ネットテレビの衝撃 (志村一隆)

4492761934 「ネットテレビの衝撃」は、タイトル通りネットテレビが与えるインパクトについて考察している書籍です。
 出版社から献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 
 日本では、いろいろと業界の姿勢によって普及が鎖国状態になっているネットテレビですが、この本ではネットテレビ先進国であるアメリカの状況が詳細に紹介されており、いろいろと考えさせられる点が多々あります。
 ネットとつながったテレビの未来について考えてみたい方にはヒントになる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■テレビがどこの家庭にもあるという感覚が前提
 新聞もインターネットも、テレビ以外のメディアの広告指標はたいてい実数です。マスメディアでテレビだけが、パーセンテージの指標を使ってきました。
■「2000年以降の10年で、ユーザーがインターネットで自分が見たい番組を検索して見る習慣が定着してしまったので、もういまさらテレビの前に座って番組が始まるのを待つことはないだろう。あるとしたら、スポーツ生中継だけだ」(アメリカのメディア関係者)
■フールー有料版開始は、メディア・コングロマリットが、インターネットを新たな広告メディアとしてとらえるのをやめ、映像をユーザーに直接配信するコンテンツの有料ビジネスをするための配信インフラとしてとらえ始めた象徴と言えます。


■ソニーのテレビが放送を受信する端末だったのに対し、ビジオのテレビはインターネットのコンテンツ配信プラットフォームを数多く内蔵しています。
■ディズニーの事業部門別の売上と利益
 利益の約60%をケーブルチャネル部門が稼ぐ
■バイアコムのロックバンド
「我々が発売している「ロックバンド」は、楽曲プロモーションなどコンテンツマーケティングのプラットフォームになっている」(バイアコム フィリップ・ドゥマン)
■オーバー・ザ・トップ
 ケーブルテレビのSTBという機器を介さず、インターネットの映像をテレビで視聴できる技術やサービスのこと
■ディズニーのキーチェストと、ソニーのDECE
 Buy Once, Play Anywhere 一度買えば、どこでも見られる
■日本、アメリカ、イギリスのテレビ市場比較
・日本:広告放送 1兆7139億円 有料放送 1兆4584億円 (CATV 4467億円)
・アメリカ:広告放送 621億ドル 有料放送 1230億ドル (CATV 899億ドル)
・イギリス:広告放送 34億ポンド 有料放送 43億ポンド
■NHKオンデマンドとBBCのiプレイヤー
・NHKオンデマンド 視聴回数2ヶ月で80万回 有料化入者 約2万件
・BBC iプレイヤー 1年間で1億8000万回

4492761934 ネットテレビの衝撃 ―20XX年のコンテンツビジネス
志村一隆
東洋経済新報社 2010-10-22

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