すっかりブログでのご紹介が遅くなりましたが、毎年開催させて頂いているウェブサービスのプレゼンイベント「WISH」を今年も開催します。
WISHは、もともとは2009年の夏に、私がTEDxTokyoや、梅田望夫さんの「日本のウェブは残念」発言騒動などに影響を受けて企画するようになったイベントでした。
私のブログでの問いかけに100名を超える多くの方が賛同して頂き、赤字イベントながら多くのボランティアの方に支えられてWISH2009を400名規模で開催することができた、というのは個人的にも非常に勇気づけられる経験でした。
ただ、WISH2009の頃は米国で開催されている未公開サービスのローンチイベントであるTechCrunch50にかなり影響されていたこともあり、無名のサービスのプレゼン大会というのを意識して開催していたのですが、昨今のスタートアップベンチャーキャピタルブームの影響もあり、そういった企画は日本でも数が増えてきましたので、無名のサービスのプレゼン大会としての役割はそれほど必要なくなってきているのかな、と思います。
そこで、今年のWISH2011は、WISH2011+ソーシャルメディアサミットという形で、もう少し上のフェーズの企業を支援する方向に少しシフトをしてみることにしました。
個人的な印象として、シリコンバレーのスタートアップ企業は、サービス開始直後からTechCrunchなどの有力ブログメディアに取り上げられることで加速度がつき、そのままFoursquareやInstagramに見られるようにソーシャルメディア上での盛り上がりから雪だるま式に利用者を増やし、ニュースサイトやマスメディアにも早期に取り上げられながら、100万人や500万人と言った利用者を短期間に獲得するケースが増えているように思います。
ただ一方で、日本のスタートアップ企業の場合は、立ち上げ直後はインターネット業界の界隈で若干話題になっても、その後ある程度の利用者数で頭打ちになり、話題が継続せずに伸び悩むケースが多いような印象があります。
特にシリコンバレーであれば、ツイッターやYouTubeに見られたように、ビジネスモデルが無い状態でもベンチャーキャピタルが大量の資金投入でユーザー獲得に専念するように支援してくれますが、日本においては早期の黒字化を求められ、広告や有料サービスを早期に導入しすぎてコアユーザーの期待を裏切ってしまったり、インフラの拡張が追いつかなかったりして、失速するケースが多いように思います。
逆にリリース後にかなり注目されたのに、個人で副業で運営していたためにサービスが拡張できずに、海外の競合サービスに気がついたら利用者を取られているというようなケースもあるようです。
そこで今年のWISH2011からは、日本のウェブサービスやアプリにとっての二段ロケットになることを目指したいと思っています。
そう言う意味で、あえて今回からはリリース前のサービスでは無く、リリース済みのサービスを対象とすることにしました。
WISHでのプレゼンテーションに参加された企業が、プレゼンやイベントを通じて得た出会いが、その企業が次のフェーズを目指すきっかけになれるように、2011年に最も伸びるウェブサービスを選ぶプレゼン大会と言われるような、そんなイベントを目指していきたいと思います。
そう言う意味で、今回のWISHでは午後に、2月に実施したソーシャルメディアサミットの秋バージョンとして、ソーシャルメディアサミットも併催します。
2月のソーシャルメディアサミットはどちらかというと大企業向けの内容がテーマでしたが、今回のソーシャルメディアサミットでは、日本のウェブサービスのグローバル展開のために必要な要素の話と、ウェブサービスや新製品などの広告宣伝費をそれほどかけられない新事業におけるソーシャルメディア活用を議論したいと思います。
特に個人的に最も楽しみにしているのが、はてなの近藤さんとのオープニングトーク。
私がブログを始めた頃は、近藤さんに話を聞いてみたくてもなかなかマンツーマンでお会いできる機会なんぞなく、Glocomのパネリストをされているのを遠巻きに聞いているだけでしたが、7年たって念願の対談の機会をもらえて本当に感激です。
当日は、近藤さんならではのネット感や、昨今のソーシャルメディアブームについて感じていること、これからウェブサービスを始める開発者へのアドバイスなど、いろいろと聞いてみたいと思っています。
ご興味のある方は、お早めにお申し込み下さい。
皆さんと、日本のウェブやソーシャルメディアをどうやって盛り上げていくべきか、一緒に考えられれば、と思ってます。
・WISH2011の公式サイトはこちら