ブログを書く上で大きな分かれ道になる二つの選択肢。

BLOG15.NET : ブログはこれからおもしろくなるのかな? – livedoor Blog(ブログ)を読んで。
 もうすでに議論が一周して終わっているのですが、先週、後発のブログにとっては昔ほどブログが面白くないのではないのか、というような議論が盛り上がってました。
 完全に周回遅れなのですが、個人的に前から気になっている話題で良い機会なので、自分の考えをメモしておきたいと思います。
 ちなみに、上記の記事にコメントしている主なブログ記事はコチラ
ブログを始めてからアクセスが伸びるまで – 北の大地から送る物欲日記
404 Blog Not Found:読者という神は自らを助くbloggerを助く – blogを続ける3つのコツ
ブログのアクセス数は、見えないコミュニケーションと人間関係に依存する*ホームページを作る人のネタ帳
 議論で話題になっているような、新規参入者に対する障壁のようなものがあるかないかと言われたら、それは多分間違いなく障壁はあるんだと思います。
 ブログがはやり始めた2003年~2004年頃に比べたら、ブログの数自体は明らかに増えていますし、同じようなテーマのブログも増えています。
 当然、すでに先行して運営されているブログに対して、同じようなテーマの後発のブログが不利な立場にあるのは間違いありません。
 ただ、当時と今を比較して、感じるのは新規注目ブログの見つけやすさの変化。
 たとえば、はてなブックマークの人気エントリーとか、ライブドアリーダーの注目度ランキングとか、普通に固定のブログを見ているだけだと出会うことができないブログに出会えるサービスが登場し、2003年とか2004年頃に比べるとはるかに新しいブログを見つけやすくなった感じがあります。
 ブログの数が増えた分、読者の数も増えているはずで、必ずしも後発だからといって注目を集めるのは不可能ではないと思うのですが。
 たしかに後からブログを始めた人の多くが、ブログの読者数を増やすのが難しいと感じているのは事実でしょう。
 そんな中、上記の記事を見て、自分ならどうするかなーと考えてみたのですが。
 もし、今からブログを始めて読者数を増やしたいのだとしたら、やはりポイントはブログのテーマ設定ではないかと思います。
 (ちなみに、個人的にはブログは自分のために書くべきだという論者で、多くの人に読んでもらえる方が良いとは限らないとか思っている人間です、念のため)
 個人的にブログを書く上で、大きな分かれ道になると思っているのが、
■自分の興味の延長で書くのか
■テーマ重視で書くのか
 という二つの選択肢。


(この選択肢はマトリックスの縦軸と横軸みたいなものなので、実際には必ずしも二択ではないですし、後からシフトすることもできるのですが、とりあえず二択でイメージしてみて下さい。)
 たとえば私の場合、このtokuriki.comは前者の個人の興味の延長。
 ネット系のニュースも書けば、Wiiの話も書くし、書評も書けば、独り言も書きます。
 雑食の個人ブログです。 
 で、会社ブログとして始めたワークスタイル・メモは後者のパターンです。
 こっちは仕事に使えそうなウェブサービスとか、ライフハック系の話題とか、ある程度テーマを絞ってその話題だけを取り上げるようにしている特定テーマのブログ。
 自分でこの二つのブログを使い分けてみて面白かったのが、読者増加のペースと、反応です。
 ワークスタイル・メモは、tokuriki.comに比べると2年近く後発のブログになるのですが、実は開設1年たらずであっさりtokuriki.comのPVを抜き去っています。
 もちろん、tokuriki.comを読んでくれていた人たち経由でワークスタイル・メモが良いスタートを切れたという面はあるかもしれないのですが、私の知る限り、実はtokuriki.comとワークスタイル・メモの読者はあまりかぶっていません。 
 
 tokuriki.comを読んでくれているのはどちらかというと、私と面識がある人たちで。
 ワークスタイル・メモは単純にウェブサービスのレビューを読みたい人が読んでくれているわけです。
 まぁ、今から振り返れば、それはある意味当然。
 tokuriki.comは雑食なので、僕個人に興味がある人でないと雑音が多すぎて読む意味があまりないのですが。
 ワークスタイル・メモは、テーマを絞っているために、逆にそのテーマに興味がある多くの人にとって意味がありそうなサイトとして受け取ってもらえているわけです。
 この辺の話は、ネタフルのコグレさんとホームページを作る人のネタ帳のYamadaさんの一昔前のやりとりにも見て取れると思います。
一日の記事量が10件いかないとネタフルさんのようにはならないんだよ*ホームページを作る人のネタ帳
[N] ジャンルを絞って書かないとホームページを作る人のネタ帳さんのようにはならないんだよ
 
