明日のメディア(志村一隆)

4799310690 「明日のメディア」は、以前ブログでもご紹介した「ネットテレビの衝撃」を書かれた志村一隆さんが今後のメディア環境の変化について考察している書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、コミュニケーションとコンテンツという視点からメディアの未来が考察されていますので、メディア産業に関わる方はもちろん、メディア産業周辺の新規サービスを検討中の方にも参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■出版社は、雑誌を直送することで、エリア、年齢、職業、性別などの読者情報を把握していたのです。そして、その属性情報がクルマや飲料、不動産など広告を出す企業にとって貴重であり、雑誌の広告枠が高く売れたのです。
■地デジ移行後のメディアの未来3段階
・コンテンツを提供するメディア企業の合従連衡
・IT系新規プレーヤーと既存メディアの広告、有料ビジネスを巡るプラットフォームの争い
・グローバルに展開するプラットフォームとコンテンツホルダーが存在する新たなメディア空間


■コミュニケーションは無料化され、広告モデルで運営される
■コンテンツは有料化される
■コンテンツ周辺で広告ビジネスをしていたメディアの出番が減り、通信キャリアの役割はインフラのみに再構築される
■アドテクノロジーのノウハウとは、いかに実際のビジネスに結びつく組み合わせを見つけられるか
■自動化されず最後まで残る仕事はなにか?を常に考えている
「広告代理店は多忙すぎて、デジタル人材を育てる余裕がない。それに、デジタルのアイデアをクライアントに話すと、制作発注しないで自社でやってしまう」
■コンテンツホルダーが直接ユーザーに映画を販売する仕組み。
 インターネットをメディア化するのではなく、単なる配信インフラとして捉えている。
■フェイスブックやグーグルで、ビデオチャットが無料でできるのは、私たちの行動データに価値を見いだし、そのデータを元に企業から広告を募っているから

4799310690 明日のメディア 3年後のテレビ、SNS、広告、クラウドの地平線 (ディスカヴァー携書)
志村 一隆
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2011-10-16

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