先月、幸運にもブライアン・ソリスさんの来日イベントにご招待頂き、単独インタビューの時間まで頂いてしまいました。
何でも、今回「エフェクト」というタイトルで日本で出版される彼の翻訳本の出版に携わった方が、出版記念パーティーを急遽開催するにあたり、ブライアン・ソリスさんの過去の著作である「新しいPRの教科書」の私の書評を見つけてくれたようで、Facebookからオファーを頂いたという非常に幸運な流れ。
つくづくブログを書いていた良かったと感じる瞬間です。
ブライアン・ソリスさんは、日本では知っている人はそれほど多くないかもしれませんが、特に米国でソーシャルメディアやデジタルPRとかに携わっている人であれば知らない人はいないと言っても過言ではない有名人。
当然のようにWikipediaには写真付きのプロフィールページがありますし、ベストセラー作家でもあり、プレゼンテーターとしても有名で、SXSWの登壇者として常連なんですが、今年はあのNBAスター選手のシャキール・オニールと対談してたりしますからね。格が違います。
個人的にも、彼のブログやビデオポッドキャスティングには多大な影響を受けており、彼の同僚にあたるグランズウェル著者のシャーリーン・リーさんと並んで、私の「人生でいつか会いたい人トップ5」の一人だったので、今回の単独インタビューは本当に幸せな一時でした。
さて、今回出版される著書「エフェクト」の話は、別途読書メモで紹介したいと思いますので、今日は事前に時間をもらったときに聞いた雑談の話を紹介したいと思います。
私がした雑談的質問は「なんでビデオポッドキャスティングをやろうと思ったんですか?」というもの。
上記のシャキールオニールの対談もその一つですが、ブライアン・ソリスさんが2010年から実施しているRevolutionというビデオ番組についての質問です。
単純に私自身が過去にビデオインタビューにチャレンジして、途中で挫折してしまった経験から、動画とか大変だと思うけど何でわざわざ動画もやってるの?という趣旨で聞いたんですが、興味深かったのが彼の返答。
「情報の受け手が求めてるんだったら全ての形式で情報発信をするべきだと思うんだよ(記憶を元にした意訳)」
何でも、ブライアン・ソリスさん曰く、彼が本を出したときにも「人気ブログ書いてるのに、なんで本をわざわざ書くの?」という質問を案外されたそうで。
ツイッターもFacebookページも結構マメに更新してるので、そっちも良く時間あるね、と言われたそうです。
でも、彼のスタンスは単純明快で、伝えたいメッセージがあるなら、相手が求めている全ての方法で伝えてあげる必要がある、というものでした。
例えば彼のブログはブログだけで見ても、米国のAdAgeのPower150というマーケティング系ブログのランキングで9位にランクインしています。
これだけ見ると、こんな影響力あるならブログだけで情報発信してても十分、とつい思ってしまいがちですが、彼の中ではブログを定期的に読んでくれる人はあくまで一部の人であって、本の形式にしないと読んでくれない人、動画の形式にしないと聞いてくれない人、がいるのであれば、それもやる。相手がツイッターのコアユーザーならツイッターでも話しかけるし、FacebookのコアユーザーならFacebookで話しかける、という話なんですよね。
実際、私自身も、セミナー当日に私がインタビューの写真をFacebookにアップしたら、速攻で発見されてコメントしてくれた上に本家側でもシェアで紹介してくれて、二度ビックリという経験をしましたが、全ての接点でのコミュニケーションを大事にされているということが伺える逸話だと思います。
私自身も企業にアドバイスするときは、お客さんが使っているサービスに、できるだけ情報は全てフィードした方が良い、とアドバイスしているので、同じ考え方ではあるのですが、パーソナルブランディングの世界では手間を考えると、ブログと、動画とかポッドキャスティングを両立させるのって難しいよなぁと諦めてしまってました。
でも、確かに動画の方が理解しやすいという人がいるのであれば、そっちにも挑戦した方が良いんですよね。
ユーザーとしてソーシャルメディアに向き合うのであれば、当然自分が一番気に入ったプラットフォームを選んで楽しめば良い話ではあるのですが。
プロとして情報発信をするのであれば、届けたい相手がいる場所全てで情報発信をするべき、というのは当たり前のようでなかなかできないことだなぁと、彼の人気の片鱗を垣間見たような気持ちになりました。
さらに、耳が痛い発言だったのが、「やるからにはパーソナルブランディングなんだから、しっかりこだわってやらないとダメ(記憶を元にした意訳)」というもの。
実際、ブライアン・ソリス氏のソーシャルメディア運用って、ブログのデザインからプロフィール写真、ツイッターのサイドバーの画像、Facebookページのヘッダーデザイン、と全て細部までこだわって作られてるんですよね。
特にビデオ番組の画質とかオープニングとか凄いんですよ。映画みたいです。
つい私なんかは数千人みてくれるかどうかの動画にここまで手間かけるのとか割に合わないんじゃないかとか、思っちゃったりするわけですが。(実際にはビデオポッドキャスティングで見ている人も多いと思うので、YouTubeの再生回数以上に見ている人は多いと思います。)
この動画を見て一人の人が感動して仕事に繋がるなら、全然ソリスさんのビジネスであれば意味があるんですよね。
自分の中で分かったつもりになっていたことが、実はまだまだ中途半端だったと言うことを思い知らされたような一日でした。
ブライアン・ソリスさんの書籍「エフェクト」の読書メモは、近日中にブログにアップしたいと思いますが、11日発売のようですので、興味がある人は是非予約されることをお勧めします。