どうせやるならブログバトルサミットとか、ネット炎上サミットの方が盛り上がるんじゃないかというご提案に対するお返事  #ブロガーサミット

 やまもといちろうBLOG方面と、ウェブはバカと暇人のもの方面から、立て続けに剛速球のスルーパスを頂きましたので、丁度良い機会なので今回のブロガーサミットの位置づけについての思いをブログに書いておきたいと思います。
「ブロガーサミット」とかってのを8月24日に徳力基彦さんが開催するみたいです: やまもといちろうBLOG(ブログ)
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まもなくブロガーサミット2013!山本一郎さんが別企画を考えたので、オレも入場料5000円イベント考えたぞ – ウェブはバカと暇人のもの
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 今年は、成り行きで「やまもといちろう×イケダハヤト対談イベント」の仲介をさせてもらったこともあり、なんか初対面の人にまで「栗拾いの人だ」とか言われることが増えてしまい、どこぞでネットバトルとかすれ違いの議論が炎上してたりすると、「徳力さん、このイベントいつ企画するんですか」とか言われることも意外に多くって、めっちゃ戸惑ってるんですが。
 せっかくの機会なのではっきり宣言しておきます。
 実は私はネット上の炎上案件ってあんまり興味ありません。
 前にブログにも書きましたが、やまもとさんとイケダさんの対談の仲介を買って出たのは、二人ともと面識があって、ウォッチしていたのもありますし、ただの平行線の議論にならないで欲しかったというのが凄い大きかったのが正直なところで。
 一部の人に当日司会が喋りすぎだと批判されてしまったように、ノーガードの殴り合いになるのを楽しみにしていた方々の期待とは逆の体裁のイベントにしてしまったのが実際です。
 でも、やまもといちろうBLOGの影響力ってやっぱり本当に凄くって。
 あのブログ記事一発で、見事に私はネット炎上大好きな火中の栗拾いと思われちゃってるんですよね。
 いや、もちろんああいうノーガードの議論は好きなんですよ。
 好きなんですけど、ネットバトルとか炎上が好きなんじゃなくって、ウォッチしている人と人のかみあってる議論が好きなんです。
 平行線の罵倒芸とか水掛け論とかじゃなくて。
 何でなんでしょうね。
 上手く説明できないんですけど。
 もちろん、私も人並みには炎上案件には興味ありますし、それなりにウォッチもするんですけど、どちらかというとそれは分析対象であって純粋に炎上ウォッチ自体を楽しんでるわけじゃないんですよね。


 先日、中川淳一郎さんと阿佐ヶ谷ロフトAで、ネット炎上について対談させて頂いた時にも痛感したんですが、炎上ウォッチャーとしては自分はいかにも中途半端です。
 中川さんの繰り出す珠玉の炎上事例やキャプチャの数々に、事前の予想通り、すっかり一視聴者として単なる聞き手に回ってしまった次第です。
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 いや、中川さんの事例集ほんと凄いんですよ。
 上記のネットスーパースターサミットの企画案だって、さりげなく書かれてますけど、一個一個の事例がめっちゃ濃いですからね。
 おまけに中川さんは、背景とか時系列にいくらでも語れるわけですよ、勝てませんよ。
 丁寧に一つずつ写真のキャプチャとか取ってあるんですからね、マメすぎます。
 しかも、それを話しているときの中川さんの楽しそうなこと楽しそうなこと。
 聞いてるこっちも楽しくなってくる一時でした。
 正直な話としては、今回のブロガーサミットも、やまもとさんが書いてるようにセッションをバトル形式にしてブログバトルロワイヤルサミット的にした方がイベントとしては面白くなるだろうし、盛り上がるだろうなぁとも思いましたし、中川さんが書いているようにネット炎上事例を並べてネット炎上サミット的にすればそれはそれで面白いだろうと思うんですが。
 
