新世紀ITビジネス進化論 (中村伊知哉)

4799310992 「新世紀ITビジネス進化論」は、中村伊知哉さんがラジオ番組で行っていた対談を元に書き起こされた書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、日本の各業界を代表する方々との対談とあわせて、中村さんならではの視点で各業界の未来の考察がされていますので、日本の未来を真剣に考えたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■マスメディアは、なぜ通信と放送の融合に熱心になれなかったのだろうか。
 答えは簡単。マスメディアが上手くいっていたからだ。
■2010年の日本における電子書籍市場は670億円。アメリカの電子書籍の市場は300億円。
 電子書籍先進地より、黒船騒ぎをしている国の方が大きいのだ。
 ただ670億円の売上の内訳を見てみると、75%がケータイのマンガで、しかも多くがボーイズラブだという。


■日本のコンテンツビジネス拡大策・3つの柱
・新しいメディアを開発していく。コンテンツやサービスの基礎となるインフラの整備。
・海外市場の開拓。海賊版の対策の強化やコンテンツ輸入規制の撤廃。
・人を育てること
■ソーシャルメディアが震災ではたした4つの役割
・情報共有-中央発表だけでない多元的で多面的な情報の共有
・権力監視-政府、関係機関、放送局に対する国民監視のプレッシャー
・国際発信-世界に対するリアルタイムの情報発信
・気分の醸成-国難に立ち向かい一体感の創出
■ハリウッドのような重厚長大なコンテンツであればアメリカが強いが、サイネージはそうではない。誰もが作れるコンテンツがサイネージの決め手になる。
 だから日本は世界一になれる
■教育現場にデジタルが入ることの三つの意味
・楽しい-映像なども使って楽しい授業が今以上にできる
・つながる-ネットでコミュニケーションがより円滑にできるようになる
・便利-機械なので効率的に授業ができ、先生にもゆとりができる
■ネットにしろ、ケータイにしろ、新しいテクノロジーが世界のどこで生まれても、入ってくればすぐにそれに見合った様々なジャンルのコンテンツを生み出していくというのが日本のお家芸なのだろう。
■日本のポップカルチャー、三つの特色
・大衆文化-誰も絵や地図を描ける。音楽ができる
・子供と大人の文化的な境目がない
・ルール、規範、規制が緩い

4799310992 中村伊知哉の 「新世紀ITビジネス進化論」 (ディスカヴァー携書)
中村 伊知哉 ラジオNIKKEI
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2011-12-16

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