スイッチ! (チップ・ハース、ダン・ハース)

4152091509 「スイッチ!」は、企業の文化や個人の習慣など、変えづらいと言われているものを変えるための仕組みを考察している書籍です。
 出版社から献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 
 一般的に企業文化みたいなものを変えるときには、精神論が中心になりがちですが、この本では重要なのは環境を変えることであり、そのための具体的な手順が紹介されています。
 今の自分の会社を変えなければという問題意識はあるののに、どうやれば分からないという方には、参考になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■行動を変える際の三つのフレームワーク
1.象使いに方向を教える
・ブライト・スポットを手本にする
・大事な一歩の台本を書く
・目的地を指し示す
2.象にやる気を与える
・感情を芽生えさせる
・変化を細かくする
・人を育てる
3.道筋を定める
・環境を変える
・習慣を生み出す
・仲間を集める


■問題への注目と解決策への注目
 「悪は善よりも強い」という偏りは、変化を引き起こすときに致命傷になる場合もある。
 解決策への注目が必要なときに、象使いは問題に注目しようとする。
■成功を拡大しようとする時間に比べて、問題を解決しようとする時間はどれぐらいか?
■目的地の絵葉書(デスティネーション・ポストカード)
 近い将来に実現できる鮮明な未来像
■変化に成功した大半のケースで、変化は「分析し、考えて、変化する」の順序ではなく「見て、感じて、変化する」の順序で起こる(コッターとコーエン)
■肯定的幻想
 大半の人々が自分は平均よりも運転がうまいと思っている
■変化を細かくする方法
・相手に求める投資を制限する
・手の届くマイルストーンを思い浮かべる
■1から2へ、2から3への進歩を祝うことで、次の段階に進む自信が持てる
■人は選択を下すとき、意思決定のふたつの基本モデルのいずれかに頼る傾向がある
・結果モデル:決定を下すとき、人は選択肢の費用と便益を評価して、満足度が最大になる選択を行う
・アイデンティティモデル:決定を下す際に「自分は何者か?」「自分はどのような状況に置かれているか」「自分と同じ状況にいる人々ならどう行動するか?」を問う
■フット・イン・ザ・ドア テクニック
 一旦小さな安全運転ステッカーを受け入れたことで、家のオーナーが巨大な安全運転看板を受け入れる可能性が大幅に増した
■脳は筋肉と同じ
■基本的な帰属の誤り
 人は他者の行動のもとになる環境的要因を無視する傾向がある。
 この誤りが生まれるのは、私たちには人々の行動を「置かれている状況」ではなく「人間性」に帰属させる傾向があるからだ。
■ハッドンのマトリクス
 事故を主に「発生前」「発生時」「発生後」の三つの期間にわけて体系的に考察する
■アクション・トリガー(行動の引き金)
 自分がしなければと思っていることに関しては、何かをする時間と場所をイメージしただけで、実際に実行する確率が高まる。
 
■集団認識 行動は伝染する
 人は仲間がそうしているのを見て、同じことをする
■雪だるま効果の要因
・単純接触効果:何かに接すれば接するほど好きになっていく
・認知的不協和:人間は行動と思考が食い違うのを嫌う。行動が変わると、自己像も変わり始める。

4152091509 スイッチ!
チップ・ハース ダン・ハース 千葉敏生
早川書房 2010-08-06

by G-Tools

“スイッチ! (チップ・ハース、ダン・ハース)” への1件のフィードバック

  1. 自分を変える、他人も変える:スイッチ!

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