 まぁ、やっぱりそれは私が向いてないんですよね。
 イベントタイトル一つとっても、多分単純にブログ10周年ならブロガーサミットというタイトルにせず「ブログサミット」にした方が、セッションの振り幅も広いし、もっと幅広い方々が自分に関係あるかも、と思ってくれたとは思うんですよね。
 「ブロガーサミット」ってタイトルにつけたばかりに、ツイッターでも「俺ブロガーじゃないしな」とかブログ書いている人が書くのを良く見ましたし、「ブロガーってアフィリエイターのことでしょ?金儲けでしょ」的なこととか残念な誤解を言われてるのも散見しました。
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 「ブロガー」って言葉って、人によって定義もイメージも違うから、ブロガーサミットって名前にするのは凄いリスクあったんですよね。
 ブロガーのことをライターみたいに職業のことだと思っている人もいれば、ブログで副収入をえている人のことだと思っている人もいますし、ファッション系雑誌ではブロガーと読者モデルがほぼ同義語になっていたりする世界もあるようです。
 やまもとさんみたいな人をブロガーだと思ってる人からすると、まさにやまもとさんが書いていたみたいにブロガーサミットは「いきなり1,000人ブロガー集めて、何をするのかと思ったら徳力さんが壇上で「これから皆さんに殺し合っていただきます」って言い放つ感じのやつですよ。」と思ってる人もいるでしょう。いないかな。
 実際、結構な数の人が申込のコメント欄に「私はブロガーって言うほどブログ書いてないんですけど」とか書いているのをみると、やっぱりブロガーサミットって言う言葉は無駄にハードルをあげてしまったなぁ、と後悔したりもするわけですよ。
 でも、やっぱり私はアルファブロガーのインタビュー本とかアルファブロガー・アワードの頃から一貫してそうなんですけど、「ブログ」というツールそのものよりも、「ブロガー」という人種の方に興味があるんですよね。
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 先日の「なんで私はむやみやたらと無茶なイベントの企画ばかりしてしまうのか」という記事にも書いたように、一番興味があるのは人と人がつながっていくことであって、ブログを書いていることによって人がどういう風に変わるのかということであって。
 実は一つ一つのブログ上の出来事自体には、あまり興味が無いんですよね、多分。
 
 
 「ブロガー」という言葉を「ドライバー」と同じように考えれば良いんじゃないかという議論を、確かAMNブロガーTVで四家さん達としたことがあったんですが。
 「プロドライバー」もいれば、「週末ドライバー」もいて、「ペーパードライバー」もいるように。
 「プロブロガー」もいれば「週末ブロガー」もいて、「ペーパーブロガー」もいるわけですよね。
 自動車からトラックからバスやバイクまで様々なクルマを運転できるドライバーがいるように。
 テキストから写真や動画、ツイッターのような様々なツールを使うブロガーもいるわけで。
 そもそも自動車が初めて登場したときに、自動車が運転できることって凄い革命的だったと思うわけですよ。
 それこそ最初の頃って一部のお金持ちとか職業運転手しか「ドライバー」ではなかったわけで。
 一般の人も含めて世の中の多くの人が「ドライバー」と呼ばれても違和感を持たないようになるまでは、それこそ凄い時間がかかったんだと思いますけど。
 
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 今の「ブロガー」も同じだと思うんですよね。
 クルマと違って免許制じゃない分、誰でも「ブロガー」になることはできるわけですが、やっぱり自分がブロガーだと宣言するのに対するハードルって当然凄い高くって。
 でも、誰でもなれるんだから、みんな広い意味で「ブロガー」で良いと思うんですよね。そう呼ばれたいかどうかは別として。
 とか、妄想のように考え続けていて、それを表現したいし、ほかの人たちと議論したいし、もっと多くの人に分かってもらいたい、という思いで企画したのが「ブロガー」サミットだったりします。
 本当は、それこそ「おじいちゃんブロガー」とか「小学生ブロガー」とか、幅広い振り幅でやってみたかったんですが、まぁパネルディスカッション形式を取る以上、それはちょっと断念し。
 とはいえ、どうしても話したいセッションが減らせなくて、土曜のお昼から夜までの長丁場のイベントになってしまった次第です。
 なので、ブログバトルサミットやネット炎上サミット的な展開を期待されている方には誠に申し訳ないんですが、私が企画する限りどうやったって、そっちの方向にはなりませんので、ご容赦頂ければ幸いです。
 やまもとさんがブログバトルロワイヤルサミットを、中川さんがネットスーパースターサミットを企画された暁にはもちろん、一参加者として参加させて頂きますので、よろしくお願いします。
 というか、お忙しいさなかとは思いますが、お二人が懇親会だけでも顔を出して頂けることを楽しみに当日お待ちしております
 
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