 ネタフルは個人の興味の延長がニュースサイト的個人ブログになった典型例
 ホームページを作る人のネタ帳は、ジャンルを絞って書いている特定テーマのブログの典型例
 という感じですね。
 
 そういう意味で、冒頭の記事で議論になっているような新規参入者に対する障壁が特に高いのは、前者の雑食個人ブログだと思います。
 2003年頃であれば、「ブログを書いているビジネスマン」というだけで十分希少価値があり、お互いにお互いのブログを購読するモチベーションがあったのですが、今では明らかにそこは飽和しています。
 芸能人や有名企業の社長さんとかならまだしも、無名のビジネスマンが雑食の個人ブログを始めて読者が一気に増えるというのは実際かなり難しいのが実情でしょう。
 もちろん、これまで通りトラックバック等を駆使して、他の有名ブログと濃い議論を展開して読者を増やすことも不可能ではありませんが、ライバルが非常に多いのは事実です。
 なので、逆にもし今の段階でブログを始めて読者数を増やしていきたいのであれば、テーマを絞ってその分野のトップグループ入りを目指していくというのが、個人的にはオススメです。
 ブログのタイトルも、検索エンジンやはてなブックマーク経由の一見さんがぱっと見てわかるようにテーマに即したブログ名にすることも効果的。
(それにより検索エンジン経由での流入もより期待できるようになりますし)
 また、テーマ重視なのであれば必ずしも個人で書く必要もなく、複数のメンバーでグループブログを運営するという選択肢もとりやすくなります。
 海外で成功しているTechCrunchや、先日インタビューしたGizmodoなんかもこのパターンですね。
 ただ、ジャンルを絞って書くことにも、デメリットがあります。
 それはテーマを絞っている分、個人のキャラクターが表現しづらくなるという点。
 雑食の個人ブログであれば、様々な雑談も混ぜることができますし、ネット上のいろんな議論にからんでいけますが、テーマに特化したブログの場合は、専門色を強くする必要がありますから、自然と雑談がしにくくなります。
 仕事の話題しか話さないビジネスマンみたいなものだと思ってもらえれば分かりやすいでしょうか。
 個人のキャラよりもブログのテーマ設定の方が有名なので、ブログありきで個人が語られるケースが多くなるわけです。
 もちろん、本当にテーマブログで有名になれば自然と個人のキャラクターも出てくるとは思いますし、ブログの運営の仕方でうまく個人のキャラクターを出す手もあるとは思いますが。
 個人的には、ブログを二つ運営するというのが、案外地味に効果的だったりするのかなーと思うわけです。
 個人ブログは長く続けるつもりで、テーマブログは実験的にいろいろやってみれば良いわけですから。
 (それによって、両方のブログが中途半端になってしまったりもするわけですが・・・)
 ということで、あいかわらずまとまりのないメモになってしまいましたが。
 個人的には、読者数を増やすことをブログの第一目標にすると、成果がすぐに出ない分、燃え尽きやすいのではないかなーという気もしますので、念のため。

“ブログを書く上で大きな分かれ道になる二つの選択肢。” への1件のフィードバック

  1. >2003年とか2004年頃に比べるとはるかに新しいブログを見つけやすくなった感じがあります。
    これ逆のように感じますね。はてなを使っていない身からすると。
    はてなっていうインフラに乗らないと、初期のブートストラップがなかなかできないというように感じます。
    当時であれば、まだ個人系ニュースサイトが細かいブログを拾って掲載していたんですが、
    今でははてなブックマークにその役目が収斂してしまって、
    多様性が失われてしまって、人に見られるという機会が減ってしまっているように思えます。

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