり、トラックバックを使わなくなっている人も増えている気がします。
 ブログの書き手の立場で考えると、実際それで済んでしまうんですよね。
 ただ、ブログの書き手がトラックバックをしなくなると、「ブログの読み手にはブログの議論を追いかけるのが一気に面倒になる」、というのは実は結構問題なのではないかと思ったりします。
 個人的には、ブログの魅力というのは、一つ一つの記事単体の魅力だけではなく、ブログを書いている人たちの脳が連動するかのようにつながっていくこと。
 インターネット上で、多くの人たちが会話を繰り広げることで、お互いがお互いに刺激しあうことができ、田口さん命名の「みんながちょっとずつ頭がよくなる世界」になりうること。
 (恥ずかしいけれど、当時本当にそう思っていた証拠に過去記事にリンク
 
 その一つの支援機能であった、読者がトラックバック経由で議論をたどれるという要素が、まわりで減っているように感じるのは実に悲しい話なわけで。
 少なからず、ブログを書いている人と、ブログを読んでいるだけの人との間のギャップになっているように思います。
 で、ブログレーダーでやりたいことは、そんなブログのトラックバック機能が担ってくれた注目の記事に対する、みんなの意見を可視化することです。
 もちろん、トラックバック機能をちゃんと使っている人はまだまだいるし、これから何かイノベーションが起こって、トラックバック2.0的な機能ができることも期待していますが。
 ブログの数も多くなっているから、どこで議論が盛り上がっているか見て回るのも大変だと思うので、ブログレーダー的に、議論を一カ所にまとめてしまうのは必要なのではないかと思い、周りの方々に様々なご協力を頂きながら(ご迷惑をかけながら)、bambino.jpの福田さんを中心に開発してもらった次第です。
 当然、一つのサイトでできることは限られていますし、まだまだ単なるTechmemeインスパイアのレベルを脱せてはいないですし、トラックバックの代わりをすると啖呵を切るには足りないことがたくさんあるのは事実ですが。
 このサイトを使った人が、
 少しでも、ブログの議論のリンクを通じて刺激を受ける人が増えたり。
 少しでも、ネット上の議論に自分も参加してみようとブログを書いてみてくれたり。
 少しでも、ネットでつながることの魅力を感じてくれる人が増えてくれたりすると良いなーと思っております。
(というか、本当はスパムトラックバックを、この世から撲滅してもらえればいい気もするのですが。)
※ちなみにこの手の私の夢というか妄想はまだまだ山のようにあるのですが、妄想が広がりすぎて完全に人手不足になってます。
 少しぐらい手伝っても良いよ、という方のご連絡を首を長くしてお待ちしてます・・・

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