Twitterアクティブサポート入門 (河野武) を読めば、ツイッターを宣伝ツールとして使わない、ツイッターならではの活用法がわかるはず。

4844330748 「Twitterアクティブサポート入門」は、「そんなんじゃクチコミしないよ」という書籍も出されている河野さんが新たに書かれた書籍です。
 アクティブサポートがテーマと言うことで当然買っていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 「アクティブサポート」とは従来の受け身の電話センター等のサポートに変わるサポートのことで、ツイッターやブログなどで顧客の声を見つけ積極的に話しかけていく活動のことを言います。
 私自身もソーシャルメディアの企業活用のプレゼンをする中で必ずといって良いほどこの「アクティブサポート」という活用法をご紹介していますし、コラムでも何度もご紹介していますが、特にTwitterを使ったアクティブサポートというのは、ソーシャルメディアでなければできない、非常に特徴的なソーシャルメディアの活用法だと感じています。
 もともとは、JetBlueやComcastの事例を紹介することが多かったのですが、現在では日本でも実施している企業が増えてきており、特にソフトバンクのアクティブサポートは象徴的な大規模事例と言えるでしょう。
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 なんでも米国の実例を聞く限り、実は米国でもそれほど積極的にやっているケースは多くないのではないかという印象も強く、実は日本の方がアクティブサポートで先行しているのではないかという感覚すら最近は感じています。
 その「アクティブサポート」という言葉を日本で最初に定義したのが河野さんです。
Twitterによるアクティブサポート | smashmedia
 そう言う意味では河野さんは日本における「アクティブサポート」の生みの親(というよりも、世界でも「アクティブサポート」とは多分定義されてないので、世界においてもそうかもしれません)とも言える人物です。
 今回の「Twitterアクティブサポート入門」では、そんな河野さんならではの視点で、ツイッターを活用したアクティブサポートの考え方や手順を詳細に解説されていますので、ツイッターをプッシュの宣伝ではなく、双方向の会話やサポートに使うことの可能性を感じている方には参考になる点が多い本だと思います。
 なお、河野さんはMarkezineでアクティブサポートの連載も開始されたようなので、こちらも是非どうぞ。
ソーシャルメディアマーケティングもうまくいく! 御社がアクティブサポートを始めるべき理由
※ついでに私のコラムもご紹介しておきます。
Twitterを本気で活用するなら「アクティブサポート」に挑戦を。 を日経NMに投稿しました。
大企業が注目するツイッターサービス「アクティブサポート」とは何か を日経ビジネスオンラインに投稿しました。

【読書メモ】
■アクティブサポートとは何か
・従来の顧客サポート(パッシブサポート):企業は常に受け身で、届いた質問にいかに迅速に答えるかが問われます。
・アクティブサポート:疑問や不安、ときには不満を抱いている消費者をソーシャルメディア上で発見し、企業自らが能動的に、彼らに直接語りかけることで問題解決を図るものです。
■アクティブサポートの効果
・離反直前の顧客を見つけ、その離反を未然に防ぐこと
・商品やサービスの改善のヒントを得ること
・その結果として顧客とのつながりを資産化すること


■アクティブサポートに関しては、フォロワー数をKPIにすることはやめたほうがいいでしょう。それよりもやり取りをしたユーザー数のほうが活動の実績として意味があるし、彼らによるリツイート数もサポート情報の拡散に協力してもらえたと考えれば価値があります。
■ツイッターアカウント運用ポリシーの策定
・誰をフォローするのか、しないのか
・DMを使うのか
・RTを使うのか
・非公式RTを使うのか
・お気に入りは使うのか
・リストは使うのか
・短縮URLを使うのか
■海外では「^MJ」という感じで、担当者のイニシャルを末尾に入れることが多いです。
■トラブル時の対応、担当者の離職リスク、こうした問題を考えてもまだ軟式アカウントをやるというのであればぼくはなにもいいません。でもほんとにオススメしませんよ。
■具体的な研修プログラム
・個人でツイッターを体験(1ヶ月)
・対応ルールの文書化(1~2日)
・使用ツールの選定(1~2日)
・イメージトレーニング(ロールプレイ)(3~5日)
・社内の関係部署への告知(1日)
・いよいよスタート
■就業規則へのソーシャルメディア利用に関する追加項目
・仕事について投稿する際は自分の名前と所属を正しく名乗り、個人の見解であることを付記する
・投稿すべきか判断に迷った場合は投稿せずに相談する
・自分で対応しきれなくなった場合はすみやかに上長に報告する
・プライベートな投稿であっても公序良俗や法令に違反しないように注意する
■「マニュアルはあるのですが、お問い合わせにお答えするようなマニュアルというのは、基本的に通常のコールセンターでの対応とツイッターを一緒にすべきだと思っているので、なにも変えていないのです」(ソフトバンク金澤氏)
■「(フェイスブックは)基本は実名ですよね。まったく意味がないとは思いませんが、実名となったときに、実名を明かしてやる人たちがどこまで企業に対して本音をいうのか、ちょっとわかりません。たとえば、僕がある企業のアンケートに回答するときに、本当に満足していなくても「満足した」と答えてしまうなと思うのです。」(ソフトバンク金澤氏)

4844330748 Twitterアクティブサポート入門 「愛される会社」時代のソーシャルメディアマーケティング
河野 武
インプレスジャパン 2011-08-24

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